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2-15.それぞれのひと時

「・・・という訳で、子供のオモチャは取り上げておいた。金貨10枚は必要経費だ。」

「ドアからおこし下さいと、お願いしたはずですが・・・残念ですが、私には自由になるお金が幾らもないのです。申し訳ありません。」


「ま、それはなんとなく予想していたよ。いいさ、貸しにしておく。タダで動くと思われても困る。」

「後にも先にも、私にさし上げられるものは一つしかありません・・・」


「そうか、なら死ぬ気で働かないと釣り合わないな。」

「・・・・・」


「冗談だ。」

「何が、どう冗談なのですか?」


「俺はもう行く、何か動きがあったら知らせてくれ。」

「・・・はい。」


 目の前の人影はもうない。なんという男なのだろうか・・・ヤーン神教の聖巫女である私に、畏れや恐怖、疑いや蔑みといったものを感じさせない。かといって、私に女を感じているわけでもない。今まで私の周りにはいなかったひと。それとも、冒険者というのはみんな彼のような人間ばかりなのだろうか。


          ★             ★            ★  

                              

「・・・だから、レイメイと2人で世界の危機を救ってきたんだよ。盗賊を捕えたのはついでだ。」

「それで、褒賞金でもいただけたんですか?」

「そんなわけなかろう。」


「よく分かってるじゃないか。私には自由になるお金はありません、ときた。」

「それで引き下がって来たんですか?」

「教徒が巫女の云うことをきくのは、当然だとおもっているのさ。教徒になった覚えもないのに。」


「一応、貸しにしておいた。何でもかんでも働かされたらこっちがたまらん。」

「なるほど・・・貸し、ですか。」

「貸し、ね。」


「言っとくがな、伯爵のところで聖女に借りがあるのはお前ら3人だからな。俺は関係ないぞ。」

 レイメイはもう爆睡中である。なんだかんだで疲れたのであろう。


「それを言われると、弱いんですよね。」

「うむ、そんなこともあったな。」


「レイメイは今回の件でチャラだ。お前ら2人も1回はカミーユの役に立て。いや、保釈の件も・・・」

「でもあれって、ハヤトを引き込むための方便だったんじゃないんですか?」

「そうか、身元引受人の借りもあったか。これは止むを得ん。」


 2回はカミーユに借りを返そう、という話になった。レイメイはまとめて借りを返したらしい。何をしたのか聞いてもさっぱり要領を得ぬ。ハヤトが部屋に行ったと思うと、今度はフレイがやって来た。


「ニーさん。」

「ん。」


「レイメイさん帰ってきましたね。」

「ああ。」


「気づいてるんでしょ?」

「何にだ。」


「レイメイの一人称がリロイに行く時から「アタイ」になってましたね。」

「もともとアイツはそうだった。」


「ですが突然ハヤトが現われて、距離をとるため「私」になった。」

「距離をとる必要がなくなったんだろう。レイメイの中では・・・」


「一体何があったんでしょうね、リロイで。」

「だから世界を救ったのだろうよ。」


「壮大な話ですね。」

「だが、嘘をつくヤツじゃない。」


「ニーさんはそれでいいのですか?」

「決めるのはレイメイだ。」


          ★             ★            ★  

      

 どことも知れぬ地下室で、3人の男達が話をしている。


「それで『地』の星が落とされた、というのは本当なのだな?」

「はい、こちらからの呼びかけに答えないところを見るとまちがいないかと。」

「昼間、海の上で光る花火を見た、という報告もございます。」


「一度しか使わずに、神代の宝を無くすか・・・」

「しかし、今回の噴火の件でシズ教団に転んだものが2,000名は固いかと。」                        

「しかし、いよいよヤーン神教のやつら、邪魔になってまいりましたな。」 


「ヤーン神教の者が今回の件に関わっているのは間違いないのか?」

「「目」や「耳」からの報告によると、聖女カミーユが『地』を突き止め、破壊を依頼したとか。」

「聖女カミーユはすでに『白き星の者』と接触を果たし、助力を得ている様子です。」


「ふん、そうだろうな。『白き星の者』の助力なしで『地』を落とすなど、かなわぬ技。」

「この際、単独で『白き星の者』を消してしまってはどうでありましょうか?」

「うむ、聖女といえど『白き星の者』さえ殺してしまえばただの女。」


「そんな簡単に事が運べば苦労はないが。教団の臭いが無いものを選りすぐり、殺害に向かわせよ。」

「はっ、かしこまりましてございます。」

「カミーユの方は如何いたしましょうか?」


「この時期に『白き星の者』と聖女が姿を消すのはいかにもまずい、とりあえず聖女は放っておけ。」

「御意!」

「御意!」


「ところで我が方の、『黒き星の者』の様子は如何かな?」

「はっ、あいかわらず訓練を続け、最近では害獣も相手にしている様子です。」

「よほど「力こそ正義」という世界に惹かれたようです。当たり前のことだと思うのですが・・・」


「はっはっはっ、よいよい。好きにさせよ、ただ万が一にも死なせるようなことがあってはならんぞ。」

「御意!」

「御意!」


          ★             ★            ★  

                              

「力こそ正義、い~い時代だ。そんな時代が俺達にふさわしい。夢に見た世界がそこにある。ハヤトよ、お前も同じ空の下でそう思っているだろう?その悲願がなった時、時代の雌雄を決するのだ!俺とお前で。」

「リクオ様、何を言っておいでで?」


「なんでもない、強敵ともへの独り言だ。」

「牙長タイガを倒したリクオ様の強敵ともですか?」


「あの獣はそんなに強いのか?」

「伝説のSランカー、ハイネスが倒したのみです。」


「ほう、野にはやはり強者がいるものよな。」

「だ、ダメですよ・・・?」


「ここはやはり、武者修行にでるべきでは・・・」

「ですからダメです、私が叱られてしまいます。」


「俺の代わりに叱られとけ。この国のことはだいたい分かった。後は実戦で修行を積まねば。」

「だいたいお金がありません。」


「それは大丈夫だ、立ち会った相手から巻き上げる。」

「それでは武者修行でなくて追いはぎか山賊です~!」


「うるさいやつだな、よし、お前もついてこい!」

「ふぇ?」


「お前との一夜の伽を賭けて勝負するのだ。それなら人も集まろう。」

「リ~ク~オ~さ~ま~!」

手術室の中ってクラッシック音楽をかけるんですね、知りませんでした。

17日で通所リハビリも終わりです。

と云うわけでUPを続けたいと思います。

次回更新日は明日です。喜んで読んでもらえれば幸いです。

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