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兄離れって中々聞かないよね

30分後。

陽愛を含めた4人でテーブルを囲む。


「あーよかったー!お兄ちゃんに彼女ができてなくてー!!」


先ほどとは打って変わって、陽愛はとびきりの笑顔でそう言った。


「ったく……勝手に勘違いした上に、いきなり泣きやがって」


というか、こちらとしては兄に彼女ができてなくて喜ぶとはどういうことなんだ、妹よ。と、突っ込みたい。

それにこの前みたく、泣き止ますのに30分もかかったぞ。

あー、疲れた。

肩をコキコキと左右に捻ると、骨がパキパキと音をたてた。


「それにしても杉原君、だいぶ見た目変わったね」


既にケロッとした様子の陽愛が杉原の姿を改めてじっくりと見る。

ちなみに陽愛と杉原は小学生の頃、オレの友達だったこともあり、何度か会っているのだ。


「あーまぁ色々あってね……」


言いながら苦笑する。


「そうなんだー……まぁものすごく似合ってるからあんまり気にならないや。で、その隣にいるのが……」


えー。反応うす……

陽愛が杉原に対して全然驚かなかったのが、びっくりだ。と、ついつい思ってしまう。


「あ、柊綾香と言います。お、お兄さんとはお友達で……」


それだけのセリフを言うのに、横から見ても柊の顔は真っ赤になっていた。

そういえば、柊はものすごい人見知りだったっけ。

すっかり慣れてしまったから忘れてしまっていた。


「すっごい美人の上に、めちゃくちゃスタイルいいですね。アタシじゃ勝てない……」


言いながら、陽愛は自分の胸を触った。


「ぶっ!何やってんだ!?お前!」


その光景にたまらず、吹き出してしまう。


「えー、だってー」


「だってじゃねーよ!今度からそういうことは男がいる前でやっちゃだめだからな!」


「はーい」


真剣に聞いているのかわからないような生返事が陽愛から帰ってくる。


「「フフフ」」


そんなオレ達のやりとりを見ていた杉原と柊が同時に笑いだす。


「え?な、なんか面白いことしたっけ?」


「いや、ものすごく仲がいいんだなぁと思って」


ねー。と、うなずきながら同意を得るように杉原が柊の顔を見る。


「だって!お兄ちゃん」


仲が良いと言われて嬉しいのだろう。陽愛はニマッと笑いながらオレの方を見てきた。


「仲が良いねぇ……」


その感想に対してオレはあまり嬉しくなかった。

オレとしては早く兄離れしてほしいんだけどなと思っているのだが。

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