サンとの再会(3)
その後、作戦を具体的に練り上げ、夕餉の時間になった。俺の部屋にやってきたのは、カリだった。蒼い顔をして目を伏せている。
「浮かない顔だな、カリ。」
「イスル殿下、どうかオレを罰してください。」
「え?」
「オレはサン殿下とイスル殿下を生き埋めにしました。八つ裂きにされても贖えない大罪です。」
カリの目は真剣そのものだった。
「俺はお前と共にいて楽しかった。お前もそうなのだと思っていた。どうしてあんなことをした?」
「陛下に命じられたからです。お察しの通りだとは思いますが。」
俺は涙を堪えられなかった。頬を濡らしながら答える。
「ああ、分かっていたさ。お前にそれしか道がなかったことも分かる。陛下の命に逆らえばお前の命はないものな。それでも、俺はお前が黙って俺を殺そうとしたことが悲しい。せめて直前に別れの言葉の一つでも投げ掛けてくれれば成仏できたぞ、俺は。」
「…無理ですよ。どんな思いでオレが…。」
カリは言葉を呑んだ。今にも泣き出しそうに見えた。
「…もうよそう。済んだことだ。今後は隠し事をできるだけしないでくれ。」
「まさか、それだけで赦すおつもりではないでしょうね?」
「不服か?」
「どの面を下げて殿下に仕えよと仰るのです?オレはもう、殿下にお仕えする資格がありません。罰するつもりがないのでしたら、暇をください。」
コンナムがカリを生かしておくとは思えない。カリはコンナムが俺を殺そうとしたという生き証人だ。
「嫌だ。」
「サン殿下を弑したのですよ?イスル殿下最愛の妹御を!」
カリは必死の形相だ。俺は顔を歪ませた。
「そうだ。俺は最愛の妹を亡くし、母上は人質となって今生相まみえることは叶わないだろう。この上、親友まで失えと言うのか。」
カリはハッと顔を上げた。
「どうか、幕を引かざるを得なくなるその時まで、俺と共にいてくれ。頼む。」
俺はカリを抱き締めて嗚咽を漏らした。カリは俺の頭を撫でながら、一緒に泣いてくれた。暫く時が流れ、落ち着いた俺はカリから離れた。
「ああ、それと、今度はしっかりと止めを刺してから埋めてくれよ。」
「いえ。もう何があっても、殿下を手に掛けるような真似は致しません。」
俺はカリの銀色の目をじっと見つめた。カリは俺の黒い目を見つめ返している。
「こういう時、お前は嘘を吐かないよな。信じるぞ。」
「ありがとうございます。」




