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第2話

 次の日、庭に出ると隣人がなにかぶすくれたような顔で、花に水を上げていた。



「おはようございます……」



 一応、挨拶だけはして通り過ぎようとしたが、隣人はターゲットを見つけたように、目を光らせた。



「おかしいと思わないかい?」

「へ?」

「うちの子のことだよ」



 ジャンボは訳が分からず、適当に笑ったが、隣人にホースで水をかけられた。



「なにするんですか!!」

「ずいぶん、昨日は賑やかそうでよかったねぇ、お父さん」



 ジャンボは服のはじを絞りながら、不機嫌なまま聞いた。



「なにがいいたいんですか。父親やる覚悟はちゃんとしてますよ」

「私は母親なんだよ。この気持ち分かるかい?いやあんたにはわかんないだろうね」

「は……?立派なお母さんでいいと思いますよ」

「あんたにお母さんなんて呼ばれる筋合いはないね!」



 またホースがこちらを向いたので、ジャンボは素早く避けた。



「もー!なんなんですか!」

「あの子……あの子ったらホントに馬鹿でね……」



 隣人はジャンボに背を向けて、ポソりと言った。



「父の日も母の日も私をお祝いするんだよ……」



 キョトンとしたジャンボだが、すぐにうんうんと頷いた。



「確かに、どっちでも良さそうですね」

「どういう意味だい!」



 隣人はぐるりと振り返り、ホースの限りまで走ってジャンボに水を浴びせようとした。

逃げて笑いながら、ジャンボは答える。



「どっちの役割もできてたなんて最高じゃないですか、お父さん」

「あんたに話した私が馬鹿だった!地獄を見せてやる!」



 隣人は顔を真っ赤にしてジャンボを追っていたが、それは怒りからではなかった。

ジャンボが言った言葉も、本当は本気だった。

けれど、こんな会話ができる日常が楽しくて、ジャンボは笑っていた。

父の日の次の日のおはなし。



終わり

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