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ゲーマーとプロ

「で、これがこうなって……」


言って、さらさらとノートに記号を書いていく。


「なぁ、これで合ってる?」


横にいる杉原に聞く。


「うんうん。合ってるよ!やっぱり理解力あるよ、薫君」


「そうかな?でも授業のときは分かんなかったから、やっぱり講師がいいんだと思うぞ」


授業のときとか、ただの呪文に聞こえてきたからな。

それに中学から比べて高校の授業レベルがいきなり上がったから、出だしで躓くと後がダメになるっていうし。


「そういってもらえると嬉しいな。それよりも……」


ははっと可愛らしく笑った杉原だが、すぐに元の表情に戻り、自分の隣を見やる。


「勉強しないの?」


そして一言。

視線の先には、すっかりテレビゲームに夢中になっている三枝と柊がいた。


「柊さん、上手いねー。慣れてる人でも苦戦するステージなのに」


「そう……かな?何回もやってるからもう慣れちゃった」


しかし、杉原の一言を無視し、二人はゲームに集中しているようだった。

いつからこんなことに……


「まだ勉強始めて1時間くらいしか経ってないのに……そもそも今日は勉強する目的で集まったはずだよな?」


ノートにペンを走らせ、思わず、首を傾げてしまう。

柊は元々秀才だから勉強はしなくて良いのかも知れないけど、三枝は苦手だから勉強会に加わったはずなのに、このままじゃ追試を受けるはめになるぞ……?


「でも二人が仲良くなってよかったじゃん」


そんなオレの心内を察したのか、杉原がそう言ってきた。


「まぁ……そうだな」


杉原のその言葉にオレは少しだけ笑みを浮かべた。

ゲーム繋がりが幸をそうしたのか、柊と三枝はあっさりと打ち解けた。

美少女である柊が実はかなりのゲーマーだと知った三枝は当初かなり驚いてたが、それも心配するようなことではなかった。

むしろ、同姓のゲーマーがいてくれて嬉しいと喜んでいたくらいだった。


そして結局、勉強会が終わる夜の7時まで柊と三枝はゲームに没頭するのだった。

しかし、余計なことというか二人は何故かオレのセーブデータでゲームをプレイしていたらしく、更にはそれが上書きされ、オレの育て上げてきたキャラはいつの間にかチートと呼べるほどの強さを誇っており、もはや敵がいない状態になっていた。


唯一に近い物の遊ぶ楽しみがなくなってしまった……

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