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エッセイまとめ

エアコンが壊れて地獄を見た話

作者: よもぎ

これはとある雑草の身に実際に起きた話です……(怪談風)





私は夏場、家にいる間はエアコンはつけっぱなしです。

極度の暑がりなので気温が25度を超えたあたりから夏と認定します。なんなら20度の時点で夏だと思う始末です。


さて、その日も私はエアコンをつけてパソコンで作業していました。

すると、ポタッポタットトトトトトトトッと水が何かに当たる音がします。

おいおいこんな晴れた日に水漏れか~?我、最上階住みぞ~?

と、振り返ると、エアコンの左隅のUの字型に黒くなってる部分からポッタポッタと水が落ちてました。

やばみがやばい。

そう感じて即座にエアコンを切り、下に空のゴミ箱を置いてひとまず様子見です。


結果として数分で水滴は落ち着いたのですが、エアコンをつけると十数分後にまた水滴が落ちてきます。


だめだこりゃ。


管理会社に即座に連絡し、当日夕方に修理の業者が来ました。

業者さんは室内機はほとんど見ずに(本当に外見を見ただけ)即座にベランダに出てドレンホースなる、エアコンから垂れてるホースに何かをぶっさしてシュコシュコしました。



「た~ぶんこれで直ったと思いますんで。

 ホースに虫とか入んないように配置しますね」



そう言って配線の間にホースをぶっさして帰っていきました。

まあ直ったんならいいや。

私はエアコンをつけました。



1時間後。

死んだ目でゴミ箱を置きなおすよもぎの姿が!



直ってねーんだなあこれが。

再び管理会社に連絡します。営業時間外です。

その後、この猛暑に耐えれるわけもなくあれこれやった結果「設定温度を上げると水滴が落ちない」ことに気付き、普段よりも5度ほど上げて延命をはかりました。


翌朝、管理会社に連絡をつけると、前回の業者ではもう対応できないのでメーカーに連絡をつけるので折り返しますと。

嫌な予感です。

メーカーくんがズボラとかじゃなく、即日じゃない予感です。

大当たりです。

週末を挟んだ数日後にやってくるとのこと。



ざけんじゃねーッッッ土日でも来てくれよ死活問題なんだぞ、雑草が死んでもいいのか!?



と思いましたがまだ来てくれるだけマシかなあ……と思い直しました。

これで数日どころか一週間二週間先だなんて言われたら、温厚(自称)な私も憤死していたと思います。






さて。

ではその後修理が来るまで、設定温度上げて若干嫌な思いしただけかというと違いました。事態は悪化していきます。

まず、これをいうと「お前……」みたいな顔をされると思いますが、私のデフォルトの設定温度は18度です。

そこから23度に上げただけでもうウンザリ顔だったのですが、なんと翌日の朝10時過ぎにまた水滴が落ち始めました。



内なるきゅうべぇ「わけがわからないよ」



今回はもう万が一のためにゴミ箱くんがいます。

ピッタピッタピタタタタタタと水が落ちてく音に絶望を感じましたね。


ネットで調べたところ、エアコンのフィルターの手入れ云々とありましたが、私は少し前のめちゃくちゃ涼しかった日にフィルターをガッツリ洗ってありました。

夏本番前、喫煙者でもある私の家のエアコンくんには優しくしといて損はないので。

さすがに猛暑が始まり毎日35度以上になって、夜も熱帯夜続きとなってからはフィルターの洗浄も†死†を感じるので出来ませんが、気温が25度下回ってくれば、さすがの私もフィルターを洗います。

この時、乾いてないのもよくないとちゃんと陰干しもしています。

なので、フィルターが悪いというわけではないとわかっていました。



じゃあほかに原因が?となると、もう素人の私では触れません。

内部の故障か、ドレン回りかになってきて、そうなると「どうすりゃどうにかできるんだ?」という話になってきます。

ガワの取り外しさえやり方がわからないんですよ。

そもそもあれって外せるのか?というところから話が始まるレベルです。


私に出来たことは、可能な限り水滴が落ちないようにギリギリのラインで使い続けることだけでした。


エアコンを使うなって?


それは遠回しな死刑宣告ですよ。

考えても見てください。三十五度を超える昼間にエアコンなしでいられますか?三十度近い夜間にエアコンなしで寝られますか?

