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竹内緋色 短編シリーズ

夢に見た不思議な話

作者: 竹内緋色

 夢に見た不思議な話


 それは今から思っても不思議だった。夢というのは覚めるまで夢とは気が付かない。時々夢だと気がついて覚めることもあるが、その時は覚めてからも夢であると気が付かなかった。そんな夢を私のつたない想像力と文章とで白紙を埋めてみよう。


 あれは、私が職にあぶれ、仕方なく、とある探偵事務所に助手として雇われていた時の事だ。


「今日の依頼は?」

 重々しい口ぶり。この男は私とそれほど年が違っていないにも関わらず、年季が入っていた。五十代のようにも見える。部屋の中でも帽子を被っていて、顔はいつもほとんど見えないが。

「珍しく一件入ってます。」

 俺の事務所での仕事はボディガード兼秘書。あと、警備員か。別にその役職に不満がある訳ではなかった。むしろ、楽な方で、それで最低賃金が貰えるのだから、かなりホワイトであると言える。

「そうか。依頼内容は?」

「電話での依頼でした。本日直接話すと。」

「いつ来る。」

「午後の一時です。」

「まだ時間はあるな。」

 落ち着いたように男は所長席に座る。この部屋の小さなドアにどうやって入れたのか今でも分からない、大きな机と大きな椅子。男はこの探偵事務所の所長なのだ。

「所長。そろそろ休憩入っていいっすか?」

「ああ。依頼者が来る前に帰るように。」

「うぃ。」

 所長は俺の口ぶりを注意することはなかった。むしろ、俺は意識をして話している。それが俺に求められたキャラだと思ったのだ。俺は高校に入っても、中学の時と同じように悪さをしていた。それは決して人様に迷惑をかけるものではないと思っている。まあ、夜中の暴走行為は迷惑だったかもしれないが。高校を卒業してから、就職先が見つからなかった。なんだかんだで名の知れた男でもあったので、なおさらだ。人生で一度しか警察の世話になったことがないし、それは高校卒業して随分と経った時だった。

 大抵、俺たちのようなやつは、就職先が決まっている。いかつい青年会だ。でも、俺はなんだかんだでビビりだし、親に迷惑をかけたくもないので、青年会には入らなかった。そんな俺に話しかけてきたのは実は青年会よりもヤバい奴らだった。

 俺はそんなことを知らず、運び屋をやった。何も知らされていなかった。そして、ある日、唐突に警察官に囲まれた。

「何をしている。」

 職務質問って感じではないことを悟り、俺は逃げようとした。だが、すでに囲まれている。一縷の望みをかけて、警官たちを突き飛ばそうとしたが、警察官の体ってのは重い。俺たちガキ上がりなんかよりずっしりとしている。逃げられなかった。

 警察署の取調室で俺は警官の唾にまみれていた。俺は警官の話で初めて、俺が運んでいたのが薬物だと知った。これは結構大きなニュースになった。俺も驚いた。確かに、申し分程度の青年会、もとい、暴力団みたいなものがあるのは知っていたが、その暴力団とは別の、外からの組織がこの町に薬物をばら撒こうとしていたらしい。俺はその片棒を担がされていたってわけだ。

「待ちたまえ。」

 気取った風に、重苦しい男が入ってきた。

「また、アンタか。」

 警官は明らかに不機嫌な顔をしていた。でも、それ以上俺と男の間には割って入らずに、貧乏ゆすりをしていたっけな。

「なんだよ。」

 俺は尖った口調で言う。また別の刑事かと思ったのだ。

「私はこういうものだ。」

 そう言って名刺を差し出す。俺はなんだか間が抜けて、馬鹿正直に名刺を受け取っていた。

「探偵?」

 俺は確かに刑事ドラマの見過ぎだが、現実もよく知っていた。探偵ってのは警察と協力することなんてなく、浮気調査とか猫探しとかをするものだ。実際、今もそんな依頼ばかり。

「君の情報が欲しい。」

 警官でないことに俺はほっとした。その後、色々あって、俺は無罪放免で警察署から出ることができた。本来はいけないらしいが、探偵の、所長の手腕が認められていたってことだろう。


「なに、ぼけっとしてるんだ?」

「うっせぇ。」

 俺は喫茶店に入っていた。事務所の近くで飯を食うのはここしかない。所長もさっきまでここにいたはずだ。この喫茶店のマスターは俺と同級生だ。とはいえ、堅気。中学までの幼なじみ。

