変なやつ
バイトが無事終わり、オレはそのままショッピングモールの中をぶらついていた。
今は夕方の6時半。バイトがショートの時間であったため、空腹を満たすために様々な店を散策しているのだが。
「ここもダメか……」
立ち寄ったファーストフードの店も人でいっぱいになっていた。
これで4店目だ。
ちょうど晩御飯時というときもあり、どの店も人でいっぱいになっており、すぐに食べれる店が一切なかった。
「とりあえずジュースでも飲むか……」
さすがに歩きっぱなしで疲れてきたので、自販機を見つけるとコーラを買い、近くにあったソファに座る。
「はぁ……」
缶を開け、コーラを一口飲んだあと、ため息を一つ吐き、ポケットに入れていた携帯を取り出す。
陽愛にはなんか食べて帰るからご飯はいらないって、言っちゃったけど今のうちに連絡すればなんとかなるかな……
ここで待ってても時間の無駄かもしれないしな。
「よし」
少し考えたあと、携帯でLINEを起動させる。ちょうどその時。
「あ」
LINEが届いた。といっても陽愛からではなく、三枝からだった。
そこにはこう一言書かれていた。
変なやつが店の前にいる。
「もしかして……」
三枝の言うその変なやつにオレは思い当たる節があった。恐らく、店というのはオレ達がバイトしている雑貨屋のことだろう。
そして、すぐさま立ち上がり、オレは全力で店に向かった。