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運命

20分後。


「だから我と主は結ばれる運命なのだ!!」


おもむろに立ち上がり、そう力説する西園さん。

クーラーの効いた部屋にいるのに、二人とも既にジュースは飲みきっていた。


「そう……だね」


明後日の方向を向きながら、オレは少しどもりながら返事をした。


西園さん、いや今はローゼットと呼ぶべきか、彼女の言うことは、つまりはこういうことだった。


彼女が愛してやまない漫画、ローゼットハイムの主人公とヒロイン、ローゼットハイムは中世ヨーロッパに生まれ、生まれ持った人知を越えた力により、周りからは蔑まれ、様々な迫害を受け、最終的にこの世に絶望した二人は平和な世界で再び結ばれようと海に身を投げる。


そして漫画の最終回、ローゼットハイムは現代の日本人の女の子に生まれ変わり、度々、自分の知らない記憶が甦るのに頭を悩まされながら、偶然、街中でぶつかったのが、かつて前世で愛しあった主人公であり、約束通り、運命の再会を果たすのだった。


西園さんはその漫画に感化されすぎて、コスプレなどをするうちに自分がローゼットハイムの生まれ変わりだと思い込むようになった。と、これはあくまでオレの解釈だが、話を聞く限り、ほぼそれで間違いないと思う。


うっかり、肩がぶつかってしまったが、故にオレは彼女にかつての恋人である主だと思われてしまったわけか……


こんな運命など、一体誰が予想できただろう。

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