NPC15
ようやくヒロインの登場です。
会話は少ないですが、これから色々進んでいくと思います。
文字数が少ないのはご勘弁を。
言うまでもなく見たことのない少女だ。
なんというか見た目は可愛かった。
大きな瞳に通った鼻梁に桜色の唇。
亜麻色の髪はポニーテルにしていて活動的だった。
身長はどちらかといえば小柄。
全体的に細身だったが、レザーメイルを纏った胸元はふくよかだった気がする。
そして、ここまで考えたところで、
「どうでもいいな」
聞かれたら刺されそうな言葉だったが、どうせいないのだから関係ない。
むしろ、なんで、俺が死んでいないのに巻き戻ったのか? そちらの方が重要だ。
見ていた限りでは、あの女、紅 真白が死んだ瞬間、巻き戻った気がする。それにあの女は空から落ちてくる声を聞いたことがあると言っていた。
とすれば、あの女がシルファの言っていた主人公って奴か?
とはいえ、主人公を見つけたところで次の道が示されるわけではないのだ。
なら、俺のするべきことはなんだ?
とりあえずは、もう少し話を聞く必要がある。
シルファ自身の話を丸ごと信じることはできないが、俺が主人公ではないことは理解出来る。そもそも、俺はこの世界で生まれたし過去の記憶だってある。
あの女が言うようなニホンとかいう場所の出身ではないし召喚者とやらではない。
俺の記憶を探れば召喚者というのは、こことは違う世界から呼び出された何者からしい。
俺がなんでこんなことを知っているのかも理解の範疇外だが、そういうことだ。
「話聞くなら、またあそこに向かうしかないか」
デスサイズを取りに行ったり服を黒く染めなおすのは面倒だ。とはいえ、ある程度は必要な行為は省略してはいけないだろう。なら、面倒でもやるしかない。
そうして俺は、前回よりも時間を巻いて準備を始めることにした。
あたしは再び覚醒する。そして、この世界に召喚されたばかりの頃を思い出す。
「良くぞ来た勇者よ。我々は貴殿のことを待ちわびていた」
そんな言葉に混乱するのもつかの間。
あたしがこの世界に召喚されたのは魔王と呼ばれる存在を倒すためらしい。そして、ただの女子高生でしかない私が召喚された理由は異世界から召喚される勇者という存在は、この世界の人間よりも強靭で知識の幅が広いからというものだった。
とはいえ、あたしは幼い頃に習った剣道くらいしかとりえはなかったし、知識と言われても特別何かを知っているわけじゃなかった。
むしろ、中途半端な知識は披露したって理解されなかったし、彼等はあたしに知識を望んでいなかった。それどころか早く旅立って欲しいとせっつく始末だった。
だけど、いきなり旅に出たって何もできない。
だから、あたしは知識を求めた。
あたしの知っているという意味の知識ではなく、この世界での生き方という意味での知識だった。
この世界の常識であり、貨幣の価値であり、地球の歩き方ならぬ異世界の歩き方だ。
王都を出るまで二週間くらいかかった。本当はもっと様々なことを学びたかったけど、そうさせてはもらえなかった。
渡してもらったのは潤沢な資金と武器防具。
と言っても、あたしの筋力では重い武器と防具は装備できなかったから、身体にあったものを用意してもらった。
防具はスモールシールドとレザーでまとめてもらったし、武器はショートソード。剣道に盾はないけど、防御力の低いレザーアーマーでは刃は防げないと思ったからだ。
そして、仲間を二人連れて行くことを許された。
王国推薦の戦士を二人。
本当は女性の戦士か魔法使いを希望したかったのだけれど、男性戦士が二人でそれ以上は旅路で見つけて欲しいと言われた。魔法使いを連れて行けない理由は、この世界で思った以上に魔法使いの存在が希少だったからだ。なおかつ、旅に同行できるような高レベル魔法使いはほとんどいないという。
それから街道をしばらく歩いた。同行していた戦士達が色々説明してくれたけど、こちらの世界のことをあまり知らないあたしは生返事をすることしかできなかった。
と言っても、彼等は紳士だったし、ユーモアもあって退屈はしなかった。
だけど、知らない世界であたしは不安だったのだろう。彼らと打ち解けることはできなかった。
そして、野営した翌日、空から声が落ちてきた。




