表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
72/114

実力

30分後。


「オレ達の物語はまだ始まったばかりだ……」


主人公の決め台詞のあと、画面にエンディングが流れる。


「ふー……」


それと同時に銃を置き、息を一つ吐く。


「なんか喉乾いちゃったね」


「ああ、そうだな。オレ、なんか買ってくるわ……」


それだけ言って、銃を素早く置くと、逃げるようにオレはそそくさと自販機のあるところまで向かった。


すげぇ……

というかありえん……

オレは歩きながら先程の光景を思い出し、手で口を抑えていた。


全ステージ、ノーミスでクリアだと……?!

それにこっちは何度かやられて、柊一人でステージクリアしたことも何回かあったくらいだ。

しかも、トータルスコアが他を引き離すくらいの圧倒的な数字で1位にランクイン。


あれこそ、まさに神プレイだった。

そりゃ、三枝も一目置くわけだ。

柊の実力なら確実にプロになれるだろう。

などと考えているうちに自販機にたどり着き、小銭を入れ、オレンジジュースを二つ買い、柊の元に戻る。


「お待たせ。オレンジジュースだけど、大丈夫?」


「あ、うん。ありがとう」


オレが手渡したジュースを受け取ると柊は缶を開け、ごくごくとジュースを飲んでいく。

ジュースを飲むとき、柔らかそうな唇が目に飛び込んできて、オレは慌てて顔を背けた。


「次は何やろっか?」


オレの心のことなど露知らず、柊はそう聞いてくる。


「そ、そうだな、何しようか……」


言いながら、オレはジュースの缶を開けると、勢いよく、ごくごくと飲み始めた。むしろ、勢いが強すぎて鼻の奥に入ってしまい、めちゃくちゃ痛かったが、それを悟られまいと必死に我慢した。


「あ、音ゲーあるじゃん。あれにしよーよ」


いつの間にか飲み終えていたジュースの空き缶を柊はゴミ箱に投げ入れ、足早にゲーム機の前に移動した。


「あ、ちょ……!!」


それを見て柊を追いかけるようにオレもジュースを飲み干すと、ゲーム機の前に向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