お土産は忘れずに
「それより、あの子はなんなの?全く話についていけなかったんだけど」
帰り道、途中の道で別れるまで三枝と並んで歩く。
「オレだって未だにわかんないよ。唯一分かるのはあの子が中二病だってことくらい」
「中二病って……まじでいるんだ」
三枝は顔をひきつらせた。陽愛と全く同じ反応だった。
「なんかの漫画に感化されてオレと運命を共にしよう!みたいなこと言われててさ、もうどうしていいかわかんねぇよ。今日だって玄関の前で正座してオレが出てくるの待ってるんだぞ?もはや、驚き通り越してホラーだったわ」
「それはやばいね……」
「多分、中学生とかだろうから夏休みの間だけ我慢すればいいと思うけど」
「確かに見た目、中学生くらいだったね。それにしてもアンタも災難ね……」
同情の眼差しでオレのことを見てくる三枝。
やめてくれ、そんな眼で見るのは。なんか悲しくなってくる。
「っと、それじゃアタシこっちだから、じゃあね」
いつの間にか、三枝と別れる道までやってきていた。
「ああ、じゃあな。気を付けて帰れよ。あとメシ、ありがとう。すげーうれしかった」
「あ、アタシが勝手にやったことだからあんま気にしないで……」
そして、そそくさときびすを返し、三枝は歩いていった。
その後ろ姿を少し見送ったところで、オレも再び道を歩き始めた。
さて、すっかり遅くなってしまったな。
一応、陽愛には連絡を入れておいたが、心配してるだろうし、コンビニでシュークリームでも買って帰ってやるか。
というわけでオレは途中、コンビニでコーラとポテチとシュークリーム(×2)を買って帰った。