NPC95
以上に短いくせして不快な表現が多いです。
まず、目の前にいたローゼの体が弾け飛んだ。
文字通りだ。
内側から弾けて臓物を撒き散らした。
笑顔のまま首が飛んで俺の足元に転がった。
「何が起こった?」
そんな疑問に、ローゼの頭部を見下ろしながら、脳裏に文字列が並ぶ。
『ローゼ・シュタイン・フラシュベルグ。民を逃がすために魔物との戦闘。仲間が全滅した後に魔物に捕らえられ、暴行を受けた上で魔物の子供を孕ませられる。出産時内側から肉体を喰らわれて死亡する』
ああ、だから、今まで死ななかったのか。だから、こんな無残な死に方をしたのか。
そんな考えとは別に、周囲で血の花が咲いていく。
さっき話した冒険者達もそうだ。
今まで生きていたのは俺という存在があの魔物たちを駆逐したからであって、ストーリーとは違っていたのだろう。だから、今、こいつらは次々に死んでいる。
手を伸ばしたって遅いのだ。
笑顔のまま、次々に誰かが死んでいく。
結果という過程を無視した結末だけが刻まれていく。
先程までいた宿舎はすでに瓦礫だ。
何回目なんだろう。
死に満ち溢れた世界を経験するのは。
ついでに言うと関所が崩壊していた。
壁の向こうでは煙が上がっている。法国も地獄になっているんだろう。
でも、そんなことすら気にならない。
俺が気にできるのは目の前のことだけなのだから。
とりあえずローゼは死んだのだ。死ぬ運命だったのだ。そういうストーリーだった。
なら、関所の向こうもストーリー通りに皆死ぬんだろう。
全てが嫌になってきた。
こんな欝なストーリーを誰が読むんだろうと。
でも、足下に転がったローゼの頭部を拾い上げながら俺は思う。
「救えなくてすまない」
だから、
「結末は変らなくても殺し尽くすから」
死ぬって結末は変らなくても、苦しまなくて済むようにするから。
俺はローゼの遺体を埋葬したあと、破壊し尽くされた法国に踏み込んでいく。その先が地獄と知っていながら、結末を変えられないと知りながら。
今回は空から声が落ちてくることは無かった。
罵声すら叩きつけることができないのか。
畜生め。




