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008 心の笑顔を忘れたか!?

駅伝部を作るで…って。。

なんなのそれ??


「え…え…駅伝部を作る!??」

『せや…都大路を目指す駅伝部をな。。』


 都大路…コイツはっきりと口にしよった。。。

 駅伝部を作るだけでも無茶苦茶やのに…


 こんなん…支離滅裂としか言いようがない。。



 …どう考えてもできるわけがないんや。。


 …陸上部が消滅したばかりの学校で…

 …満足な練習場所もなく…

 …女子生徒の比率の高い天下茶屋高校で


 走れる男子を7人も集めるって…

 しかもその目標が都大路って…


 それでも発起人に人望があればまだしも…

 …ワシは陸上部の仲間の誰とも親しくなかったし…

 …誘えるような友達もおらん。。


 …そしてそれはみなみも同じやのに…



「あのな…できるわけないやろ。。」

『なんでや?駅伝をやりたいんやろう??』


「…二年の秋からどうやって部員を集めるんや??

 誘えそうなヤツも誘える環境もないのに。」

『じゃぁ駅伝はどうするんや??』


「駅伝には…他校との選抜チームに入れてもらうよ。

 仲間が足らんのなら…そうするのが倣いや…」

『…それでええんか??』



 …よくはない。。


 一緒に汗を流した仲間と襷をつなぐからこそ…

 駅伝と言える。。


 …けどどう考えてもムリや。。

 ましてこんな不器用なワシらが発起人では…



『つまり昇は仲間が欲しいんやろう??

 一緒に苦労して、一緒に笑える仲間が。。

 それやったら…目標もって全力でやらんかい!!』


「嫌味か??だってワシは…笑われへんねんぞ!!」

『顔やない!!気持ちで笑え言うとるんや。

 あんたは顔だけやなく…心の笑顔も忘れたか!?』


「す…好き勝手いうな!!ワシが…ワシがどれだけ…」

『…ゴメン…言いすぎたな。。』



 …わかってる。その通りや。。


 …ワシは…もうずっと気持ちで笑えたこともない。

 顔だけでなく…心も錆びついたまま。。


 ならばこんな命に…救われる価値などあったのか??



 …いや、違う。。


 …自分を許してなかっただけ。

 本当は…誰よりも笑いたいのは自分なのに。。


 …自分で認めてなかっただけ。

 実はそのための努力を…ずっと避けてきたのかも…



 …確かに…どう考えても無謀やと思う。。


 …けど大切なのはできるかどうかよりも…

 やるのかどうかということ。

 それやったらむしろ目標は無茶なくらいが…


 くそ…なんか騙さてる気もするけど。。



「わかった。…やってみよ。。」

『やるってあんた…協力してくれるんか??』


「…協力やない。。ワシが駅伝部を作るんや。。

 都大路はわからんけど…やらな何も始まらんやろ…」


『…本気なんか??』

「ああ。ここでやらな…ワシは二度と笑えんやろう。。

 そしたらみさき義叔母ちゃん…

 天国で笑顔になられへんと思うから。。」


『…昇あんた…かっこええで。。』

「…ああ。やるべき時は…やらんとな。。」



 …そう。せっかく救われた命。

 せっかく開きかけた才能。

 今これを活かすかすことこそが…


 …ワシの生きる価値ということ


 そのための努力…

 今度こそ惜しんだらあかん!!


 やるべき時は…やらなあかんねや。。



 …それはそうと…

 何からやったらええんや??


 そんなことも考えられんワシは…


 やっぱり…カッコ悪いのかも。。


ホンマに…何からやったらええんやろ??


おそらくこれからはファンタジーみたいに

仲間を探すことになるんだけど…

勇者とか魔法使いは見つからないから。。


しかも駅伝はマグレで勝てる競技じゃないし…

…どうしよう??

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