「いつものでいいな。」

「ああ。そう言えば、今日は湯子ちゃんはいないな。」

「最近お腹が大きくなってきてな。」

「この幸せ者め。」

 幼なじみの仁科ケンヂも俺と同じく高卒だった。高校卒業とともに、ケンヂは死んだ両親の跡を継いで喫茶店を再開した。元アイドル、小春陽子、もとい、下田湯子を妻として。

「そうか。もう、そんな歳なんだな。俺ら。」

 ケンヂは早い方なんだろうが、それでも、年賀状やらで結婚しましたってのが来ている。田舎の結婚は早いし、すぐ離婚するけど。

「ほい。」

「ありがとう。」

 出された定食をありがたくいただく。完食した頃にはいい時間だった。

「お代は?」

「所長のつけで。」

「所長も大変だね。」

 ケンヂは呆れたような顔で見てくる。まったく、大したもんだ。


 昼間の夢心地で事務所に待機していると、客人が来た。ばあさんのくせに、時代遅れのけばけばしい恰好をした女だった。

「どうぞ、こちらに。」

 所長は女に椅子に座るよう言う。所長は女が椅子に座った後、面と向かうように、自分も横長の椅子に腰かける。

「さて、ご用件を伺いたいのですが。」

「はい。ママを殺した犯人を見つけてほしいんです。」

 ママだぁ、と俺は目を疑った。俺の仕事には書記も含まれているので、白紙の紙に要件を書き込む。

「昔、私はスナックで働いていました。ある日、私がスナックに帰ってくると、ママが血を流して倒れていたのです。」

「それはいつくらいの話ですか?」

「もう三十年前になります。」

 所長は重苦しく言う。

「残念ですが、もう時効です。」

「そんなこと、分かっています!」

 女は声を荒げて言った。

「だから、あなたたちに話しているんです。」

「分かりました。しかし、探し出してどうするのですか。報復目的であれば協力はできません。」

 女はしばし黙り込む。そして、言う。

「私は真相が知りたいんです。どうしてママが死なないといけなかったのか。あの男に聞かないと前に進めそうにありません。」

「あなたは犯人を知っているのですね、マダム。」

「マダムなんて言い方、しないで頂戴。」

「でも、私はまだ、あなたの名前を聞いておりません。」

「一ノ瀬智子よ。」

「一ノ瀬さん。あなたは犯人を知っているのですね。」

「ええ。確証はないけど、あの男しかいないわ。澤野輝美よ。スナックの常連で葬式に顔を出さなかったのはアイツだけだもの。」

「なるほど。」

 その後、スナックの場所や事件の日時、事件当日の詳細などを所長は一ノ瀬から聞き出していた。

「分かりました。お受けします。」

「よろしくね。」

 もう用はないとばかりに一ノ瀬は事務所を後にした。

「椎名。」

「はい。」

 所長は一ノ瀬が去った後に俺を呼ぶ。

「何でしょうか。」

「この依頼、お前が担当しろ。」

「え?」

 言われた意味が咄嗟に分からず、俺はずっと突っ立っていた。

「お前の仕事は私の助手だ。それには依頼の捜査も含まれる。分かったな。」

「いや。そんな急に言われても。」

 よりにもよって、年に一回あるかないかのちょっと物騒な依頼だった。

「お前ならできる。」

 まあ、少し興味があったから、俺はやってみることにした。そんな軽い気持ちで受けたのに、最後にあんなことになるなんて、誰も予測できなかった。


 まず俺は図書館に行って当時の新聞記事を探す。あったことにはあったが、地方新聞に小さく書かれていただけだ。夕刻、スナックのママ、橋本ちづよさんが拳銃で胸を打たれて死亡。拳銃とは穏やかではない。だが、新聞で得られる情報は少ない。むしろ、一ノ瀬が語った内容の方が生々しくてリアリティがあった。

