089 恥じない走りを…
記録会に出場している天下茶屋駅伝部。
次の出番は遥出場の女子3000m。
その後がメインイベント…男子5000mです。。
が、その前に何かあるようで…
「じゃぁ予定よりちと早いが…
乙女モードから戦闘モードへ切り替えるか。」
「おい。それより目立つなよ。
今のお前は…女装野郎にしか見えへんぞ。」
「ほぅ…嬉しいな。。(; ・`v・´)
普段は女装野郎には見えへんと??」
「…たしかに…(-_-メ)
お世辞抜きで普段のお前はな。。」
駅伝部結成から4か月ほど経った3月末…
天下茶屋駅伝部はその初戦として
阪神地区記録会にゲスト参加している。
実力別に行われるこの大会で先陣を切った
スプリンターの能勢豊は…
男子1500mのハイレベルの5組目で三位。。
記録は4分09秒8。
これは…デビュー戦としては大健闘と言える。
だが駅伝部としての本番はこれから。
次は遥の女子3000m。
その次はワシらの男子5000m。
本来の実力よりもレベルの低い組に
入れられた連中も大変やけど…
ワシは戦闘モードに入った泉と同じ最終組。
大丈夫かなぁ。。(・_・;)
それより泉はなんとか目立つことなく
人気のない用具置き場に着いたけど…
着替えには意外に時間がかかる。
まず薄化粧を落とし…
香水を落とし…
着替え後に臭いが移らないように
重々注意する。。
その後にユニフォームに着替え、
上からジャージを羽織り…
すぐに競技に出られる準備をする。。
そして更に大変なのが…精神面。
有名選手でもある佐野泉がこの格好で
普段の自分には戻れないから。
重々に注意が必要やから。。
けどようやく着替えを終えて戻ろうとした
ところで面倒なのに会ってしまって…
「…おや。佐野主将??」
「お…おう、お前らか。(´゜д゜`)
その……久しぶりやな。。」
「…何を動揺してるんですか??」
「…動揺なんて…その。。」
…再会したのは報緑の島本と三島。
泉の中学時代の後輩であり…
ついさっき能勢と競り合った相手。
そして…泉がドレス姿で追走した相手。。
…バレてなきゃええけど。。
「佐野主将は…今から出番ですか??」
「お…おう。5000mの最終組や。
お前らの先輩とも戦うことになるで。」
「…やっぱり例の一件で…
中距離からは離れられたんですか??」
「…それもあるけどな…(´・v・`)
今は陸上部ではなく駅伝部やから…」
「…駅伝部??
そういえば主将は報緑を断られて、、
どこの高校に行かれたんです??」
「…ああ。天下茶屋にな。。」
「…天下茶屋…駅伝部??
主将が行かれるほどの強豪なんスか??」
「いや…最近できたばかり…( ^ω^;)
お前らの思うようではない無名も無名。。」
「…けど…嬉しいですね。。('ω')
だって佐野先輩は陸上を辞めたって
聞いてたのに再会できるなんて…」
「…おべっか野郎が。。(´・v・`)
まぁ色々あってしばらく陸上を離れたが…
今は本気で都大路を目指しとるで。」
ええ感じやな。(´・ω・`)
普通に仲のええ先輩後輩やないか。。
どうやらバレてはおらんようやし…
(当たり前か。。)
適当なとこで済ましが方がええんやけど、
なかなかそうもいかんようで。。
「…そういえば俺たちはさっき天下茶屋の
選手と走りましたよ。。」
「…ほう。…そうやったけな。。」
「さすがに主将のチームメートだけあって
手ごわかったですね。
なかなか潰す機会がなくてその。。」
「…お前ら…その件やけどな。。」
ついさっきまで大人しかった泉が…
修羅のような顔に変わった。
何かあったの??(・.・;)
「…お前らと走った能勢やけどな…
あいつはスプリンター。
オープンレーン自体が初体験やぞ。。」
「そ…そうなんですか??(´・。・`)」
「…ド素人相手に汚い技を使いよって…
ワシはそんな狡いことのために、
お前らに得物を仕込んだんやないど!!」
「いや…しかし…(´・ω・`)
走力では互角の相手だったから…」
「…じゃかぁしゃぁ!!(; ・`д・´)
素人相手に安易な勝ち方を晒すな!!
