067 副主将の適任者かも
天保山昇が主将に就任しました。
となると次に決めるべきは…
「よぉぉし!!行くぞぉ!!」
「おいおい。張り切りすぎやで主将さん。」
「…それはそうと昼メシはどうやったんや??
ワシがおらんとこで何を話してた??」
『部長さんの悪口ぃ。(^O^)/』
「こら泉!!アホなOLみたいなこと言うな!!
それにワシは主将。部長やないぞ。」
『はぁい。わかりました社長。(^v^)/』
「…なんで出世しとんねん…」
…その…今日の昼休みにいろいろあって…
ワシは駅伝部の主将になった。
それで普段と違って…緊張しとるんや。。
…あと緊張する理由がもう一つある。
今日の練習から、あの放出京喬が参加する。
ワシらの世代最強の実力者が…
仲間になったんやけど…
「あのさ…天保山主将。」
「な…なんでしょうか放出くん…」
「いや…俺はまだ普通の練習はムリなんだ。
だから当面は別メニューにしたいんだけど。。」
「も…もちろんかまいませんけど…」
…あらためて緊張する。。
ぶっちゃけワシは中学時代…この選手に憧れてた。
…しかも男から見ても文句なしの二枚目。。
そんな放出京喬がワシのこと<天保山主将>って…
…やっぱり…緊張する!!
「あとさ。もう一つ注文していいかな??」
「な…なんでしょうか??」
「いい加減、くん付けは止めてくれないか??
主将なんだから。新入りに気を使わないでくれよ。」
「はい…じゃあ…そうします。。」
「あと敬語も…」
「……じゃぁワシからも…注文しても…」
「…いいよ。。何??」
「その…ワシのことも主将はいらんから…」
「…わかったよ。ヨロシクな天保山。。」
「こ…こちらこそ。…放出……」
……やっぱり緊張するぅ!!!(;O;)
ただでさえ新主将ってことで普段と違うのに…
こりゃしばらく大変そうやな。。
そんなわけで練習はなんとか済ませたけど…
晩になってワシは熱を出してしもうた。。
…知恵熱やって…(-_-;)
…正確にはストレス性高体温とからしいけど…
…高校生にもなって子供すぎるて。、、
とはいえ体調不良には勝てんってわけで…
翌日ワシは学校を休んでしもた。。
けどそんな日に限って…問題があるらしくて…
「おおい。ちょっといいか??」
…顧問の中津先生が珍しく練習に顔を見せた。。
そりゃ見に来てくれるのは有難いけど…
どうも厄介事をもってきたって雰囲気らしく…
「駅伝部の部長って誰だっけ??」
「部長??主将なら天保山ですけど。。」
「…まぁ主将でもいいか。それで天保山は??」
「休みです。…っていうか中津先生は担任でしょ??」
「…そう言えば熱がある言うてたな…
じゃぁ副主将は誰なんだ?いるんだろう??」
…そんなんおらん。。
主将さえ昨日決まったばっかりやのに…
それにどう考えても面倒臭いことになりそうや。
当然だれも名乗り出ないわけで…
そうなると…醜い譲り合いが始まるわけで…
「そりゃ副主将は…言い出しっぺの難波かな??」
『…けど…ウチは選手やないで。
昨日も言うたけど副主将は選手やないと…』
「じゃぁやっぱりリーダー格の泉かな??」
『…けど…ウチは女子やで。。
こういうのはやっぱ男を立てなあかんかなって…』
「お前…どんだけ都合のエエ存在やねん。。」
「じゃあ一番の実力者の放出かな??」
「…おいおい…俺は昨日入部したばかりだぞ。。
それに言い出しっぺが主将なんだ。
なら副主将は最初の仲間ってことじゃない??」
「…最初の仲間??」
「…ってことは…」
『赤阪が副主将でええと思う人、手ぇ上げて!!』
「(一同)はぁい。。(;^O^)/」
「ええっ!…やっぱりボクなのぉ!??(´;ω;`)」
…あらら。。
結局、貧乏くじを引かされたのは赤阪やったか…
アホな部活ならイジメを疑われるけど…
…でも…これはただの貧乏クジやない。。
だって全員が納得してるから。。
赤阪の真面目さはちゃんと認められてるんや。
人望も人格もない男には副主将を任せられへんよ。
けど…
「じゃぁ赤阪副主将。ちょっと校長室に来てくれ。」
「はぁ…」
「いいから。私も一緒に謝ってやるから。。」
「はぁ…謝るって??」
…後で聞いた話やけど…
問題になったのは昨日みんなが外食したことやって。
昼休みの時間ならともかく…
午後の授業をサボって外に出たってこともあって…
さすがに校長も放ってはおけんかったらしい。
…ただ…何で赤阪やねん??
コイツこの中では唯一、外食に参加してないんや。
…なのに一人で責任取らされて…
アホみたいに長い校長の説教を聞かされた。。
…なのに赤阪…
無用な言い訳は一切せず…
部を代表してきちんと謝罪したらしい。
赤阪千早…ホンマこいつは副主将の適任者かもな。
いや、ワシより主将に適任かも…
スマンな赤阪副主将…
本来は主将であるワシがするべき仕事を…
この埋め合わせは必ずするよ。。
けどワシも金欠やから…
…吉乃家でいい??
キャラ設定はしっかりしてたつもりなのに…
随分とみんな成長しちゃったな。。
連載開始当時は赤阪副主将なんて
考えてもなかったのに。。