「さて、と。」

 もとより期待していなかったとはいえ、少し残念だった。次は、事件現場へと行こう。


 事件現場は案の定、空き家になっていた。寂れた商店街の一角。さびついたシャッターが下りている。俺は空き家と書いてある不動産屋に電話する。

「もしもし。」

「もしもし。私は商店街の空き家の件についてお電話させていただいたのですが。」

「どの物件でしょうか。お分かりの範囲で教えていただければ。」

「××××です。いかがですか。」

「承知いたしました。もしよろしければ、お手数ですが、本社までいらしていただけますでしょうか。×××なのですが。」

「分かりました。いつ頃伺えばよろしいですか。」

「そうですね。資料の準備もありますので、一時間後に。」

「分かりました。では、よろしくお願いいたします。」

 電話も慣れたものだった。以前の俺では丁寧な口調なんて思いもよらない。


「はい。こちらの物件ですね。」

 俺の相手をしたのは電話と同じ男だった。中年太りの男。

「実は、お伺いしたいことがありまして。」

「なんでしょう。」

「この物件で起きた事件のことです。」

 男の笑顔が凍り付く。

「なるほど。ご存知でしたか。」

「実は、私はこういうものでして。」

 俺は名刺を取り出す。名刺を見た途端、男の口から歓喜のため息が漏れる。

「すごいですね。探偵さんですか。」

 この年代の人間はやはり、事件を解決する探偵のイメージがあるのだろう。これは話しやすいと思った。

「実は、依頼者からこの事件について調べるように依頼されていまして。」

「どなたですか。」

「すいません。それは言えなくて。」

「実は、私もこのスナックの常連でして。まあ、もっぱら犯人はママにしつこく迫っていた男じゃないかって話でしたけど。」

「それは澤野輝美という男でしたか?」

「さあ。そんな名前だった気もするし。なにせもう三十年も前です。」

 それもそうだろう。まだ俺が生まれる前の世界なんて俺だって覚えていない。

「常連さんだったという話ですが、他に詳しい話などをできるかたはいますか?」

 うーん、と男は唸る。そして、気が付いたように顔を上げる。

「そう言えば、昔スナックで働いていた女なら連絡先を知っています。」

「それはどなたですか?」

「有沢さつきという女です。」

「すいませんが教えていただくことはできますか。」

「ええ、いいですが。でも、どうして今さらになってこの事件を?」

 やはり時効であることは分かっているようだった。俺は本当のことを言おうか迷ったが、結局言うことにした。

「実は、依頼者はそのスナックの従業員だったそうです。それで、事の真相が知りたいと。」

「もしかして、智子ちゃんじゃありませんか?」

「御存じなのですか?」

「ええ。目くじらを立てて、ママを殺した犯人を恨んでいたようでしたから。みんな、智子ちゃんが犯人を殺すんじゃないかって心配してました。事件の後、どこかに引っ越したと聞いていましたが。」

