魔王の務め
「つまらない」
起き抜けにポツリと漏れた言葉は誰に拾われるでもなくまだ暖かいベッドに吸い込まれた。
この世界は嫌に退屈だ。
昔、今より遥か昔に私はこの世界とは異なる世界で人間の少女をしていた。
昔過ぎて記憶は曖昧だが確かに人間だったのだ。
優しい両親と少し生意気な妹と平和な日常を送っていたはずだ。今よりずっと平和だった。今よりずっと楽しかった。暖かく愛が溢れた家庭で育った。友人と呼ばれるであろう人間達も暖かった。毎日が楽しかったとは言えずとも思い出すのは楽しいと言う感情ばかり。あの頃に戻りたいと、ふと思う事が最近は増えた。愛おしい家族とまた笑い合いたいと、あの世界の全てが懐かしいと、そう思うのだ。
しかし悲しきかな、世界は無情だ。私はもうあの世界での生を終え、遥か昔憧れた人間とは異なる種族として魔法が溢れる世界で、このつまらない世界で生を迎えてしまった。例えあの世界に戻る術を得たとしても、もう戻れないのだ、愛しいあの頃には。
まだ少し重たい瞼をなんとかこじ開けながら窓の外に目を向ければ、四六時中発生している濃い霧が相も変わらず今日も外を覆っている。一体今が朝なのか夜なのかさえはっきりしないが部屋に備え付けられた古めかしい振り子時計が朝を示しているので朝なのだろう。
普段であれば誰かしらが起こしに来てくれるのだが、起きるには少しばかり早いであろう時間を指し示した針に納得する。
この世界の私は常に規則正しい生活を送っている。毎日決まった時間に起き、朝食を食べ、最低限の活動をし、昼食を摂り、時に昼寝もする。そしてまた活動をして、夕食を摂り、風呂に入り、眠りに就くという素晴らしく健康的な生活サイクルだ。
まるで小学生のようなしっかりとした生活を送っている。もっとこう、破天荒にな生活でも良いのだが、寿命という概念が存在しない身体を持ってしまった為にかなり長い時を過ごしてきてこの暮らしに落ち着いた次第である。そもそもは周りが私にこの暮らしを強いてくるというのも要因なのだが。
この世界の私なんというか、かなり立場が偉いのだ。それなりに偉くなれば生活の世話をしてくれる存在が有難いことに現れる。その現れた世話係達がそう言った生活のサイクルで世話をしてくるのでそのまま甘受した結果が今である。
コンコン、と扉を叩く音に過去を愛おしむ意識が今に引き戻される。
ゆっくりと丁寧に開かれる扉を何気なく見つていると、頭にぐるぐるとした角を生やした背の高い男と数人の所謂メイド服を着た身体に様々な特徴を持つ女達が入室してくる。
「ダフニー様、お目覚めでしたか。おはようございます。」
「本日もダフニー様は大変麗しく、そのお姿を拝見させて頂けますこと感謝いたします」
「お呼びくださればすぐお伺いいたしましたのに」
いつも通りのメンバーがいつも通りの世辞と気遣いを振りまいてくれる。そしていつも通り気分が萎えてくる。
ーーー前の世界の名前『汀花』からとって、ダフニーと呼ばせているが懐かしさが湧き上がって愛おしくなる。本来は長ったらしくややこしい名前だが真名を知られてはならない点でも役に立っているので我ながら素晴らしいと自画自賛してしまう---
「おはよう、今起きたところだから気にしないで」
幼さが目立つ自身の声はあまり気に入らない。もっと威圧的な声ならばよかったがそうでないので仕方がない。立場上、威厳のある話し方が良いのだが、この声ではごっこ遊びのような馬鹿馬鹿しさがあるので子供のような話し方にしている。これはこれで楽なので案外悪くないとは思っている。
「さすがダフニー様!」
「麗しくお優しいダフニー様のお側にいれるという幸せを噛み締め本日もお世話に当たらせていただきます」
「本日のお召し物でございますが、先日ヒュペリ王国から献上された--…」
通常運転のつまらない世辞と話は続いているが聞く気にもなれず適当に返事をして、されるがまま、世話係達が望むままに全てを甘受していく。
