草
たとえば大木の根元。たとえば路傍の片隅。誰の目にも止まることはないけれど、必ず視界には入ってる。
俺がなりてぇのは大木で、誰もが夢見るランドマーク。いまの俺は下生えの草、ただ存在してるだけの無価値な草。いつも上ばかりを見上げては、自分の無力さに落ち込んでる。だけど下は向いてられない、ただでさえ地面は近いんだ。
雨風に打ちのめされようとも、無慈悲に踏みつけられようとも、無理矢理にだってかまわない、満面の笑みを張りつけてみよう。
だってそうだろう? 暗い顔した奴なんかに、神様は微笑んでくれないだろう?
絵空事の何が悪いの? 誰が無理だと決めつけたの? 誰だって最初はちっぽけな草さ。
この情熱が続くかぎり、wwwと笑って今日も明日も上を見る。