お隣に彼女はいかが?
今回の皆既月食をネタに書きました
2015年4月4日
天気良い素晴らしい日、私はいつものように学校行く支度をしていた。
「将、早くしないと遅刻するわよ!」
母さんがいつものように、声をかけてきた
「わかってる」
そういつも通り、テンプレのような会話をしていた
7時45分、腕時計をみて時間を確認した
もうでないと本当に遅刻してしまう
「今日もギリギリか……」
そう呟いて、玄関に向かった
そうするとリビングから
「今日は、月食があるそうですね。○○○リポーター」
「はい、そうです。○年ぶりの月食です。今日は日本全国で晴れですので、どの地域からでも見ることができるでしょう。」
そんな機械的な発音でアナウンサーとリポーターが話していた、いや放送か
「月食ねぇ……ふーん」
心の隅にこの言葉をしまい、学校へ向かった
8時23分、学校についた
ちょうどあと2分で始業の挨拶だった
自分の席に座り、1時間目の授業の準備を……
「おはよう、将君、今日もギリギリじゃない?朝迎えに行こうか?」
彼女の舞美が話しかけてきた
おはようと挨拶し
「申し訳ないから、それは良いよ」
と断ったが
顔を近ずけて、そっと
「私が行きたいの」
そう言って彼女は自分の席に戻って行った
あっ皆既月食のこと言い忘れた……
それから時間がたち、昼ごはんになった
舞美を誘って、いつものように中庭で昼食をとった
「将君、最近頑張ってるよね」
「そうかなぁ、僕はそんなことないよ」
「顔に出てるもん、疲れてるって」
「舞美に言われると否定できないな…ははは」
「じゃあ今度家に上がらせてもらって、お母さんに色々きいてみよっ」
「それはやめてくれよ」
「ふふ、そうね。じゃあお弁当でも作ってあげるね」
「ありがと」
そんな、とりとめもない会話が終わった時、舞美がきりだした
「そういえば今日、皆既月食なんだってね。ねぇねぇ!一緒に見ようよ!どうせやることないから暇でしょ?」
自分が言おうとしていたことを、いつも先に舞美に言われてしまう
悪い気はしないが、すこし悔しい
「良いよ、一緒に見ようよ。うちくる?ベランダあるし多分見やすいよ」
「じゃあ将君の家に上がらせてもらおっかな」
そう笑顔で言った
そして放課後になり、舞美と一緒に家に向かった
「将君の家に行くのって、何ヵ月ぶりだろう?」
僕の目の前に立って言った
「そうだなぁ、前来たのが夏祭りの時だったからな……」
「あぁ!そうだったね、将君のお母さんに着物着せてもらいに行った時か。じゃあ……8ヶ月ぶりだね」
そう言って彼女は少し遠い目をした
学校のことなどを話していると、家に着いた
「かえりましたー」
なぜか彼女が先に挨拶をした
「まったく……」
母さんが出てきて
「おかえりって、あら舞美ちゃんどうしたの?」
「今日月食があるので、将君と一緒にみようと思ったら、将君が家に来ないかって誘ってくれたんです」
間違ってないが、誤解を招きそうな言い方だな
「あらそうなの、将、あんたにしては大胆ね」
「ちっ、違うし、そんなんじゃねーよ」
舞美が指で僕の頭をツンツンして
「照れちゃって〜、正直にいえば良いのに。彼女とイチャイチャしたかったて、ふふ」
「ばか、何てこと言うんだよ」
そんな光景をみた母さんが
「将来はきっと良いおしどり夫婦ね」
と言った
舞美はすかさず、はいと答えた
僕がこんな光景がなんとも美しく、けなげだと思った
うちの家庭がシングルマザー、舞美の家はシングルファザーで、シングルどうし昔から仲良くしていた
再度結婚すればいいと思ったが、母さんが結婚したら、舞美ちゃんと家族になれるけど、結婚できなくなるわよと言われ、その時中学生だった僕は、それをなぜか否定できなかった
そして、僕は自分の部屋に、舞美は母さんの手伝いに行った
下の部屋から、楽しそうな笑い声が聞こえた
少し眠かったので、夕食まで寝ることにした
「将君、将君、しょうくん!しょーうくーん!
おきーて!ごーはーんだーよ!」
はっと起き上がると、目の前にエプロン姿の舞美がいた
エプロン姿なんて、家庭科の実習以来で少し新鮮だった
「もう、エプロン姿がエロいとか思ってるんでしょ……」
「はぁ、そういうことにしといてくれよ」
「ふーん」
そう言って僕を目で舐めるようにみた
そして
手を引いてリビングに連れていかれた
そこに、なぜか舞美のお父さんがいた
反射的に挨拶をした
「こ、こんばんは。」
くるりと振り返り、笑顔で
「おぉ、こんばんは。すこしお邪魔してるよ。それにしても将も大きくなったな、立派な男じゃないか」
そういって笑っていた
それよりなんで舞美のお父さんがいるんだ?