本当につまらない。全て壊したくなる。目の前でニコニコと笑いつまらない世辞をベラベラと紡ぐこの男をグチャグチャにしたら少しはマシになるだろうか。しかし、半年程前の世話係も暇つぶしに身体のパーツをバラバラにしてパズルとして遊んでやったが1日保たずに飽きてしまったし、新しい世話係を用意するのも大変なのだと部下に怒られたから自重すべきだろうか。
だが、半年も我慢したのだ。もういいのではないか。少しくらい許してくれるだろう。少しくらい壊れても誰も文句も言うまい。それに私にされることならきっとこの男も喜ぶだろう、そういつも口にしているのだから。
---グチャッ
「ああああああああ"あ"あ"ーーーーー」
女達の悲鳴と男の苦しむ叫びが聞こえて少しばかり気分が浮上する。
男の双方の目玉をくり抜いて、耳をそぎ落とす。次は何にしようかな、と悩んでいると男が暴れようとするので浮上した気分がまた落ちそうになる。
「少し大人しくして」
「今日のお昼は福笑いしようね」
「福笑いって知ってる?日本ってところの遊びなんだけど目隠しして顔のパーツを顔に乗っけていく遊びなの」
「楽しそうでしょう?」
話していたらまだやる前だと言うのに楽しくなってきて喉が震えて久しぶりに自身の笑い声が鼓膜を揺する。
男を押さえつけて顔のすべてのパーツを丁寧に削ぎ落として、壊れないように丁寧に一つづつ保存魔法をかけていく。男も死んでしまわないように魔法をかけてやる。遊びに飽きるまでは死なせないであげよう。痛みは感じるが死にはしないのだからいいだろう。
「みんなもご飯の後に遊ぼうね」
「遊び方はね、最初に私がお手本見せてあげるから心配しなくていいよ」
世話係の女達に忘れずに遊びに誘ってやる。職事中だろうが娯楽は必要だろう。いつも世話してもらっているのだ、たまにはこういう息抜きを提供してやるの大事だろう。
「そうだ!城のみんなでやろう!」
「みんなに伝えてきてくれる?」
トカゲみたいな顔の世話係に言えば何度も頷いて走って部屋から出て行った。久しぶりに世話係の連中が走るのを見たな。そんなに楽しみだったのだろうか。そう言えば半年前のパズルの時も世話係達はあのような反応をしていた気がする。もっと娯楽を与えてやった方がいいのか。前の楽しい世界を知っている私だからつまらないのかと思っていたが、もしかしたら私以外のものも退屈していたのかもしれない。悪いことをしたな。立場上もっと皆に気を配ってやるべきだった。今後はもっと楽しいことを提供していこう。
男の顔のパーツを呼び寄せた瓶に入れ、男に浮遊魔法をかけた後、世話係に運んでおくよう言いつけて渡す。この後の久しぶりの福笑いが楽しみすぎて食事に向かう足は自然とスキップしてしまう。
後ろからついてくる世話係を置いていかないように普段なら速度に気をつけるが、今日はすっかり忘れて置きざりにしてしまっていたのに途中気がついて反省した。
食事はいつも通りだったが、普段より美味しく感じた。何より食べている最中、昔家族と正月に福笑いをした記憶が蘇って堪らなく胸が暖かくなって自然と幸せに包まれていたので特別な食事だった。
またスキップで遊戯場へ向かえば世話係の男が布の上に寝かされ、まな板の上の魚のようにビチビチ跳ねていた。--少し面白くて口から笑いが漏れる--その周りには城のものの大半が円を作って立ってたが、私が来たことに気づくとすぐに道を開け、よく実った稲穂のように頭を垂れる。思いの外集まったのでやはり娯楽を定期的に与えた方がいいな、と改めて考えつつ、この人数に福笑いが1つでは足りないと気づいてまた少し気分が萎える。
福笑いを作っていて思ったがめんどくさいのだ。手加減してダメにしないよう丁寧にパーツを取らねばならないのをこの人数に見合った数作るのは非常に厄介だ。しかしやると言って皆を誘った手前用意しないわけにもいかないので、とりあえずあと四つくらい作るか。