そうやって逃げとるから…
ワレら二軍なんとちゃうんか!!?」
「ウグ…(´・n・`)。。」
「まずは地力をつけんかい!!
今は目の前の勝ち負けに拘るな!
素人相手に苦戦しとるような三下は
自分との戦いに終始せぃや!!」
「……(´;n;`)。。」
…キツイなぁ。(・n・;)
けど…先輩としては当然かも。
だって記録と地力を伸ばすべき時期に
安易な勝ち方をしていれば、
彼らは決して強くなることはないから。
そして…それに潰される側も…
「…けど今日は…
お前らもよう頑張ったやないか。。」
「…へっ??(´;ω;`)」
「…四分一桁とは大したもんや。(^v^
これで次からは緑を着れるんやろう??」
「…まぁ。おそらくは…(・_・;)」
「…それでええんや。(;^∀^)ノ
お前らは…ちゃんとやりさえすれば、
一軍相当の才能はあるんやで。。」
「…は…はい。。(;c;)」
「頼むで二人とも。。(;'u')
佐野泉の弟子として恥じない走りを…
きっと続けてくれよな。。」
「は…はぁ。。(´・ω・`)??」
…そういう…意図もあるんやな。。
だって高校を出たら泉は、
どれだけの鍛錬を積んでもおそらく
彼らには勝てない身になるから。
そういう…選択をする予定やから。。
だから…
「…ところで佐野主将。。
天下茶屋って女子も強いんですか??」
「……いや。。(´・ω・`;)
そんなことはないけど…」
「佐野主将は俺らのレースを見てますよね。
だったらあの桜色の…
爆走女のことも知ってますよね!?」
「まぁ…(;´゜n゜`;;)
知ってるちゃぁ知ってるけど。。」
「…紹介してください。(;^∀^)
男子校ではあんな娘に会う機会なくて…」
「…●△*♂◆@…(;'∀')」
…ちょっとまて…
それは…絶対にアカン。。
けど泉はそのあたりは考えてたようで…
「…フザケなこのボケが!!(; ・`д・´)
半人前の分際で…
女のケツ追っかけとる場合か!!?」
「……ちょっと…
なぜそんなに怒っるんです??(・_・;)
だったらどうすればいいんですか??」
「…やったらせめて…(=゜д゜)ノ
ワシに勝ってみさらせや!!
そしたら…ナンボでも会わせたる!!」
「…そんな…(´・ω・`)
俺らが佐野主将に勝てるわけが…」
「…じゃかぁしゃぁ!!(=゜`0゜´)ノ
なにを甘えとるんや報緑の一軍選手が!!
ワシも手加減なんかでけへんど!!」
「……(´・ω・`)」
これが…泉の答えか。。
後輩を触発して成長を促して…
その上で突き放すことが。。
けど…
「…だったらせめてその…
彼女のこと教えてもらえません??」
「…言えるかい。。(; ・`n・´)
その…秘密の多いヤツなんや。。」
「もしかして…主将の彼女??」
「そ…それはない!!(;; ・`д・´)
そもそもワシには彼女なんて…」
「…そうですよね。(;´v`)
主将は生粋の硬派ですから。。」
「そ…そんなやない。。(´・n・`)」
「けど一つ聞かせてくださいよ。
その…彼女の好きなタイプとか。。」
「アイツは…煩いぞ。。(´・ω・`)
顔が良くてスマートで男気あって…」
「…そりゃ不可能でしょ。(;'n')
せめて一つに絞って下さいって…」
「…やったら…
自分よりも足の速い男かな。。」
「…なるほど。そう来ますか…
けどあの女メチャクチャ速いっスよ。
もしかしたら佐野主将よりも…」
「それも…絶対にない。(・.・;)」
…本音かな??(´・ω・`)
まぁこれで後輩たちが奮起すればええけど…
それでホンマに泉に勝ったらどうするの??
先輩として負けた時は…
本当にその覚悟はあるのかな??
次回こそ…女子3000mです。
(下書きできてます。)
けど顔が良くてスマートで男気のある
泉より速い男なんて…
本当に存在するのかな??




