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NPC40

 十夜たちが良くわからないことを言っている。

 一番わからないのは巻き戻り、もしくはループだ。

 とはいえ、深く聞いてもいけないことなのだろう。

 実際教えてはもらえなかった。

 でも、十夜が言っていた主人公とは紅 真白のことなのだろう。

 最初は浅からぬ関係のように思っていたけどそうでもないようだった。

 むしろ、初対面に近い関係だと思われた。


 十夜はともかく、真白という女の人は苦手だった。

 こちらの意思関係無く話しかけてくる。

「ねぇ、リーザちゃんは・・・」

 鬱陶しい。

 私の趣味なんて聞かれても逆に困る。

 私は十夜の傍にいたいのに。

「うるさいです」

 思わず言ってしまった。

 真白の顔を見れば驚いたように目を見開いていた。それに対してかすかな罪悪感を抱いてしまう。だけど、それ以上に面倒だという気持ちが先走ってしまった。

「そっか、ごめんねあたしうるさいよね? でも、この世界に来て近い年齢の女の子が少なかったからテンション上がっちゃって・・・」

 でも、彼女の言葉は止まらない。

 私自身あまり口数が多いほうではないのだけど、この人はとにかく止まらない。うるさいとか言うレベルじゃない。

「あたしは元の世界に帰りたいんだけど、それでも、この世界を楽しむなら友達は必要でしょ?」

 元の世界とかはわからないけど、それを私に求めないでほしい。

 でも、話していたなんとなくわかった。

 この人は私達とは違う世界から来たようだ。

 時折良くわからない言葉を使うし。

 だけど、言葉を信じるならこの人はいつかいなくなるのだ。

 なら、仲良くしたって良いことなんて何も無い。むしろ悲しくなるだけだ。

「いなくなるのに必要なのですか?」

「うまくすればリーザちゃん達だって日本に来れるかも知れないじゃない」

「少なくとも十夜が行くとは思えません」

 そして、十夜は彼女の言う平和な世界には馴染めないと思う。

 十夜が行くというなら付いていくけど。

 そういうレベルで私の心は決まっていた。


 馬車の道程は辛い。

 でも、


 馬車の道程は辛い。

 でも、それ以上に何気ない優しさが嬉しかった。


 馬車を操縦するのは十夜だ。

 基本的にうまくはないし、真白は定期的に外に飛び出していく。

 だけど、それでも、定期的に休憩を入れるし、私が酔って横になるときは頭を撫でてくれた。

 その上で真白のために水を用意しているし、立てなくなるときは肩を貸していた。


 十夜自身は面倒そうにしていたけど、そうできるのは優しいからだ。

 真白はそれに気付いていないようだけど、私にはわかった。

 だから、私は十夜の事が好きになっていた。

 出会った時間は関係ないみたいだ。

 でも、彼のことを見て胸の高鳴る感情は間違いないと思う。

 絶望しかなかった感情の中で初めて誰かを好きになってしまった。


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