表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/143

NPC29

最近あまり書けていなかったので本日二回目の投稿です

「ステータスオープン」


固有名 紅 真白

職業 勇者

レベル20

ステータス

力 82

体力65

素早120

知能30

魔力5


固有スキル

輪廻。

剣道。派生、剣術。

紅一族の秘密。

生存本能。


 皆さんこんにちは。

 紅 真白です。

 一人で旅に出て順調にレベルが上がってます。

 ステータスの伸びも順調だけど、なぜか知能と魔力の伸びが悪い今日この頃。

 脳筋扱いされているようでちょっと嫌だな。


 と、あたしはあたしを見ているかもしれない「なにか」に心の中で話しかける。当然、返事なんて返ってこないけど、森の中を散策するあたしにとってはていの良い暇つぶしだ。

 とはいえ、レベルを上げている中で気付いたことがある。

 あたしは基本的に近接戦闘をしていたけど、一人だからこそ、複数の魔物や獣に襲われた時は、一撃必殺よりもダメージを回避する戦闘方法を選んでいた。そうした結果、素早ステータスが大幅に成長している。反面体力の伸び幅が少ないのは、回避っていう瞬間速度を重視したからで、マラソンのような行動をしていなかったからだと思う。

 なら、レベルが上がる直前まで筋トレ、走りこみ、勉強、魔法チックなことをすれば際限無しにステータスが上がるのだろうか? そう思って実際行動に移したけど失敗だった。

 なぜなら、レベルアップ時に上がるステータスの幅が決まっているようで、上がった際は努力の数関係なく平均化されて上がっていた。

 わかりやすく言うと1レベルごとに20ポイントのステータスが上がる。レベルが上がるまで行った行動の順位に対して素早さ8 力5 体力4 知能2 魔力1みたいな感じ。

 で、実験の時みたいに各種運動をプラス知的行動をとった結果が、数値が増えるのではなく素早さ6 力6 体力6 知能1 魔力1という結果。

 正直あたしの努力を返せと言いたいけど、なんとなくレベルアップのメカニズムがわかったから良しとする。

 ちなみに、地味な訓練でもステータスはちょっとずつ上がっていく。でも、レベルアップに比べると気が遠くなる運動量なので、最近は素直に魔物と戦ってます。


 さて、思考を目の前に戻す。

 あたしは戦っていた。

 場所は言うまでもなく森の中。樹の嵩が大きいので全体的に薄暗いけど見えないわけじゃない。

 その薄暗い世界に数多くの影が蠢いている。

「数多いなぁ」

 呟きながら後ろから飛び出してきた気配に左手を向ける。同時に軽い衝撃と小さな火花。

 今のあたしの左手には盾は無い。正直あたしの戦闘スタイルに合っていなかったからだ。

 だから、今の左手が握るのは、後ろからあたしを刺突しようとしたフォレストゴブリンのナイフを挟み込む、ソードブレイカーだ。

 ショートソードよりは短い。でも、ナイフよりは長い片刃の直剣。ただし、刃の背は櫛状の凹凸を持つ。それに挟み込まれた薄い刃は、あたしが少し力を入れるだけであっさりと砕け散った。

 フォレストゴブリンは突然のことに慌てているようだけど関係ない。

 あたしは振り向きざまの回転を利用したままブロードソードを振り下ろす。

 肉を裂く感触、骨を砕く手応え、そして、刃を振り抜く感覚。

 そのままステップを取って血潮を浴びるのを回避した上で周囲に気配に視線を飛ばす。


 剣道経験者のあたしがショートソードや湾曲刀を選択しないで、新しくブロードソードを選択したのは理由がある。

 実際やってもらうとわかるのだけれど、剣道は基本的に叩くか突くだ。日本刀の刃はそうでない。突きは有効かもしれない。でも、斬るとは刃を押し当ててそれを引かなければならない。だけど、それを知らないで剣道技術のまま日本刀を使えば刃を潰すだけで終わってしまう。

 ということを実地で学んだので、あたしが選択したのは両刃で幅広、なおかつ適度な重量のあるブロードソードだ。これなら、あたしの学んだ剣道技術がそのまま使えるし、なにより普及しているので安い。

 王様に魔法の武器をもらっても良かったけど、武器に依存しすぎるのも嫌だったので、安打ちの剣で十分。強くなった後にそういう武器を探そうと思ってる。

 だから、


 あたしは歪な二刀流で森を駆ける。

 樹の上から飛び降りてきた一体を右の切り上げで撃墜。左の茂みから飛び出してきた影にはソードブレイカーの刺突。目玉を貫いて後頭部に抜けて引き抜こうとしたところで刃の凹凸が骨に引っかかる。あたしはそのままソードブレイカーを手放し、また移動。

「宝物庫オープン」

 視界の端にアイテムや装備の羅列が並ぶ。

「アイテムセット1」

 そう言うだけで目の前に新しいソードブレイカーが浮かび上がるのですかさず左手で握ってウインドウを閉じる。


 宝物庫は最初から持っていたアイテムだ。あたしの魔力量に応じてアイテムをしまうことのできる便利な道具。ほとんどが消耗品の武器に埋められているけど、魔物の素材や死体すらもストレージできる優れもの。


「あー、疲れた」

 魔物の殲滅を確認してあたしは剣を鞘に戻す。

 宝物庫に入れてもいいんだけど、襲われた瞬間に応戦できないので身につけることにしている。

 とはいえ、疲れたし臭いしさっさと離れよう。二十以上のフォレストゴブリンの死体が放つ臭いはなかなかきついものがある。

 でも、思ってしまう。

 あたしは少し前まで女子高生だった。

 当然、生き物なんて殺したことがない。

 蟻や虫も殺したことないの? という人は黙っててください。

 ある程度知能を持った生物を殺した経験がある人は少ないでしょ? そういうこと。

 こんなにも沢山の命を奪ったのに、臭いから早く離れようと思ってしまう自分が少し怖かった


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