「そうですか。」

 男にその有沢さつきという女に電話してもらった。口ぶりから会うことを嫌がっていたみたいだったが、しぶしぶ承諾してくれた。今晩、会うことになった。


「なあ、この事件についての資料、見せてくれよ。」

 俺は駐在所に泣きつきに行っていた。

「俺はただの駐在だ。そんなことできるわけねぇだろ。」

「頼むよ。お前しかいないんだ。」

 はぁ、と警官は溜息を吐く。

「明日、取りに来い。コピーだぞ。いいな。」

「ありがとう。」

 俺は警官に感謝する。

「でも、拳銃となると、こっちよりあっちに聞いた方がいいんじゃないか。」

「まあ、そうなんだが。ちょっと会い辛くて。」

「ははは。お前がそんなたまかよ。」

 お前だって俺のことなんかよく知らないくせに、と思ったが、言葉には出さない。

「ありがとな。」

「また麻雀で勝たせろよ。」

「お前こそ、疑われるような役作るんじゃねえぞ。」

 警官は俺の麻雀仲間だった。


 有沢さつきという女はバーを経営しているようだった。だが、実情はスナックと変わりはしない。年増のおばさんがおっさんたちを接待するだけだ。

「あんたが探偵ね。」

 けだるそうに有沢が言う。更年期なのだろう。

「そうです。三十年前の事件についてお伺いしたいのですが。」

 有沢は水さえも出さなかった。聞きたいことが終わればすぐに帰れと言っているようだった。

「あの事件については思い出したくないんだけど。」

「どうかよろしくお願いします。」

「一体誰が調べろって言ったの?調べたところでママは帰ってこないわ。」

「一ノ瀬智子さんです。」

「だろうと思った。でも、どうして今頃なのかしら。」

 それは俺も疑問に思っていた。明日にでもアポを取って詳しい話を聞こう。

「分かりません。」

 今はそう言うしかなかった。

「私は智子以上に知ってることなんてないわよ。あの子が第一発見者だし。」

「澤野輝美という男について何か知りませんか?どうもママにしつこくつきまとっていたとか。」

 有沢は溜息を吐く。

「そうね。時折口論にもなってたわ。でも、あの子あなたに言わなかったのかしら。知らなかったかもしれないし、忘れているかもしれないけど。」

「どのようなことですか。」

「澤野輝美はママの夫。」

「でも、苗字が。」

「結局籍は入れなかったみたいね。どうしてか知らないけど。ママもあの男が夫ってはっきりと言わなかったけれど、話を聞いていればなんとなくわかったわ。」

「では、どうして澤野は橋本ちづよさんを。」

「知る訳ないじゃない。第一、その男が犯人って決まったわけじゃないでしょ。誰も犯人を目撃していないもの。」

 この事件の面倒臭いところはそこだった。犯人がはっきりしない。だが、確かに澤野はあやしい。俺はとりあえず、澤野を探し出して話を聞くという方針だ。

「ちなみに、澤野の居場所をご存じではないですか?」

「知らないわ。」

「どこに住んでいたかも――」

「知らない。」

「では、橋本さんの住んでらっしゃった場所は?」

「知らないわ。多分、誰も知らないんじゃないかしら。澤野と一緒ってことも言わなかったくらいだし。」

「そうですか。」

 きりのいいところで、見せに誰かが入ってくる。複数の若い女だった。

「ママ。ただいま。」

「あれ?お客さん?」

「違うわ。さあ、話は済んだでしょう。早く帰りなさい。」

 だが、俺は女たちに見とれていた。そう言えば、ここ最近、女っけがなかったものな。

「遊んでいくなら金を払いなさい。」

「失礼します。」

 俺は足早に去る。ここはスナックというよりキャバクラに近いのかもしれない。


 次の日。俺は朝早く駐在所に行って警官から資料を受け取る。そして、事務所に戻る。しばらく事務所で資料に目を通していると、所長が入ってきた。

「おはようございます。所長。」

「おはよう、椎名。捜査の方はどうだ。」

 俺は昨日やってきたことを所長に報告する。

「なるほど。澤野は夫同然だったと。」

 なんだか難しい顔をしている。

「今日はどうする。」

「銃について、昔の知り合いに連絡をとろうかと。あと、もう一度依頼者に話を聞きたいのですが。」

「いいだろう。澤野の居場所が分かれば依頼者に連絡する前に一度、私に連絡しろ。俺が許可を出してから依頼者に連絡だ。」

「分かりました。」

 俺は早速事務所を後にする。昔の仲間と依頼者には今日会う予定だ。ことがこんなに早く進むのは珍しい。まあ、みんな要件を手短に済ませたいだけなのだろう。俺たち探偵の扱いは野良犬よりひどいからな。


 俺は駅前のビルに向かう。昔は商店街のあった通りが一番栄えていたのだが、最近は駅に特急が走るようになって、急速に駅前の開発が進んだ。今もほとんどの建物が建設中である。そんな中、一番早く完成したのが青年会の入ったビルなのだから、笑えてくる。

「邪魔するぞ。」

「あ、椎名先輩。ちっす。」

 俺の後輩が俺に頭を下げる。そいつは掃除をしていた。爽やかな感じの不良なのが少し惜しい。顔はGTOのあの俳優によく似ている。とっても好色な所も。

「紫雨はいるか?」

「いるぞ。」

 奥から、黒い丸メガネのサングラスをした、いかにもマフィアっぽい男が出てくる。こいつも昔なじみ。

「お前が俺を尋ねてくるとはどういう了見だ。」

 先に要件は伝えてある。

「探偵なんかになるより、うちの組に来いよ。どうせ、先輩方はご隠居だ。好きにできる。」

「嘘つけ。サラリーマン並みに働いているくせに。」

「まあ、な。」

 とりあえず座れ、と紫雨は俺に椅子を指し示す。うちの事務所より座り心地はいい。

「みんなも元気そうだ。」

 俺と紫雨の後ろに立っているのはどれも見知った顔だった。ここは、俺の昔なじみしかいない。

「先輩方はどうした。」

「俺らに雑用を押し付けて隠居だ。まあ、時々建築関係で力を借りるが、ほとんど俺たちに一任されている。全く。」

 紫雨は不満を漏らしているが、それは凄いことなのだ。俺と同い年の若輩が組の仕事をほとんど任されているのだから。それだけ、上の信用が厚いと言えるだろう。

「まるで政治家だ。」

「仕事はこれだけじゃないからな。若い連中に目を光らせたり、お前みたいなバカなことをする奴らを追い払ったり。」

 薬物の件を言っているのだろう。その際は紫雨にも世話になった。

「実は、三十年前の事件を調べていて、その時に使われた拳銃を洗って欲しい。」

「三十年前だ?」

 紫雨はあからさまに嫌な顔をする。

「そんな昔の話、分からねえかもしれねえぞ。」

「分からなかったら分からなかったでいい。これがその拳銃だ。」

 俺は警察の資料を見せる。

「なんでこんなに種類が多いんだ?」

「弾からしか割り出せなかったからだろう。昔の話だから、きちんと捜査もできなかっただろうし。」

 紫雨は資料をテーブルに投げ出す。

「もし、うちの経路から手に入れたのなら、この一番初めの銃以外あり得ない。その他は分からねえ。他の組に話を持ち掛けられるほどうちが強くないのは分かっているだろう。」

「ああ。」

「それに、だ。誰が誰にいつ渡したのかはっきりわかったとしよう。それでも、その犯人とやらの居場所は分からねえぜ。犯人と取引したやつが顔なじみってんなら、余計話そうとしないだろう。それでもいいのか。」

