表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/114

意外な人物

エスカレーターを降りたところで、ホビーフロアがあることに気づいた。

こういう大きな店なら最新ゲームの試遊台とかないかな。

というか、沈んだこの気分をなんとか回復させたい。


ホビーコーナーへ入り、天井にぶら下がってる案内板を頼りに、ゲームコーナーへ向かう。

するとオレの予想通り、店の奥に試遊台があった。


「お、あった、あった」


心の中で少しだけ喜びながら、そこへ向かう。

運が良かったのか、他に遊んでいる客はいなく、しばしの間、オレは試遊台を満喫するのだった。


「ふー……」


息を一つ吐き、コントローラーを台の上に置く。

ゲームコーナーへ来てから既に1時間が経過していた。

面白さの辺り、時間が結構経ってしまっていた。

ステルス系のゲームはやったことなかったが、やってみると楽しめるもんだな。


帰ったら柊に話してみよう。

なんて思いながら、角を曲がったところだった。

突然、前が見えなくなるほど、何かの箱を積み上げた客が現れた。


「うわ!」


「きゃっ!」


お互い反応できないまま、ぶつかってしまい、そのまま床に尻餅をついた。


「いって……」


モロに食らってしまった。

てか、なんでこんなに手で積み上げんだよ、カゴ使えよ。

少しだけ苛立ちながら、立ち上がると、オレとぶつかった客が床に尻餅をついたまま、頭を下げてきた。


「す、すいません……」


声からして女だった。

メガネをかけていて、ジーパンにロンティー、髪は後ろに一つ結びだ。

うつむいているので、顔はわからない。


「ああ、いえ……」


ここで怒るのもなんなので、とりあえず平静を装う。


「拾いましょうか……」


言いながら膝を曲げ、散らばった箱を集め始めた。

このまま、ここを去るのもなんか不親切な気がするし、別に急いでいるわけでもないしな。

オレって紳士。


なんてうぬぼれたことを考えてしまう。


「あ、すいません……」


オレの行動に少しだけ驚いたあと、女性も慌てて箱を拾い始めた。

散らばったのは、フィギュアの箱だった。

しかも、美少女フィギュアばかり。

女性が美少女フィギュアの集めてるなんて珍しいな。

いや、オレがオタクについて知らないだけか。今は当たり前なのかも。もしかしたら、柊も集めてるかもだし。


そんなことを考えているうちに箱を全部集め終え、近くにあったカゴに入れる。


「こうして持っていった方が楽ですよ」


そう言って、手渡す。


「あ、ありがとうございます」


再び、オレに頭を下げ、女性がカゴを受け取った時、チラッと女性の顔が見えた。

その瞬間、オレは思わず、自分の目を疑った。

何故なら、目の前にいるその女性は。


「生徒会長?」


最も、意外な人物だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