一つ作る度に疲労を感じるがこの後の楽しみを考えれば我慢できる。残り後一つのところで聞き覚えのある声が私の耳に入ってくる。
「ダフニー様!何をやっているのですか!?」
部下がまた怒っているので悪いことをしている訳では無いのだが気まずくなる。
「福笑いを作ってるんだよ」
「また珍妙なことを!」
「何でそんなに怒ってるの、アクス?」
アクスヴェラ、私の第一の部下だがよく怒る。とにかく怒るのだ。だから何に怒っているのかさっぱりわからないが、一つあるとすれば世話係を一つダメにしかけてることだがまだダメにしてないので多分大丈夫だろう。
「貴女は目を離すとすぐ訳の分からない遊びをしたがりますが、くれぐれも壊すなと何度も申しておりましたが覚えていらっしゃいますか?」
「うん、覚えてるよ」
「では何故このような惨状なのです!しかも今回は4人も壊れているではないですか!!」
「壊れてないよ、ちゃんと魔法で生きてる」
「それにアクスが言うなら遊んだ後は元に戻すよ」
「生きている、死んでいると言う話をしているのではありません!心が壊れては使い物にならないのですよ!」「折角育てたのいうのに!!貴女という人は--…」
アクスヴェラの怒りが収まりそうにないので、仕方ないので反省したフリだけしておく。そうすれば大人しくなる。それにアクスヴェラは結構気に入ってるのであまり嫌われたくない。いざとなれば私の方が偉いから殺しちゃえばいいんだけど何かと便利だし私が偉く居続けられるのもアクスヴェラのお陰であるのでここは辛抱。
「聞いておられるのですか?!」
「…聞いてるよ。ごめんね、アクス…」
「アクスがそんなに怒ると思わなかったんだよ。ただみんなに楽しんでほしくて。ほら最近何も楽しいことなくてつまらなかったでしょ?アクスもやろうよ!やったら案外楽しくてアクスも賛成したくなるかもよ?」
「はぁー…、もうやってしまったものは仕方ありません。ダフニー様のご自由にしていただいてかまいません。但し、これ以上壊すのはやめて頂きます。今あるもので十分でしょう」
アクスヴェラの怒りも収まって遊びの許可も出たので、皆にやり方を説明する為にまず実践して見せる。
「んー、ここかな…?」
「んーー、これ誰かヒントくれる人が必要なんだった!」
すべてのパーツを顔に配置し終わって目隠しを外して見るとなんとも言えないトンチンカンな顔が出来上がって笑いがこみ上げる。やってる最中クスクス笑う声が聞こえてきたけどコレだけじゃ前の世界と変わらない。折角魔法が使えるのだから福笑いに魔法をかける。
「ほら、動いていいよ」
新しい顔を定着させて動かすと更に笑いが起きた。なんだか昔流行った奇妙なイラストのアニメのキャラクターが動いてるみたいで懐かしくて面白くて私の気分まで上がる。アクスヴェラは笑ってなかったけど最初みたいに怒り出す様子もない。前回はやった後もこんな事のためにって怒っていたから心配だったが今回は気に入ってくれたようだ。
次は他のものにやらせて私が指示を出していく。途中嘘の指示を出して目が口の場所に置かれた時には皆がどっと沸いた。皆がある程度ルールを理解したところでいくつかのグループに分けて遊んでもらうことにした。
私自身も久しぶりの福笑いを楽しんで昼食を忘れて熱中してしまったのだが、ふと周りを見渡してもあの頃の家族がいない事が寂しく感じた途端に酷くつまらない気がしてきた。
「アクス、お腹減ったね」
隣にいたアクスヴェラに話しかければすぐに食事を用意するように牙の生えた男に伝えた。
「ダフニー様、飽きられたのですか?」
「うーん、なんだか楽しくなくなっちゃった」
「あ、でもみんな楽しんでくれてるみたいだからこのままにしてもいい?」
「構いませんよ。もう戻したところで使い物にならないでしょうし」
「ごめんね、アクス。次からは心を壊さないように気をつけるね」
