結局妹のことは好き
「ふわーあ」
翌日。
カーテンを開け、さんさんと輝く太陽を全身に浴びながら、大きくあくびをする。
今日は休日ということで二度寝を繰り返し、結局昼過ぎまで寝てしまった。先程携帯で時刻を見たが、12時を回っていた。
洗面所で顔をバシャバシャと洗ったあと、歯ブラシを口に入れながらテーブルに書き置きが置いてあることに気づく。
それを拾い上げると、見慣れた可愛らしい字で「お友達と出掛けてきます。夜には帰るので連絡します」と書かれていた。
どうやら陽愛が置いていったようだ。
休日だから陽愛と買い物でも行ければな。と思っていたのだが、どうやらそれは無理なようだ。
どうしよう。一人になってしまった。
冷蔵庫を開けると、ご丁寧に陽愛が昼御飯を作ってくれていたので、それをレンジで温めて食べながら、ぼーっとする。
テレビをつけても特に面白い番組もなく、特にやることがなかった。
課題でもやって時間を潰したいのだが、こういうときに限って課題が出されていないのである。
仕方ない。予習でもやるか。
そう思い、カバンから教科書とノートを取り出し、テーブルに座り、ペラペラとめくっていくのだが。
「やる気が起きん……」
全くもって、身が入らない。というかやる気が起こらない。
「はぁ……」
たまらず、ため息を吐きながら、教科書を閉じ、再びカバンに閉まったところで思い出す
そういえば、近くにショッピングモールがあったんだっけ。
家にいても暇なだけだし、行ってみるか。
それにしても、一人って寂しいな……
つくづくそんなことを感じた。
家から最寄りのバス停まで5分、そこからバスで10分の所にショッピングモールはあった。
バスを降り、早速、中に入ると休日ということもあり、かなり人で賑わっていた。
「はぁ……」
たまらず、ため息が出てしまう。
こういう所は誰かと来るべきだったな……と激しく後悔した。
ゲーセンでも行って、適当に時間潰して帰ろう。
虚しい心と身体を引きずりながら、エスカレーターに乗り、上がっていくのだった。