「ああ。」

「じゃあ、こっからが取引だ。お前は俺たちにどんな益をもたらしてくれる?」

 やっぱそうなるよな。だけど、俺はそんな切り札を持っていないし。

「何かあったら協力する。それでいいか?」

「いいわけないだろ。」

 なんだか泣きそうな声で紫雨は言う。

「そんな易々と俺たちに協力するなんて言っていいわけないだろ、文ちゃん。今回は組は関係ない。俺と文ちゃんの仲だ。組の中でもそう処理しとく。この中で文ちゃんに恨みを持つやつなんていないからな。」

 そうだそうだ、という風に後ろの男たちも首を縦に振る。

「だが、面倒ごとは今回だけにしろよ。誰かのために危険を顧みないところは、文ちゃんの悪いところだ。」

「すまねえな。よろしく頼む。」

「ホントだよ。三十年前となりゃあ、お頭付近に話を聞かなくちゃいけねえ。俺が死んだら骨は日本海にばら撒いてくれ。」

「悪い冗談だ。」

 紫雨は日本海がとっても嫌いだった。一度溺れて死にかけたからだそうだ。だから、これは紫雨が絶対に死なないと言っているのと同じだった。

「文ちゃん、頑張れよ。」

「そっちこそ。」

 俺は少し懐かしくなりながら、事務所を後にした。


 一ノ瀬智子の家はいたって普通の一軒家だった。

「そう。さつきちゃんに会ったのね。」

 俺はとりあえず、一ノ瀬に現状の報告をしていた。

「拳銃の方は今、捜査しています。しかし、やはり、澤野の居場所を探すのは難しいかと。写真などはありますか?」

「探してみるけど、どうかしら。あの後、引っ越しで忙しかったから。」

 一ノ瀬は落ち込んだ表情をしている。

「澤野はママ、橋本ちづよさんの夫でした。ご存じでしたか?」

「いいえ。噂には聞いたことはあったけど、本当だとは思わなかったわ。それは本当?」

「実はよく分かっていません。」

「でしょう。」

 一ノ瀬は落ち着いた様子で言っていた。

「また、これは個人的にお伺いしたいのですが、どうして今頃になってこの事件を?」

「あら?私が何かすると思ってらっしゃるの?」

「いいえ。しかし、どうも気になって。」

 一ノ瀬は先ほどと一変して興奮気味だった。

「ただ、この歳になって夫と離婚しまして。そうしてこの町に戻ってきたんですの。そうしたら、ママのことを思い出して。あなたには分からないでしょうけど、ママはとってもいい人だった。あのスナックもあったかくていい場所だったの。それをあの男が奪っていった。それがどうも許せなくって。」

「そうですか。しかし、犯人はまだ澤野と決まったわけじゃ――」

「いいえ。あの男よ。ママを殺すとしたらあの男しかありえない。」

「逃走する姿を見たりしたのですか?」

「そうではないけど。」

「では、他にママに恨みを持つ人物は?」

「いいえ。思い当たらないわ。もし澤野が夫というのなら、ママがスナックに勤めているのが気に食わなかったんじゃない?」

「なにか、思い当たる節が?」

「いいえ。澤野とママが何を話していたのか思い出せないの。でも、あんまり物騒な話ではないと思う。今にして思えば、それこそ夫婦の喧嘩みたいに見えなかったこともないわ。あの頃、結婚なんかしてなかったから気が付かなかったのね。」

「なるほど。」

 だが、澤野に繋がる手がかりはありそうにない。

「当時の関係者で今も連絡が取れる人はいますか?」

「いないわね。だって、携帯電話もない時代ですよ。」

「そうですか。」

 この事件は相当に難しそうだと思った。

「また分かったことがあれば報告させていただきます。」

「よろしくね。」

 俺は一ノ瀬の家からお暇した。


 その後、何の情報も得られなくなった。一ノ瀬が写真を送ってきてくれたので、店の周りや不動産屋を回ってきたものの、何の音さたもなく一週間が過ぎようとしていた。そんな折である。

「もしもし。紫雨か。」

「ああ、そうだ。」

 紫雨から電話がかかってきた。

「どうだった?」

「俺も驚きだよ。何から話せばいいか。お前はよっぽど幸運らしい。」

「勿体ぶらずに言えよ。」

 俺はまた有沢を訪ねて、結局何もなかったのでブルーになっていたところだった。

「拳銃はビンゴだ。うちの組のもんが渡した。」

「それで?」

「澤野輝美はうちの組のもんだった。」

「なんだって?」

「ほとぼりが冷めるまで逃がしたのはうちの組の方針だ。だが、今は縁が切れている。どうしてうちから逃げることができたのか分からないが、今はうちが贔屓にしてる建設会社に勤めている。」