「ダフニー様、次は気をつけるのではなく、まず私にお申し付けください。つまらないのであれば何か遊びを用意いたしますのであまり魔物を減らさないでくださいませ」
「そうだね、わかったよ」
「力を誇示するには宜しいですが、あまり恐怖を与えすぎては反乱が起こります。昔のように力だけの世界ではなくなってしまったのですから」「貴女様は私の永遠の王なのです、どうかご理解ください」
「うん。大人しくするよ」
アクスヴェラが珍しく悲しそうに言うから暫くは大人しくしなければいけないな。
食事の支度が出来たようなので私は部屋を出る。その後はいつも通りのつまらない日常が戻った。他のもの達も福笑いに飽きたのか、夕食の後遊戯場を見たら誰もおらず福笑い達だけが横たわっていただけだった。壊してしまおうかとも思ったが、また遊ぶかもしれないのでそのままにしておく。
ベッドに入り、瞼を閉じるが昼間のアクスヴェラの言葉が頭を占めて眠気が中々やってこない。
---昔のように力だけの世界ではなくなってしまったのですから---
確かに昔はただ強さだけが魔王たる証だったのに最近は魔物たちも賢くなってきて強さ以外にも必要なものが増えた。良くも悪くも人間に似てきた。
魔王になってかなり立つけど何度か反乱は起こってるのも事実だ。昔は道場破り的なのが多かったけど最近は毒を盛ってみたり、寝ている隙に殺そうとしてみたりやら何やら小賢しいのも増えてきたり、他の種族との交流が増えるにつれ威厳やら何やらが足りないとかで他の魔王を据えるべきなどと弁で対抗してきたりと戦いのバリエーションが増えてきてて面倒くさい。
別段魔王でなくなっでもいいのだが、そう簡単なものでもない。魔物の世界は弱いものが王様では成り立たないのだ。いくら人間達に似てきても腐っても魔物なのだ結局は力が全てだ。言うなれば服従を強いてくる相手が自分より弱いなどあってはならない。プライドが、生物としての反応が許してくれない。だから強いものが王になる他ないのだ。
悲しいことに私は強いのだ。
魔物の中でも魔族と呼ばれる種族がいる。魔物の進化版だ。基本的に魔王は魔族からなるが魔族といっても元は魔物なので種類は様々だ。昔の世界の悪魔のようなもので、いやこの世界にもデーモンいるのでこの例えはあまり適切でないかもしれない。ただ魔族と一括りに言っても多種多様で人間とエルフ、ドワーフを一括りにしてるようなものと言えばいいのだろうか。兎に角たくさん種類があるのだが、その中で私はデーモンと妖精のハーフである。なんとも珍妙な組み合わせだが、親がそうなのであるから仕方がない。
花から生まれたが他の妖精のように白雪のようではなく浅黒い肌、妖精でも珍しい濡羽色の髪、オーロラ色のヘンテコな瞳を持って産まれた。花からと言ってもそこらの野原に咲いてる花ではなく、馬鹿でかい禍々しい謎の花から生まれたので妖精達のように小指サイズではなかったのが救いだが、デーモンにしては幼いし、妖精にしては禍々しいし、なんとも中途半端な存在だった。
それに本来妖精は魔族から一番遠い存在なのだ。妖精からしたら魔物は穢れでしかなく、デーモンからしたら妖精は天敵の一種なのだ。父が花の妖精、母がデーモンだったがどちらも私という存在が産まれたことで関係がバレて一族から追放されたが、不幸中の幸いか私は幼体の頃から魔族だった。つまり最終進化形で産まれたわけだ。有難いことに一番弱い幼体の状態でそこらへんの奴らより強いので無双である。成長に比例して強さは増していき、気がつけば魔王になっていた。
いつから魔王をやっているのかもあまり思い出せない程前から魔王をやっているが今のところを私より強いものが現れたことはない。それが現れるまでは魔王で居続けなくてはならない。でなければ纏まらないのだ。只でさえ本能のまま生きてる魔物達が上がもしかしたら他のやつより弱いかも…という状況になると、例えば私が突如魔王を引退してアクスヴェラに魔王を譲た場合、アクスヴェラの言うことを聞かずに自由奔放にあっちこっち破壊したりし出すのだ。自分たちが服従するのは真に強いものだけだという脳筋的な考えで従わなくなり秩序が乱れるてしまう。
