キミの学ラン
体育祭の日まではジャージで練習なのだ。アタシは中学生の女子剣道部。声量にも体力にも自信はある。
キミを派手に応援したい事もあって体育祭の応援団に立候補したのだ(エッヘン)。
当日、学ランをキミにかりる口実もできることだし(テへへ)。
「応援団だからさ体育祭の日、学ランかしてよ?」
「いいよ」
アタシは嬉しかった。
体育祭当日の生徒達は皆、体操服とジャージで登校する。アタシは教室でキミに声をかけた。
「?」
キミが硬直している。
「やべぇ・・・学ラン忘れた・・・家に戻ってとってくるよ・・・」
「もういい!」
教室の床にアタシの涙が落ちた。肩を震わせ俯き鼻をすすった。
「待っててくれ!」
キミはダッシュで教室を飛び出していった。
「ごめんな」
「ううん。ありがと」
アタシは白手袋と白色の鉢巻をしてキミが戻ってくるのを待っていた。嬉しくて涙の雫がこぼれた。
キミの学ランに袖を通した。