075 マネジメントをできる人が欲しい
満身創痍の駅伝部。。
そこに訪ずれたのは。。
「あれぇ。随分と少ないね。。」
「あっええっと…千林さんでしたっけ。」
「そうだよ。覚えていてくれたとは光栄だね。」
「そりゃあんなことがありましたから…」
「おいおい。もう勘弁してくれよ。。」
…訪ねてきたのはスポーツ記者の千林旭さん。
数か月前に泉のケツを触るというアホな痴漢騒動を起こして、
その流れで天下茶屋駅伝部を新聞記事にしてくれた人。
【詳しくは052と053参照】
「…せやけどまたなんで急に学校に??」
「もちろん取材だよ。記事にした以上は責任があるから。
それにしても人数が少ないのでは??」
「実は他のメンバーは外に走りに行ってるんですわ。
ワシらは別メニューでして…あと休んどるのも二人いて…」
「…どういうことだい??」
…ワシと能勢は事情を説明した。
このところ故障者や脱落者が続出していること。
部員の疲れがたまっていること。
泉のチョコレートで疲労回復していること。
思うように部員数が増えないこと…などなど。。
…説明を受けると千林さん。
…然もありなんという顔で…
「…やはり苦戦しているようだね。。」
「そうなんですわ。如何したらええんでっしゃろ??」
「とにかく練習メニューは根本的に見直した方がいいだろう。
…ただでさえ部員の足りないチームだ。
故障者が続出しては、戦う以前の問題だろう??」
「せやけど練習量を減らしては…」
「それはそうだ。だから他にもいろいろ考える必要がある。
休み方とか…食事とか…体の手入れとか…」
「栄養面は泉も考えてはいますけど…」
「…それは過信しない方がいい。。
サプリメントは一時的な疲労回復にしかならないよ。」
「あと体の手入れはともかく…休み方はその…」
…たしかにそうなんや。
はっきり言ってそのあたりは無茶苦茶。。
けど問題はそれらを管理できる人間がおらんこと。
寄せ集めとはいえ陸上経験者の多いチーム。
練習方法や体調管理の知識はそれなりにある。
けど…これを監視できる人間まではいない。。
…マネージャーはおらんしコーチはド素人。
選手同士でそこまでするのはさすがに無理がある。
「それやったら千林さん。誰か紹介してもらえまへん??」
「…紹介??」
「監督というか…マネージメントをできる人ですわ。。
やっぱりワシらだけではもう…」
「…知り合いに何人かいないこともないが…
みんなプロ同然の方々だ。それなりの報酬は必要だよ。」
「けど先立つモンは…」
「やはりな。となるとボクにも心当たりは…」
…まぁそれが現実やわな。。
仲間だけで力を合わせて頑張れば夢が叶うやなんて…
わかってる。…そんな甘いお話やないって。
けどホンマに何ともならんのか??
「でも取材はさせてくれないかな。。
さっき聞いた話では七人揃ったんだろう??
ということは…少しは前進してるんじゃないの??」
「はぁ…それはそうですけど…」
…こうして取材は始まったけど…
この空気や。大した話が出るわけやないわな…
「まず…天保山くんが主将に就任したのか。。
あと副主将の赤阪くんってたしか細身でメガネの…」
「…はい。今日は病欠ですけど…」
「そしてキミが二区を予定してる能勢くんだね。
本職は短距離らしいけどスタミナはついたかい??」
「まぁ…それなりには…」
「二区はスピード区間だ。筋力もつけないとね。」
「それは…これからの課題で。。(´・_・`)」
「それで天保山くんは一区で変わらないのかな??」
「いや…ワシは三区に変更になる予定で…」
「じゃぁ花の一区は誰に任せるの??」
「あっ。戻ってきましたわ。」
外に走りに行ってた部員たちが戻ってきた。
けど戻ってきたのは…泉一人。
今日はあまりペースが上がらなかったらしいんで
泉だけがラストでスピードを上げたらしい。
「おぉ佐野くん。久しぶりだね。。」
『おや??アサヒはんやないですか??(^◇^)ゞ』
「…アサヒじゃない!!ボクは千林旭だ!!」
『相変わらず誤報とか捏造とかしとるんですか??』
「するか!!だからボクはアサヒじゃない!!<`~´>」
『はは…冗談ですがな…(´^v^`;)』
…おいおい。冗談になってないど。。
そりゃ泉が千林さんにええ感情を持てんのはわかるが、
誤報や捏造はさすがに酷いやろ。。
ただでさえこの人…名前で損をしてるいうのに。。
「それよりまさか佐野くんが一区を走るのかい??
中距離選手が最長区間を??」
『…ちゃいますよ。ウチは四区の予定です。』
「じゃぁ…他に一区を任せられるエースがいるの??」
『あっ。戻ってきましたわ。。』
…戻ってきたのは…女の子??
まさかこの子を一区で起用するわけないし…
いや、そのすぐ後ろにいるのは…
う…ウソでしょ!??
「な…なんで…なんで放出くんがここに???」
スポーツ記者も知らなかった放出の転校。
これからどうなるのか。。
後ちなみに何度も繰り返しになりますが…
この小説は実在する組織団体等には一切関係ございません。




