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2-3.Sランカー、ハイネス

 アウェー感が半端ない。


 オープンバーの方へ行って葡萄酒を頼む。頼んだだけで飲まないが。俺が葡萄酒で舌先を湿らせていると、

長剣を背負った男が近づいてきた。


「ハイネスさんに用があるんだって?」

「ファンなんだ。一目会いに南から来たんだよ。」


「イスズさんにちょっかい出してたようだが?」

「あの受付嬢はイスズというのか?彼女には新種の害獣情報を伝えただけさ。」


 2人で話しているだけだが、いーい感じに殺気が飛んでくる。よせよ、嬉しくなっちまうじゃないか。


「そんな下手な言い訳が通るとでも思ってんのか?」

「言い訳なら、もっと上手くやるさ。」


「この街にも流儀というもんがある。」

「・・・」


「ハイネスさんは余所者があれこれ詮索していいお人じゃねーんだよ。そいつを飲んで帰りな。」

「弱ったな、そんな事をいわれるとますますお近づきになりたくなるな。」


「お前、俺はギルド内だからと穏便に話をしてるんだぜ?勘違いすんなよ?」


 いい感じに殺気が膨れ上がってきた。俺は抑えていた身の内の気を解放した。殺気ではない・・・鬼気だ。

俺の鬼気が広がると、ヤツの殺気が喰われてゆく。まるでそこには最初から何もなかったかのように。この男と、気の毒にもバーにいた男は今や身動き一つできずにいた。


 俺は長剣の男に対し、指2本で頭から切る所作をする。その瞬間、男は昏倒し後ろに倒れてしまった。誰も口を利かない。俺は鬼気の金縛りを緩めるとバーの男にいった。


「今度は飲める葡萄酒をもらおうか。アンタの驕りだぜ?」


 マスターは壊れた人形のように何度も頭を上下に振った。

カウンターの上に葡萄酒が3つもならんじまったが、次の勇者は現われなかった。

                                  

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「なんだ、なんだ、尋常じゃない鬼気を感じたと思ったらジョーイのヤツがひっくり返っているじゃないか?誰か説明してくれよ。」


「ハイネスさん」

「ハイネスさん」 

「ハイネスさん、お帰りなさい。」

「ハイネスさん、依頼の方は?」


「依頼が片付いたから戻ってきたんだよ。それよりなんだ、辛気臭い。何があった。」

 全員の視線が俺に注がれる。照れるな・・・


「初めまして、ハイネスさん。俺はハヤト。アンタに葡萄酒をおごりたくて待ってたんだ。」

「なるほど・・・」


「なら、一杯貰おうか。」


 ハイネスがカウンターの方へやってきた。でかい。身長180㎝の俺が見上げる・・・200㎝近いな。それによく鍛えられた体だ。薄く脂肪がのっている・・・ただし、隻腕だった。左腕が無い。


「俺の能力測定は終わったかい?」

 俺の流派では目付けというが、まさに目付けの最中であった。


「出会いを祝して。」

 俺は葡萄酒を勧めた。


「乾杯。」

「乾杯。」


「やはり、さっきの鬼気は君か?かわいそうにジョーイのやつでは歯が立たなかったろう。」

「すいません、少し遊びが過ぎました。ですが、あなたに会いに来たのは本当です。」


「いまさらこんなロートルに用があるって?」

「唯一のSランカーと聞いています。」


「昔の話だ、それにそのせいでこの腕だ。」

「牙長タイガをやったと聞きました。」


「ありゃー、やったんじゃねえ。退けただけだ。」

「?」


「タイガ2頭とパーティメンバー2人がかちあってな。もちろん1人は俺だ。」

「それで?」


「俺は左腕を食われながらも、右拳でヤツの犬歯を折ってやった。ヤツ、大慌てで逃げていきやがった。」

「動物は己の武器を失うことを恐れます。狩りができなくなりますから。」


「そうか。番いだったのか、もう1頭もいなくなってな。結局俺達2人は生き残ったんだ。」

「そうでしたか。私の来るのが遅すぎましたね・・・現役時代のあなたを見たかった。」


「おいおい勘弁してくれ。俺は害獣を退ける術を知ってはいるが、人についてはそんなに詳しくねえ。」

「そんなに、ね。」


「本当に勘弁してくれ、せいぜい野党や盗賊と遊ぶ程度さ。だがアンタは違うだろ。この時代に何故あんたのような男がいるのか興味があるが・・・あんたは、害獣より人だろ?」

「確かに。」


「例えばアンタ、このギルド中の人間を全て殺して見せろと言われたら?」

「問題ない。」


「俺の目の前でいうところが憎らしいな、おい、2杯目もらうぞ!」

「どうぞ・・・あと、イスズさんという方は?」


「その時いたパーティメンバーだ。今じゃギルドに勤めてる。」

「なるほど、やはりあなたに会えて良かった。また一つ強さを知ることができた。」


「そんなに強さを求めてどうするんだ?」

「人類最強を目指します。」


「・・・こんなこと言っちゃなんだが、お前さん、仲間から馬鹿と呼ばれてないか?」

「よくご存じで。」

 俺はこの日一番の笑顔で笑った。


 そのあと俺はジョーイをおこし、非礼をわびた後、ギルドをあとにした。


 イスズがハイネスのところにやってきた。

「お帰りなさい、無事だったようね。」

「薬草採取だぜ、無事に決まってる。あの日から無茶はしてないさ。」


「今の子、昔のあなたに似ていたわ。」

「あぁ、自分より強いやつを探してるのさ。」


                                 

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 やばい、6つの鐘だ。串焼き肉を食ってる場合じゃねえ。といいつつ1本だけ買って港を目指した。やはりみんな揃ってる、俺が最後だ。


 モグモグモグ・・・3人か、俺の相手じゃなさそうだな。なら、観戦するか・・・モグモグモグ


「おい絶対知覚!!お前のそれはどういう能力だ?」

「えっ!あっ、3人倉庫の陰に隠れていますね。」

「俺に用はなさそうだぞ。」

「私も何もしてないわよ~」

「「「ニーか?」」」


「珍しいわね、あなたがトラブルなんて。」

「そうでもないと思いますけど。」

「相手は誰なんだ?」

「おそらく武器屋だ。」

 しかめっつらしくニーが、いった。

更新は明日です。

楽しんでいただければ幸いです。

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