いじいじ
「あー疲れた……」
すっかり陽も暮れた頃、学校近くの喫茶店に柊、杉原と共に入る。
そして案内された席に着き、目当ての物を注文をする。オレはコーラ、杉原と柊がオレンジジュースだった。
「でもなんかスッキリしたよね。最初の頃より綺麗になった道を見ると」
杉原が微笑みながらそう言ったので、オレと柊は顔を見合せた後、オレ達も同じように微笑んだ。
「それにしてもびっくりしたなー。まさか薫君が率先して生徒会のボランティアに参加するなんて」
最初に運ばれた水をずずっとすすりながら杉原が言う。
「ほんと。こういうのには興味ないと思ってたのに」
柊も杉原に続き、そんなことを言ってくる。
「失礼だな。オレだってそれぐらいするときだってあるよ」
二人の言葉にオレは少しだけムッとした。
「あはは。冗談、冗談。ごめんね。でも、本当は別の理由があったんじゃないの?」
疑わしげにオレの顔をジロジロと見てくる杉原。
「別の理由?」
柊はよくわかっていないのか、杉原の言葉に首をかしげた。
「美人だもんね~、生徒会長……」
杉原がボソッとそんなことを言ってきたので、オレは飲みかけだったコーラを吹き出しそうになった。
「な、何いってんだ……!別にそんなこと……」
「あ、動揺してる。ますます怪しい~」
意地の悪い笑みを浮かべ、杉原がクックックと笑う。
「あ、なるほど。そういうことか~」
柊もようやく意味がわかったのか、ニヤニヤと笑いだす。
「あーもう……」
今のこの状況でオレがどれだけ言っても、それは言い訳にしか聞こえない。
全くめんどくさいことになってしまった……
心の中でがっくりとうなだれながら、しばしの間、オレは二人にいじられるのだった。