私にゃ無理です。


そもそも私はパソコンを使うので排熱で室温が高い状態です。

パソコンさんも高い室温にはしかめっつらです。

ハードディスクが怒りのカリカリ音させててマジで怖かった。





なお、状態は悪化していくのみで、最終的には設定温度28度でも水滴が落下するようになり、ノイローゼ+熱中症のような形になっていました。

繰り返しますが私は暑いのは死ぬほど嫌いです。

夏なんて滅んでしまえと思っています。

一生冬でいいと思ってます。

毎日霜が降りるほど寒くても困らない人間です。

それなのに、じっとり汗をかくような室温で数日生活させられるんですから、たまったもんじゃありません。


これで落ち度が私にあった場合はそりゃ納得いきますが、ある日突然にです。

季節もすでに夏。

これが5月などで暑くなりはじめなら文句はありませんでしたが、梅雨明け直前のじめっとしつつも暑い季節にです。

まだ真夏の8月9月でなかっただけマシですが、それでもつらいものはつらいわけです。




食欲もエアコンが壊れた日からなくなった、というか、熱い料理を受け付けなくなりましたね。

なぜか?暑くなるからです。

余計に暑くなって汗をかくと分かっているのに普通の料理は食べられません。

ついでに言えば涼めもしないのに料理をして暑い思いをするのもいやでした。

なので修理されるまではパンやカロ〇ーメイトなどの、常温でそのまま食べられるものを食べていました。食欲減衰して朝早い時間帯か涼しくなった夜かしか食べてませんでしたが。



午前8時から午後3時くらいまでが一番きつかったですね。

外気温が上昇し始めても室温を下げられないわけです。

なので死んだ目をしてパソコンをシャットダウンし、送風状態にして実質扇風機となったエアコンの真下でじっとしているしかないという。

もちろん暑いです。

作業ももちろんパソコンを落としてあるので出来ない、というかパソコンつけられてもこの暑さじゃとてもじゃないですが集中できません。死です。

この時間帯に飲む水には直に塩ぶっこんで飲んでました。

汗をめちゃくちゃかくので塩分がね……体から消えてたんですよ……スポドリ買いにいくって発想はその時なかったですね!

