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出会いの結末

「ご報告」「ご報告」ああお。「賜りたく」「ああ「賜りたく」「俺」「俺が私が」」」儂がやりました。僕ですおおお「おおあ「「頑張った」あああ」見てた、見張ってました」おお」僕が見てました」ご報告」



 隣町の物の怪達が口々に自分の功績を紅珠へと訴えます。地元縫霰山の物の怪達にやりすぎないようにと釘を刺した手前、紅珠としては難しいところ。



「うむう。悪評を未然に防いだというのは評価するがのう」



「おおお」防いだあ」」があ頑張ったあ」「「評価ああ」(´人・ω・`)オネガイいただきたく」ふせぎました。賜りたし。_| ̄|○手柄です。」何卒」」m(_ _)m。僕「が私が」やった」何卒」



「顔文字やめんか。縦書きで読んどる方もいるのじゃ。しかたない今回だけじゃぞ。儂から旦那様に頼んでやろう」


「ああ、あ「「ああ有難く「(人´∀`)アリガトー♪おおあ「ヾ(嬉>ω<嬉)ノ感謝」何卒」あり」がたく」o(⁎˃ᴗ˂⁎)oオオオォおおあ」あ」お」アリ(´・ω・)(´_ _)ガト♪」



 やれやれと仕方なく紅珠が応じると、隣町の物の怪達が口々に感謝の言葉を述べました。



「調子のよい奴らじゃの。で、何が食べたいんじゃ?」



「オオオ、「らーめんんん、ハンチャーンン、レアで」スシィ……。」、ピザアああ」パフェ」つゆだく「卵」ポテチ「こおろっけ」「「どっこいしょ」ええ、タピオカミルクティーぃぃいいい、」「ヤキニク」バイキングおおお、「食べ放題…「「…、から揚げ定食」、「ニョタイモリィ」フィレ・ミニョン ステーキ」「レアで「「「ええ」にんにくラーメンチャーシュー抜きぃい「」「なんでもいいよ」「それが一番困るのよ」」「背脂マシマシ「マ」」」シマシ、」焼きそばパン……ハンバァグ……焼きそばパン……ハンバァグ……。」」



「ったく。よくわかっとらんでしゃべっとる奴がおるな?」



 姿形を持たない物の怪達の意識は曖昧です。そもそも物を食べたことがないモノがほとんど。何処かで聞いたおいしそうなものを並べているだけのモノもいるようです。



「ではパンはどうじゃ? 大きなパンを焼いていただくのじゃ。兵太郎の焼くパンはそれはそれはうまいのじゃぞ」



 物の怪達に提案しつつ、紅珠は先日朝食に出された兵太郎パンを思い出してじゅるりと唾を飲み込みました。



「焼きたてで、ふわりと小麦の香りがしての。何もつけなくても旨いのじゃ。しかしバターやジャムも捨てがたくてのう。迷ってしまうのじゃ。蜂蜜もオリーブオイルもよいの。次は何で食べようかのう」



 おおお、パンんん。大きなパン。パンだ。パンダ賜るいただきますばたあ?パン食う、パン、食う「ジャムつける」何もつけないのが通オリーブ」」オイル「う「おおああ」パン食うああ「あパンツうう」うぱんくうパン作る」「パンツ食ったことある?」「ある」「あんの!?」」「あ」あ、俺も」あるぅ有難き。食う」パン」」」ジャム」蜂蜜」焼きそばパン……」



 大妖狐紅珠が思い出すだけでうっとりじゅるりの兵太郎パン。それを賜ることができるというのですから物の怪達は大興奮です。話しているうちに紅珠も兵太郎パンが食べたくなってしまいました。



「うむ。では早速行くかの。お前様ー、お願いがあるのじゃ!」




 ******



 さて余談ではありますが。



 物語に登場いたしましたカネオという男、この日を境に心機一転悔い改めまして、真っ当な道を歩き始めます。悪さをしないよう「何か」見張られているカネオは自然そうせざるを得なかったのです。


 変われなかったタンクトップとヒマンタイとはきっぱりさっぱり縁を切りました。報復が恐ろしくなかったわけではありませんが、自分同様監視されているだろう彼らに報復などできないでしょう。


 かくしてカネオは楽しいこともつらいこともそれなりにそれなりな、ごく普通の高校生活送ることとなりました。



 少々先のお話をいたしますと、カネオは高校を卒業して後、なんとお芝居の道を志します。


 裕福な実家の手厚い援助の元、真面目に稽古を積んだカネオはその容姿も相まって名やられ役としてひとかどの成功を収めることとなりました。


 ある時雑誌のインタビューでお芝居を志したきっかけを聞かれた際に、彼はこんなことを答えたということです。



「僕が変わる切っ掛けをくれたアクションスターに、もう一度会ってみたいと思ったんです」

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― 新着の感想 ―
でてくる…こないよなあの子はw もちょっと厳しくても良かったかも まコイツらなんてドウデモイイかw
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