「じゃあ、この町に?」

「ああ。だが、あまり関わることは勧められない。嫌な予感がする。」

「そうだな。」

 組が逃がしたというだけで、その澤野はそこそこの地位についていたのではないか、と考えられる。それに、組が贔屓にしてる会社に勤めてるということは天下りみたいなものだ。そして、なにより、組が逃がしたということは百パーセント黒ということ。

「わかった。ありがとうな。」

「文ちゃん。危険な真似はするなよ。俺はお前と違って自分の命を一番に考える。俺が危ないと思ったらお前を簡単に見捨てる。」

「ありがとよ。ずっと友達でいてくれて。」

「バカ言え。」

 そう言って紫雨は電話を切った。

「さて、どうするか。」

 とりあえず、所長に連絡する。

「もしもし、所長ですか。」

「なんだ。」

 所長は電話越しではあるがひどく焦っているように見えた。

「澤野の居場所が分かりました。」

「そうか。」

「何かあったんですか?」

「子どもが産まれそうなんだ。」

「え?」

「すまないな。俺はしばらく休む。それより、まず、澤野と接触して話を聞け。黒かどうか確かめろ。話はそれからだ。」

「組が逃がしたってだけで黒な気が――」

 急に携帯電話が悲鳴に似た音を出す。

「所長!どうしたんですか!」

 電話には応答がない。電話越しには足音やら何かの雑音やらが聞こえる。俺は仕方なしに電話を切る。もしや、子どもが産まれて興奮して電話を投げ捨てたんじゃないよな、なんて考えてみる。とにかく、澤野に会いに行くことにした。


 澤野はこれまた風変わりな場所に住んでいた。誰かが住んでいるとは思えない、アパート。でも、郵便受けに名前が複数ある限り、部屋は満室のようだった。

 そこは日中でも暗い場所だった。ホラー映画でよく出て来そうな場所。そんな気味の悪い建物の最上階に澤野は住んでいた。今、在宅しているかどうかはわからない。だが、訪ねていく。

 澤野の部屋は扉が開いていた。そこから、ゲロのようにゴミが溢れ出している。誰かが住んでいるようには思えない。ゴミの中に、煙草があった。ショートピース。俺が吸っているもののニコチンが少ないバージョン。俺はそれを盗もうか、なんて思って手を伸ばした矢先だった。

「どなたですか。」

 俺の背後から声が聞こえる。

「えっと・・・」

 俺の背後から姿を現したのは澤野らしき人物だった。だが、貰った写真とは似ても似つかない。なにせ、それは彼が二十代の頃なのだから。

「澤野輝美さんでしょうか。」

「いかにも。」

 澤野はいつの時代の紳士だ、と言わんばかりの恰好だった。これで建設業は似ても似つかない。澤野は俺に特に興味はないらしく、俺を素通りしてゴミを踏みながら部屋へと入って行く。部屋の中でも土足のままだ。

「すいません。橋本ちづよさんが亡くなった事件について話しを伺いたいのですが。」

 瞬間、澤野は俺の方に首を向ける。テーブルの上の何かを漁っていたようだが、手を止めて、張り付いたような無表情で俺を睨んでいた。

「誰かね。それは。」

「三十年前、何者かに銃で殺されたスナックのママがいまして、それが橋本ちづよさんです。話によれば、あなたは橋本さんの内縁の夫だったとか。」

「それは、この銃か?」

 澤野の腕から突き出された銃が俺を睨んだ。瞬間、俺は身をかがめた。

ばきゅおおおおおん。マンション中に反響する形で銃声が響いていく。かがんだ俺の目の前にはショートピースの箱があった。まだ中身がある。俺は何を思ったのか、ショートピースの箱を持って、急いで階段を降りた。階段を飛びおりる。こんな無茶なこと、最近していなかったから、飛び降りた際の衝撃で骨が軋む。それでも、急いで逃げなければならない。ここは四階。一階ごとに踊り場は階と階の間に一つ。つまり、俺は後、七回は飛び降りなければならないわけで――

病院送りになってもいいという覚悟で飛び降り続ける。一番下まで降りた時にはもう、足ががくがくだった。走って逃げられそうにない。そして、俺の目の前には何故か、有沢さつきが。その有沢は小さなバッグから拳銃を俺に向けている。

どうして。

俺は答えを見つける暇なく地面を転がる。その直後、俺の頭上で銃声が。そして、俺の背後にいた男は胸から血を流して倒れる。奇妙な事にも澤野は橋本ちづよと同じように死んでいったのだ。

「さつきちゃん!」

 一ノ瀬を先頭に彼女の店の女たちが駆け寄ってくる。

「どうして。」

「そんなことより、逃げるわよ。」

 女たちは駅に走る。ちょうど電車が来た頃のようだった。無人駅だから、改札なんてのは存在しない。女たちは電車を待っていたり、バスを待っていた老人たちからバックをひったくり、電車に乗り込む。俺のバックを取られそうになったが、必死で防いだ。そして、女たちは嵐のようにこの町から去っていった。