冷蔵庫に水は入れておいたんですけど、速やかに室温に馴染んで飲み終わる頃にはなまぬくかったです。

知ってる?なまぬくい水ってまずいんだぜ。



さらにはエアコンを送風状態のみにしている時、キャストオフしてました。

上下ともに下着のみになり、仮にも淑女だというのに、らしからぬどころじゃない格好で過ごしてました。

幸いにも自宅に急に訪ねてくる人もいなければ誰かが来る予定も修理以外になかったので、命を優先しました。

大げさだと思うかもしれませんが、私目線では「死か裸族か」の二択だったのです。パンツもナイトブラもつけてたけど。

背中や首筋に送風の風当ててないと本当体感温度高かったですし、トイレや水の補給のために離れた時は暑すぎて溶けたアイスみたいな感じになってましたね。

風呂入っても1時間後にはぺしょぺしょでしたし。暑すぎて。



余談ですが、暑いと息苦しいのって自律神経がイカれるからみたいです。

私は夜中に呼吸が苦しくなって救急車呼ぶかマジで迷いました。

ひとまず送風じゃなくて冷房に切り替えてから考えようと冷房にしたら息苦しさが収まったので「テメェか!!」となった次第です。

あとは酸素が温度によって膨張したりしなかったりして酸素密度がどうこうして酸素がそもそも薄くなるとか。サウナが息苦しいのはそういう事情だそうで。

要らん知識がまた増えちまった。




さて、メーカー修理予定当日。

この日はもうね、酷暑注意出てましたね。

朝方起きて天気予報見て絶望しました。

あ~これもう送風じゃダメだわ冷房入れたろ。そう決意するまで僅か1秒。

すでに数日打ちのめされた後にトドメの予報気温でした。

前日までは昼間、送風で耐えてたんですけど、もうダメでしたね。

メーカーの到着時刻は夕方です。それまで警報レベルの暑さに耐えられるわけがない。

というわけで冷房ガッツリ効かせましたし、シャワーも浴びました。

もうね、人類の限界レベルで暑かったです。汗で肌がベッチョベチョになるし、頭も汗で頭皮ふやけてんですよ。

しかも故障してからこっち安眠とは程遠い生活だったので眠いのに暑すぎて寝れないというのもイライラポイントでした。

人間、寝れないと狂暴になっていくもんです。



予定時刻。一応2時間の幅がある時間指定だったけど早めにヤニを充填した私はパソコンもシャットダウンし携帯を前に正座してました。

8分後くらいかな。インターホン鳴らされる前から玄関方面に機材を置いてるらしい音がしていたので、私は来訪を察知して待ち構えてまして。

やっときてくれたメーカーの方を丁重にお迎えし、エアコンを見てもらいます。

どこがダメなのかを改めて説明するとガワが外される。不思議そうな顔をするメーカーさん。

ベランダの室外機が見たいというのでご案内すると、なんと壁のドレンホースちゃんたちを守るカバーをぱかっと御開帳。



「あ、ここ!?」



予想外ですって顔と声。引っ張ったりしました?とか聞かれたけど、いや触る理由がないんだよなあ。

該当箇所を見ると、テープはべちゃべちゃになって剝がれてるし、ホースが外れてます。なるほどここか~!

見守ること5分くらい。ホースは無事取り付けられ、テープも新品に。



「今から中の水引っ張ってみるんで、音聞いててください」




シュコー


エアコン「フォカヌポゥwwwww」



もう、こうとしか言えない音がして、シュコーするヤツぬいた瞬間ドバッと水が出ました。結構な勢いでしたね。

それを何度か繰り返し、出るものがなくなりシュコシュコ音しかしなくなったところで修理は完了。

ひとまずでエアコンの冷房がつけられ、最低温度(私の適温)で最強風速にして様子見をしつつ撤収準備が進められます。

ガワを取り付け、落ちた水を拭いていただき、脚立やら保護材やらを運び出し。

その間、私は、以前の修理の時には「ポタ………ポタ…………」としか流れなかったドレンホースからの排水が8倍速になっているのを眺めていました。

ベランダ…びちゃびちゃだ……。


書類にサインをした後に質問がないか聞かれたので、ホースが外れた原因を聞いたところ、通常の使い方をしていればまず外れないし、原因が分からないと言われました。

長年やってるけど初めてでしたとのことなので、とりあえず私に落ち度はないようで。


こうして30分近い修理を終えてメーカーマンは華麗に去っていきました。

ドアを閉められるまで頭を下げてお見送りさせていただいた次第。感謝の念しかない。




お見送りした3秒後、私は人間としての最低限――パンイチになってエアコンの真下でくつろぎまくった。

文明の利器万歳。

何がSDGsじゃ何が節電じゃエコじゃ、結局ヒトは快適な暮らしするんが一番ええんじゃ!

そんなことを考えながら冷風に身を任せ、メチャメチャ寝ました。



それから数時間。

結局エアコンのドレンホースはその後もせっせと水を排出し、室内機からの水漏れは一切していない。

完全勝利である。よっしゃー!




さて、長々としたエッセイも事態解決によりこれで終わりである。

今回の経験で得た教訓は「やべーと思ったら無理せずネカフェなりビジホなり行ったほうがいい」でした。

私は近場のネカフェは治安も衛生も何もかもが最悪というレビューに怯え、ビジホは手頃な値段じゃない上に予約もいっぱいという状態でしたので自宅にいた次第です。


が、終わった今となっては「電車でどっかいい感じのとこまで行けばよかったな」って思えます。

耐えてた当時はね……選り好みしてたんすよ……。

せめて朝始発のバスか電車に乗って近くのマックとか喫茶店とか行けばよかったっすね。昼間の間だけでも。



皆さんはエアコン、今使えてますか?調子はいいですか?

私もエアコン調子普通だと思ってたのに裏切りを食らったので脅しておきます。



真夏の盛りにそいつら裏切ってくるぞ。気をつけろ!

メーカーさんによる豆知識。

エアコンは結構使うなら2~3年に一度、そこそこ使う程度なら5~6年に一度、室内機を取り外して丸ごとクリーニングしてもらうのがいいそうです。

賃貸の場合でもこのクリーニングは自費ですが、大家や管理会社に一言伝えてからクリーニングしたほうが無難とのこと。

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― 新着の感想 ―
記憶というか認識力が低下します。 一時的ですが。 熱い食べ物が食えないですね暫くは。 他の仕事出来ませんしね~~。
大丈夫、大丈夫、人間ね~~部屋の温度が50度超えでも生きていけますよw スポーツドリンクをがぶ飲み氷を口に入れてれば生きてますw 死にかけたけど・・・。(死んだ目) 今年の夏の自分の仕…
[良い点] 一夏エアコンなしで過ごしたわたしが通ります。 [気になる点] 三段落ちじゃなくてよかったです。 [一言] 創作に役立つ得難い体験おめでとうございます! これでエアコンが無い時代の「熱さ」…
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