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NPC28

 とりあえず女将に色々分けてもらった。

 サービス的な意味で銀貨二枚を渡しておいたが割に合っているか合っていないかはわからない。なんせ、冒険なんてしたことないからな。

 とはいえ、数日分の食料と、リーザの靴まで用意してもらえたのは僥倖だ。

 食料は日持ちする食材と干し肉、幾ばくかの調味料だ。

 靴は獣の皮を敷いただけの布を巻きつけるものだったが、それだけでもないよりはましだ。

 俺達は感謝を告げた上で集落を出る。

 さて、後は歩くだけだ。


「魔法は使えるのか?」

 唐突な質問だが重要だ。

 ステータスを見る限り使えそうだが、生憎と俺の村には魔法使いがいなかった。だからこそ、興味があった。

「使えますが、初級くらいですよ?」

「十分だ。見せろ」

 木々の続く街道の途中で俺達は足を止める。

「私は鱗族なので土の魔法が得意です」

 何で得意なのか想像すらつかねぇよ。こちとら、魔法すら見るのが初めてだ。

「わかりました」

 言ってリーザは目を閉じる。次の瞬間、

「アースランス!」

 叫びと同時に目の前の大地が波打ったかと思えば、槍のような突起物が虚空を射抜く。

「へぇ、掛け声さえわからなきゃ一方的に殺せそうだな」

「いえ、熟練すれば詠唱無しで発現はできるそうです」

 つまり、まだそこまで行き着いていないということか。逆に言うなら、高レベルの奴らとやりあうなら、その可能性もあると思っていた方がいいんだろうな。

「まあいい。先に進むぞ」

 歩みを再開したまま言葉を続ける。

「俺に魔法が使えると思うか?」

「無理ですね」

 即答だった。

「十夜には魔力を感じません」

「それはそれでへこむな」

 まあ、言うほど気にはしねぇけど。

「むしろ、十夜の身体能力の方が気になります」

「魔物と殺しあえ。それだけでこうなる」

 何回もやり直せればだけどな。

 誰にもお勧めできない方法だ。

 とはいえ、何度も死んでやり直せるのは何回続くのかわからない。

 シルファのクソ野郎のことだから、いきなりリミットありますとか言いかねない。

 なら、俺は今のまま強くなるしかないだろう。

 とはいえ、

「ステータスオープン」


固有名 吹雪 十夜

職業 //

レベル//

ステータス

力 /

体力/

素早/

知能/

魔力0


固有スキル

/////。輪廻(擬似)。殺意拡散。殺人意識皆無。


 色んな表記が消えた上で人でなしになったようだ。否定はしねぇけど。

 つーか、魔力ゼロだけはそのままか。

 実際、リーザに魔法を使う感覚を聞いたが、まったく理解できなかった。つまりはそういうことだ。俺には才能自体がない。まあ、それはどうでもいい。


ともあれ、明日には王都につく。それまでに色々考えておこう。


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