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NPC80

レヴィー視点です。

たった今ブックマークしてくださった方ありがとうございます。

 馬車の崩壊する光景を目にしながら私は考える。

 なんでこんなことになったのかしら?

 十夜君と別れた日から三日、最初は動こうともし無かったリーザちゃんを無理矢理連れて馬車で移動を始めたところまでは良かったわ。

 実際、ここで待っているよりも停留所で待っていたほうが都合がいいし情報も手に入りやすい。だからこそ、十夜君がいない間にリーザちゃんや真白ちゃんが強くなるのは今後同じ事を起こさないためにも必要じゃないかしら?

 私がそういったのを真に受けすぎたのでしょうね。

 彼女からの質問が止まらなくなった。知識はもちろん詠唱する場合の呼吸法、魔力の練り方からイメージの仕方まで。私の知っている魔法の全てをたった三日で聞きだした上にそれを全て記憶してしまったのだから始末に終えない。

 今の彼女は魔力を吐き出すための蛇口が小さいからこそ強大な魔法は使えない。

 それを改善するための手段はあるのだけれど、今は改善しなくてもいいかも。

 というか、現時点で私の技術を越えているわ。

 魔力を糸のようにして伸ばすって何? それに視覚を乗せる? 繋げる?

 もう、私の理解出来る世界じゃない。

 魔力の総量なら当然私の方が上でしょうね。無論、威力も同じ。

 だけど、リーザちゃんが行っているのは力とは別次元の話だ。

 これは力の強弱で無く技術の差でしかない。逆に言うなら、リーザちゃんの技術はとっくの私を越えた位置にいる。

 いえ、これが本当の才能ということね。

 私のように種族的に優れていて、何の技術も無くともステータスがカンストしてしまうような化け物には行き着けない到達点よね。そして、リーザちゃんはまだまだ到達点には程遠い。だから、少しでも強くなるために、常に思考を分割した上で働かせて実験して成功と失敗を繰り返しながら日常生活をするという異常。先が恐ろしいというのはこういうことよね。

 だって今、彼女は二つの魔法を同時に行使しながら私と話していたのだから。

 これは誰かに言っても伝わり辛いわね。

 わかりやすく言うなら右手で文章を書きながら、同時に左手で計算式を書くようなものだ。そんなことは誰にもできない。にもかかわらず彼女は私と会話をしていた。つまり、右手で文章を書きつつ、左手で計算式を書きながら、誰かと話すことができることを意味していた。聖徳太子だってそんなことはできないでしょうね。

 ともあれ、

「今日の食事は豪華になるかしら?」

「メス犬は食事の味に好みがあるのですか?」

 酷い呼び名が定着しそうね。とはいえ、そんな嫉妬にも似た視線が可愛らしいわね。

 ・・・まあ、いくら食材が安くなろうとも、私達は誰も料理が出来ないのだけれどね。

 こればっかりは、魔王様でもなにもできません。


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