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始まり
桜木私立高等学校。
オレの住む街、桜木町に唯一存在する共学の高校。
偏差値が70とかなり高めなのだが、他の高校は偏差値が低い代わりに男子校か女子校しかなく、高校3年間を男子校で過ごし、おまけに彼女もできないまま、冴えない青春を送りたくないと考えたオレは、それまで真剣に打ち込んでいたバスケ部をやめ、中学二年の後半から死にものぐるいで猛勉強した。
その甲斐もあってか、無事桜木高校に合格でき、これから素晴らしい青春を送ろうと期待に胸を膨らませながら、桜の舞い散る中、校門をくぐった。