「なんだよ、あれは。」

 俺はただ呆気に取られて、去っていく電車を、もう見えなくなるまで目で追っていた。


「はあ。なかなか大変だったな。文ちゃん。」

 黒い丸サングラス紫雨が俺のもとに立ち寄って言った。

「お前こそ、事後処理、ご苦労だ。」

「今回はお前はただの通行人ってことにする。澤野は昔の幹部のちょっとした昔なじみだったらしい。俺は少しはお叱りを受けるかもしれないが、罰はないだろう。組にとって澤野はそれほど重要ではなかった。」

「そうか。」

 だが、少しは組が関わっていたとなると、警察と色々あるだろう。これからが大変だ。

「文ちゃん。ちょっと面貸せや。」

「痛いのは嫌だぜ。」

「そういうんじゃねえよ。」

 まあ、今回紫雨には大分世話になったから、多少付き合うのはいいだろう。


 俺が連れてこられたのは駅前の事務所だった。

 俺が事務所に入った瞬間、パン、と音がする。

 ああ、死んだな、と思った。しかし、俺の目に飛び込んできたのは血飛沫でなく、紙で作られた紐だった。

「椎名さん。お誕生日おめでとう!」

「お前ら、その面でクラッカーとか、怖すぎだろ。」

 そうか。今日は俺の誕生日だったのか。もしかしたら、紫雨は何もかも見越していたのかもしれない。それで一週間もかかったのか。

「ほら。ろうそくを消して。」

 昔なじみたちが図太い声ではっぴばーすでーとぅゆー、と歌う。まるで宴会の席だ。

「ありがとよ、みんな。でも、なんで俺のために。」

「初めに俺たちに誕生会を開いてくれたのは椎名さんじゃないですか。」

 GTO顔の後輩、有里が言う。

「そうだったか?」

「俺たち、親にも碌に祝ってもらえなかったから、いつか盛大に椎名さんの誕生会を祝おうって。どうですか。」

「やり過ぎだろ。俺の時は、ただケーキを食べただけじゃねえか。」

「でも、みんな、そのケーキを買うために椎名さんが頑張ってバイトしてることを知ってたんです。だから、一猪口前に稼げるようになったら、その分をお返しできるような誕生会を開こうって。

「ありがとな。」

「え?」

「お前ら、みんな、大好きだ!」

 何故か本物のシャンパンではなく、子ども用の炭酸飲料だったけど、構わず俺たちは野球の優勝後の祝賀会のように炭酸をかけあって、笑い合って、ケーキやケンタッキーを食べてひと時を過ごした。


 宴会後、有里は片付けに追われていた。

「すまないな。」

 俺は座りながら有里に言う。事務所からはみんな帰ってしまって、俺と有里と紫雨が残っているのみだった。俺はポケットに手を突っ込む。すると、何かが入っていたので出してみる。それは、澤野から盗んだショートピースだった。

