表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
101/143

NPC101

 それは思う。

 どこまでやればいいのだろうと。

 指令は受けている。しかし、終わりが漠然としていた。

 何もかもが動かなくなったら終わり。

 しかし、何もかもが動かなくなるというのはどういうことだろう?

 生物がという意味なのか、それとも、現象のことをいっているのだろうか? 生物が動かなくなるまでだったらそれは理解出来る。全ての命を奪えばいいだけなのだから、しかし、それが現象だった場合、全てを破滅させた上で更地にするまで破壊を尽くさねばならないのだ。しかし、それはいささか非効率だ。

 とはいえ、効率的な指令までは受けていない。

 だからこそ、考えて、明確な指標が無いことに気づき途方に暮れる。

 だが、それでも、この法国という国を滅ぼした後に考えればいいかという短絡的な結論に達する。

 そして、なにより、目の前にあるのは城門だ。

 法国という国を治める王の住まう城である。

 この城門を打ち砕いて、奥にいる全てを殺し尽くせば多少は答えに近づけるのだろうとそれは思う。

 そして、それは本当に容易いことだと知っている。

 それが望めば一瞬で済むだろう。

 しかし、明確な方法論が指定されていない以上、それは行動を移せずにいた。

 逆を言うなら、明確な指令すらあれば、それは一瞬で法国を滅ぼすことができるのだ。

 それは複数の名前を持っていた。

 複数の役割を持っていた。

 それは人間でもあった。魔物でもあった。それ以外でもあった。

 全てが混ざっていた。

 だから、それは自分を理解できない。

 混じりあいすぎた自我が理解できない。

 それの名前はこういった。


 ユウ

 END

 マンティコア


 どれも正しく、間違っていて、濁っていた。


 それは人の身体を書き換えた。

 それは何もかもと同化した。

 それは捕食した。


 人の心なんてわからない。

 魔物の気持ちなんてわからない。

 物の気持ちなんてわかるわけが無い。

 だから、それは進むがままに行動した。

 巨大化する身体も、悲鳴を上げる存在も気にしない。

 自身を含めて興味がなかった。


 だから、


「それ以上進んだら殺す」


 それの前に立ちはだかる粒のような存在に疑問を抱いた。


 黒煙と果てしない瓦礫の後を進んだらとんでもないものがいた。

 つーか、幅何メートルもあるような轢殺のあとを追った時点で嫌な予感しか感じなかったが、これが結果ってもんだろう。

 わかりやすく言おう。

 俺の目の前に化け物がいる。

 身長は十メートルは越えてるだろう。幅は道以上だ。

 重さなんか想像もつかねぇよ。

 なんというかやばいな。さすがにこれは無理だわ。

 リーザに作ってもらったデスサイズでも無理だ。

 せめて、他の全員が揃えば何とかなるかもだが、俺一人じゃ無理だな。

 まあ、暴走する病とかが効けばいいんだが、こいつの巨体を冒す前に俺の体が叩き潰される。

 結果的に殺せたとしても俺が死ぬんじゃ意味がない。巻き戻るにしろ、戻る時点で意味がねぇ。俺が今行わなきゃいけないのは、今こいつを殺すことなんだから。

「つっても、ムリゲーだろ」

 見上げる時点で諦めてる。

 とはいえ、引くに引けねぇよな。

 まあ、そこまでこの国に愛着はないし、むしろやり直してもいいんだが、また、あの死を見るのが嫌なんだよ。

 だから、この化け物はここで殺す。それでいいよな?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