別段それでもいいのだが、昔一度魔王がめんどくさくなり放棄した途端、脳筋共は人間達に襲いかかり最初は優先だったが向こうはチームワークという素晴らしい戦術でバラバラに好き勝手に動く魔物達の数を大幅に減らしてくれたため流石にまずいと思ったアクスヴェラ達が私を呼び戻し、魔王という肩書きだけのお人形の続投を余儀なくさせられている。
魔物が減ってもそこまで私は困らないのだが、魔物もこの世界には必要な存在であるので全て居なくなってしまっては困るらしいのだ。それに魔物が減ると人間が増える。そうすると他の種族の数も減るという最悪の事態になるので人間を間引く為にも魔物はこの世界に必要不可欠であるので絶滅させられないというわけである。
ただお人形でも他の種族達と友好を結んだり交流したり魔物を増やしたり従えたりと意外にめんどくさい事ばかりで、しかも最近は知恵をつけてきた魔物が力は武力だけじゃないとかなんとかで反乱を起こして結局武力で負けて服従したりとかそう言った茶番に付き合わなくてはならない。
寿命という概念がないこの身体では自分より強い存在が現れない限り辞めることは叶わないない。それに私のように幼体から最終形態であり永遠と成長できるというアドバンテージがあるものに勝てるやつなど滅多にどころではなく皆無に近いなので、アクスヴェラが言うように永遠の王でいる他ないのだ。
明日は王としての務めである他の種族との交流があり外出も兼ねていることを思い出し、考え事を辞め目を瞑る。遥か昔あの世界で母が歌ってくれた子守唄を思い出しながらゆっくりと意識を手放す。
会いたい、家族に。
「おやすみなさい」
家族に向けた言葉は闇の中に溶けた。
設定を深く考えず、こう無邪気に酷い事をする主人公が描きたかった。
少しだけ自分の為にも説明
ダフニーちゃんは一応魔族だし、人間の記憶があるけど人間の倫理が通用するわけじゃないから普通に殺したりしちゃうけど殺しが大好きとかサイコ殺人鬼みたいな思考ではないです。ただ命の重さに対する考えが紙と変わらない程度なので工作感覚で世話係は殺します。そもそも殺すのが悪い事という概念を持ってないので、結構サクッとやります。
他の魔物も死体が転がってても案外平気ですが次は自分がやられるかもという恐怖があるので叫んだりしますが、仲間が殺されていく事への怒りはないです。そもそも弱いのが悪いくらいの感覚なので。ただ、恐怖が続くとストレスやら自衛やらなにやらで爆発して反乱が起きたりするのでアクスヴェラはそれを心配している感じです。
人間や他の種族のように国の統治の為に安寧や平和、繁栄をもたらす必要は魔物なのでありません。そもそも勝手に行動してるので。ただ最低限のルールが必要でそれを守らす為に魔王という主人を作る必要があります。ダフニーちゃんはめんどくさがっていますが、かなり楽です。負けない事と他種族との多少の交流だけがお仕事なので特別大変ではありません。多種族の交流もアクスヴェラや今後登場する他の魔族が殆どやっているので、本当にダフニーちゃんは暇です。負ける事がないので踏ん反り返るしかやることが無いので退屈になってしまうだけで他の城にいる魔物達は暇ではありません。意外に仕事があります。ダフニーちゃんに言われているのである程度遊びにも参加しただけで退屈などと思ってません。
魔物の恐怖は生命の危機の時にしか訪れないので自分にこれ以上の危機は訪れないなと感じれば福笑いは普通に楽しめます。そもそも魔物の世界にそう言った遊びがないので結構楽しんでいます。
次回ダフニーちゃんお出かけです。一応今の両親についてももう少し触れたいなとも思っています。