「結局、あの事件はなんだったんだろうか。」

 俺はどたばたな解決をした事件を整理しようとするが、整理しようにも整理しようがない。

「ま、全ては終わったことさ。死人に口なし。町を去った者にも口なし、ってね。」

 紫雨はぼんやりと空を見て言った。俺は持っているライターで煙草に火をつけようとするが、中々点かない。

「お前、そんな安ライター使ってるのか。」

「ああ。お蔭ですぐにきれる。」

 コンビニの百円ライターだ。恐らくもう使えない。

「ほれ。俺からの誕生日プレゼントだ。」

 紫雨は俺にオイルライターを投げてよこす。

「ありがとな。」

 俺はそれを受け取り、煙草に火をつける。一方の紫雨は葉巻だった。ボスが板についている。その葉巻を燃やすのは、俺が去る時に渡した、古臭いオイルライター。

「それ、まだ使ってるんだな。」

「古いものほどもつんだ。」

 いいや、それは紫雨の手入れが行き届いているからであろう。俺が使っていたものをそのまま渡しただけだが、その頃から火の点きは悪かった。

「お二人とも、まだ吸ってるんですか?時代はもう禁煙ですよ。路上喫煙だってもう禁止なんですから。」

「時代は変わっていくな。」

 自分の時代が終わるかのような老人口調で紫雨は言った。

「俺も辞めないといけないとは思ってるんだが、契機がないからな。」

 澤野のショートピースはきちんと火がついて、吸えるものだった。だが、まずい。俺がいつも吸っているのはもっと濃いものだからだ。


「で、俺が禁煙する契機になったヤツがお前なわけだ。」

「臭い話ね。どうせ脚色でしょう。」

 そこは探偵事務所。でも、かつて俺が勤めていた場所とは違う。同じ町だが、場所は違うし、そこは俺の事務所だった。

「まあ、その後何年かして、急に所長がどこかに行ってしまって、俺は自分で事務所を構えることになった。」

「別に聞いてないんだけど。」

 目の前の小学生は不満そうに言う。学校からの帰りで、ランドセルを客用の長椅子に放り投げている。それは俺の子どもではない。

「あら。誰か来たみたいよ。あなたの仕事ね。」

「ほとんどお前の仕事だろう。名探偵さんよ。」

「あら、私は探偵でも何でもないわ。ただの、永遠の小学生。」

 自称、歳を取らない小学生は俺にそう言う。

 俺はこの少女と出会って、何故か今は小学生専門の探偵となっている。

「ごめんください。」

 ランドセルを背負った小学生がおずおずと入ってくる。

「ようこそ、椎名文太探偵事務所へ。」

 俺は小学生に向け愛想笑いを浮かべ、恭しく頭を下げた。


 永遠の小学生探偵、雷ニトロの名推理


「やあ、諸君。諸君らは騙されている。いいや、騙されなかった賢明な読者もいるかもしれない。え?椎名がなんだって?あんなバカ、勝手に騙されていればいいさ。

 舞台は昔。最初の事件は三十年前、と私では届かない遠い場所にいるので、この推理は当たっているのかどうか、分からない。だが、こうとしか考えられないのだ。この事件は初めから最後まで全員グルだとな。

 まず、近い事件から始めよう。最後の銃撃事件である。あの事件は大いに違和感が残る。なにせ、全てがうまく行きすぎている。人生とはうまくいかないものだ。失敗は多い。だが、あのスナック連は簡単に逃げおおせた。タイミングを計ったかのように電車が止まっていた。それは奇跡の所業だ。一分たりとも狂いは許されない。では、どうしてそのようなことができたのか。

 まず、椎名が澤野をおびき寄せなければ事件は収まらなかった。だが、これも計算されつくしたものであると私は断定する。澤野が自分の家に帰宅する時間を知りえる人物がたった一人、いるのだ。

 次に、どうして有沢は澤野の場所を知りえたのか。まあ、あのバカが店の前で電話したからというのもあるが、有沢が銃を持っていたことを考えると、答えは一つだ。

 次に、些細なことで、読者も気付いていることだろう。一ノ瀬と有沢はグルだ。二人は澤野を殺すという目的で手を組んだのだ。

 そして、どうして椎名が助手である探偵事務所を選んだか、である。椎名の探偵事務所でなくともよかったはずである。この答えは簡単だ。所長か椎名のどちらかに発見者になってもらいたかったからである。

 そこから、このような筋書きができる。

 ある女たちが澤野という男を殺したがっていた。そこにある組の幹部が手を貸したのだ。その幹部の目的も女たちと同じだった。

 では、どうして女たちは澤野を殺したがったのか。鍵は三十年前にある。

 三十年前、ある者がスナックのママを殺した。そのママは組の幹部の内縁の妻。その犯人は一体誰だったのか。

 私はこう考える。ママを殺したのは澤野ではない。他の誰かだ。澤野は自分が犯人でないことを知る、唯一の人物だった。だから、殺さなくてはいけない。最後の事件の動機である。では、なぜその人物はママを殺さないといけなかったのか。それは事故なのだ。犯人は澤野を殺そうとしていた。それを偶然ママは知ってしまった。だから、殺さざるを得なくなってしまった。第一発見者は澤野だったのだろう。だから、澤野はいち早く組織の手が伸びないところまで逃げた。え?何故組が関係あるのかって?それは、澤野を殺そうとしていたのが組の者だからだ。これは推測だが、組は澤野が邪魔になったのだろう。ただ、時の組長と昔なじみだったというだけで幹部になったのだ。恐らく、組長自身、澤野が邪魔だったに違いない。しかし、同じ組のものを簡単に殺すことができない。だから、澤野と親しい人物に依頼した。

 三十年後、澤野は町に帰ってきた。組織はもと組長の昔なじみだというので、澤野を歓迎したが、澤野の性根は治っていなかった。ただの建設会社の従業員であるというのに、組に口を出してきたのだ。組は澤野を殺すことに決めた。だが、自分たちの手で殺してしまえば、面倒なことになる。だから、利害関係の一致する、ある女たちと手を組んだ――

 一番読者を騙していたのは語り手である椎名だ。やつはありのままを話したに過ぎない。ただ、思い出という感傷にひたって、脚色しただけだが。

 そして、作者よ。お前が夢見たのは最後の女たちが逃げている場面あたりだけだろう。九割方創作じゃないか。」

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