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1-16.シャトル

 冒険者が遺跡を発掘するのは金のためだ。発見されたお宝を都で金に換える、あるいはいまだ発見されていない太古の遺跡を見つけ出し領主に知らせる。これもまた莫大な褒賞金がでる。その金で故郷に帰るか、都に住むかは別れるところだが・・・それが冒険者の成功パターンらしい。いつまでも害獣狩りなどしてはいられないのだ。

 

 俺はどうしたいのだろう?この世界の秘密を解き明かす?ティラノと闘う?分らない。俺は自分の立ち位置が分からずにいた・・・とっさに俺は身をかがめながら後掃腿を決めると、しりもちをついたレイメイがいた。

「なんのつもりだ?」

「いやー、珍しくアンタがぼーとしてたから・・・今なら後ろをとれるかな、なんて思ったりして。」

「おまえに後をとられるくらいでは、俺も引退だ。」

「いったわねー、引退させてやる!」


「おまえらな、ここが遺跡の中だと分ってるよな?」

「もちろんよニー、私はいつでも大真面目よ!」

「・・・すまん。」

 そう、俺たちは今トリスの遺跡の中にいる。しかし、ここは死んだ遺跡というか枯れた遺跡というか何もないところであった。守護者もでなければ神代文字もでてこない。


 なにしろ12,000年だ、目ぼしいものは誰かに持ってかれてるに決まってる。俺が思うにおそらくこいつはシャトルだ。荷がなにかはしらんが・・・とりあえず操縦席を目指そう。

 さして問題なく操縦室に着いた、と思う。室名表記がないのだ、動力が生きていれば表示されたのだろうか?ドアを叩いてもびくともしない。手動装置はついてないのか?


 だがドアについている、これ見よがしの鍵?が気になる。ドアと壁との間にハガキ大のでっぱりが・・・


「ニー、お前の大剣壊していいか?」

「なにいってんのよ突然!」

「なにか気がついたんですか?」

「それでどうなる?」


「俺の考えが正しければ、この扉が開く。中に何があるかは知らない。もしかすると、何もないかもしれない。」

「なによそれ・・・」

「開けてみなけりゃ分らない、ですか。」

「なるほど。」


「ここでこのままいても埒があかぬか。せっかくこの地にきたのであれば、それも運命。」

 ニーが大剣を、神代の武具を俺にさしだした。


「借りる。」

 俺は一言断ると扉の前に立ち、突きに構えた。


 カカカカカーンッ


 目のいいやつがいれば、俺が一瞬で同じ場所を5回突いたことに気づいたろう。いや、一人見なくとも分るやつがいたか。


「信じられない!今の一撃は5連撃だ!しかも全て同じ場所・・・剣は、剣はどうなりましたか?」

 俺が剣を見せてやる。刀身にひびのはいった剣を・・・


「すまん、もたなかった。」

「いや、それはこちらの方だ。次の一撃でおそらく剣は粉々だっただろう・・・」


 しかし、その甲斐あってか鍵は切れた。壊したのでなく切ったのだ。剣の腕も落ちていなくてなによりだ。

扉を思い切り蹴りつける。みんなで中に入る。

 暗い。みんなのローソクを集めて周りを見ていく。

「おいニー、剣の代わりが見つかったぜ。」

 それは2組の手斧であった。

 

「手斧か、感謝する。しかし使いこなすのに時間がかかりそうだな・・・」

「その横にバール・・・金属の棒があるだろ、それも持って行け。」

「これも武具なのか?」

「いや武具ではないが、役には立つ。」

「そうか。」


 もう一度部屋を見て回る。やはり動力は死んでいるようだ。仕方なく部屋を出ようとしたところ・・・俺は扉の後ろに明かりを近づけた。そこには機内案内図があった。


 それから俺たちが目指しているのは武器庫であった。手斧1つを早速ダメにしてバールと格闘して扉を開けることができた。そこには俺が探していたもの、飛び道具があった。

 

 俺は震える手で銃を握り、安全装置を外した。そして天井に向けて・・・何もおこらなかった。よく見るとパワーランプがあり、当然点灯していなかった。不思議なことにパワーボタンは見当たらなかった。おそらくこれらの武器は使い捨てなんだろう。


「結局、なんだったのよ?」

「古代の武器だ。本当なら、この棒の先から火を噴く。」

 少しぐらい、いい加減なことをいっても分らんだろう。


「ほんと~」

「そうなんですか!」

「すごいものだな。」

 なに、この子達ちょろいんですけど。一応ハヤブサに見てもらおう、一丁持っていくことにした。


「あれ、みんなも持っていくの?」

「だって見たことない神器だもん。」

「念のため、ですね。」

「万が一、ということもある。」

 それはそうだが・・・ギルドについてから、この神器には何の価値もないと聞かされるのはもう少し後の話。

 3日分の食糧を持ってきたのだが、扉1枚開けるたびに神代の武具が壊れるのでは間尺に合わない。だがすでに日が落ちていたため、遺跡の入口で野宿することになった。


 次の日はギルドを経由してトリスの港町をめざす。ハヤブサを呼んでおいたのだ。ただし、接岸料金が取られないように沖の方に漂白させている。そういう俺たちは港町で団子を食って茶を飲んでいる。


「たまには団子もいいね~」

「何いってんですか、最初はこの暑いのに汁粉がいいだなんていってたくせに。」

「やはり、みたらしが良いな。」

「なごんでんな・・・」 

 おやつタイムを兼ねた作戦会議中である。

 

「いきなりハヤブサみたいな当たりが引けるわけないよね~」

「それはそうです。そこまで楽観視してませんよ。」

「だが、そろそろ身入りを考えなければな。」

 そうだな、護衛からなにも稼いでないからな・・・冒険者も世知辛いな。

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