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腹ペコ

西園さんから解放されたのは、それから2時間後のことだった。


「腹へった……」


フラフラとおぼつかない足取りでショッピングモールへと帰ってくる。

腕時計をみると既に夜の9時に近かった。

この時間になると、レストランを含むほとんどの店は閉店作業に入っている。


「はぁ……」


仕方ない、帰りにコンビニでなんか買って帰るか。

そう諦め、ショッピングモールを出ようとした時だった。


「ん?」


誰かに肩をトントンと叩かれた。

誰かと思い、虚ろな眼でゆっくり後ろを振り返るとそこにはバイト終わりなのか、三枝が立っていた。


「バイト終わったのか?お疲れ……」


「お疲れって、それはこっちのセリフ。今までずっとあの女の子と喋ってたの?」


肩をすくめながら、呆れたようにため息を一つ吐く。


「いや、別に好きで喋ってたわけじゃないんだけどな……」


「それはわかってるわよ。それより、ほら」


言って、三枝は手に持っていた紙袋をオレに手渡してきた。


「なにこれ?」


受け取った紙袋を見つめる。


「あんた、今日ショートだったから多分ご飯食べてないんじゃないかって思って、さっき買ってきたの」


「お、おお……」


オレは紙袋の中身を見た瞬間、感動して声が震えた。

中には、ハンバーガーとポテト、ドリンクが入っていたのだ。


「神よ……!」


震える声でそう呟いたあと、むさぼるように食べ始める。


「大袈裟だって……」


照れくさそうに頬をぽりぽりとかきながら、三枝はふふっと穏やかな笑みを浮かべた。


「ふぅ、ご馳走さん」


「って早!!!どんだけお腹減ってたのよ……」


ぎょっとした様子でオレを見てくる。

食べ盛りの男子の空腹具合をなめないでもらいたい。

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