寝起きと、いつも以上に人がいるせいか、理解が追い付かない
横からすかさず
「将君のお母さんのところに、うちのお父さんから電話があって、娘がそちらに行っていませんか?って電話があってね。迎えかたがた、一緒に夕食どうですかってことで、今ここにいるの」
「なるほど……?いや舞美のせいじゃん」
「えへへ〜ごめん、ごめん」
えへへじゃないだろちゃんと家に連絡しとけよ
「じゃあご飯にしよっ!」
そう舞美が言って、皆で席に着いた
いつも以上に、料理ののった机はとても豪華だった
夕食はささみのフライに豚汁、春野菜の漬物、白ご飯だ
豚汁は舞美が作ってくれてたそうだ
野菜もしっかり入っていて、とても美味しかった
舞美のお父さんが
「娘の手料理が食えるなんて、親孝行もいいところだな」
と言うと
母さんも
「本当にお料理も上手で、賢いし、可愛いからうちに欲しいわ〜」
と言っていた
確かにもうどっちも高校3年だし、近いうちに結婚出来ないことはない
しかしまだ20才未満だし……
そんなことを考えていると、舞美が
「将君との結婚は、私まだ考えてないな〜」
そんなことを言い出した
場が一気に静まり返った
母さんも舞美のお父さんも気まずそうに、そうか、そうねと言い、食事に戻った
なんでそんなことを言ったのだろう……
夕食が終わり、片付けを終えた舞美が僕の部屋に来た
夕食前とは違い、なんだろう?この服……
ベランダの椅子座って舞美をみていると、となりに座り
「この服はダルマティカっいう種類の服」
そういってニッコリした
「凄く似合ってて良いね……」
「将君にしては、ちゃんとしたこと言うのね」
「そうかなぁ?いつも思ったこといってるだけだけどな」
「ふふ、私将君のそういうとこだーいすき」
「どうも、ありがと」
二人で肩を並べて夜風にふかれていると
舞美が僕の方に、身を預けるように、倒れてきた
そっと受け止めると、舞美が
「私ね、お父さんのことや、将君のお母さんが言ってること、分かるんだ。二人とも早くに離婚してるから、私達にそうなってほしくないし、幸せであって欲しいってことが……でもね、結婚しちゃうと将君の夢や私の夢が叶えられないじゃん。それはよくないよね…………」
「将君はどう思う?」
僕はすこし考えた
そして
「僕もそう思う。でも舞美は……本当に僕で良いのか?僕なんかで良いのか?世の中もっといい人がいるかもしれないだろ……お互いすこし考え直した方が……」
それからは言えなかった
言っているうちにどんどん気まずくなっていった
言うんじゃなかった、いっつもこれだ
そう項垂れていると
「そんなこと絶対ない、将君はいつまでも私の将君だよ。元気だして、そのための私なんだから」
それを言っているときの、舞美はいつも以上に大人に見えた
そして
「空を見て」
舞美がそう言ってきた
空を見上げると赤銅色に光った月があった
見ているうちに、どんどん月がもとの白色に戻っていく
まるで、自分の心を写しているようだった
少しずつ不安で暗くなる心を舞美が照らし出してくれた
その時のことは一生涯忘れないだろう
それから3年
2018年1月31日
お互い夢に向かって……
僕は、グラフィックデザイナーのしたっぱとして東京で働いていた
舞美は栄養士の資格をとるため、京都の医療系に行ってる
ラ○ンとかで連絡はとっているが、かれこれ2年くらいは直接会えていない
久しぶりに電話でもかけてみようか
プルルルプルルル
カチャ……
「もしもし」
女の声がする
「舞美か?久しぶり」
「将君お久しぶり〜どうしたの?」
すこしビックリしたような声だった
「いや、なんとなく声が聞きたくてね」
「なんか湿っぽいね、何かあったの?」
「いや、ホントに理由は無いんだ。あっ……しいて言うなら、3年ぶりの皆既月食が今日あるくらいだな」
「うん、そ……そうだね」
すこし動揺したように言った
「え、どうした?」
「なんでもないってぇ〜」
「そうか……そういや前回のときは、舞美のお父さんも含めて皆で夕食くえたし、凄い楽しかったな。もうどっちも20才越えたし、時がたつのははやいな…………」
「……うん、相変わらずだね、将君は」
「え?なんて?」
「相変わらず、将君は変わらないって思ってね」
「お前も変わってないだろ」
「そんなことないよ、バストとか、見た目と学力とか、ぜぇーーーたい前よりよくなってるっ」
「はいはい、そうだな。きっと良い嫁さんになれそうだな」
「………………うん……」
すこしの間があったあと、舞美が
「空を見て」
「ん?……おぉ、すっげぇな」
そこには3年ぶりの赤銅色の月があった
正確には、スーパーブルーブラットムーンとかいう長い名前だが
「私ね、ずっと考えたんだ 。大学受かって、大学行ってる間。もし、わたしが大学行ってる間将君がだれかと結婚とか私を見捨てたりしないかなって……でね。今日……」
電話ではなくどんどん近くから、舞美の声がした
震えた声で……
「きちゃった……将君に会いたくて」
後ろを振り替えると、そこには髪も長くなり、すっかり美しくなった舞美がいた
「一瞬どこのべっぴんさんかとおもったよ……」
そんなことをいい頭をかいて動揺していると
舞美が走って抱きついてきた
ギュっ
「覚えてる?3年前のこと」
すこし考えてから
「あぁ覚えてるよ。悩んでた俺を元気づけてくれたことを」
「じゃあもうわかるよね?今度は将君の番。将君が私を元気づけて。」
「また、無理を言う……そうだな、一緒に暮らすか?」
抱きついたまま離れない、舞美を見てそう言った
「んーもう一声」
「じゃあ」
これしかない、一か八か
舞美の肩をもって、顔をしっかり見て
「俺と……結婚……して?……いや、結婚しよう!」
パァーと舞美の顔が明るくなる
「うん!3年間待ったよ 、その問に。もう離さない、これからもずぅーと、そばにいてね?」
「あぁ、これから見ること、起こること、全部俺の隣は舞美、お前だ」
それから、二人で夜道を歩きながら、もとに戻っていく、月をみた
とても白い、純白のような月だった
次の、月食は7月28日……家族皆で見よう
そう、二人で話した
きっと、自分達のことをまた強く、月が照らし、繋げてくれるだろう
はじめての恋愛小説でガバガバです。