061 桁違いの大物が来てしもうた
転校生の放出京喬。。
なぜか初日から泉と大ゲンカです。
「…せやからこいつは泉北の黒豹で…(; ・`д・´)」
「それがケンカの理由になるか!?
っていうか泉…さっきから完全に男になってるぞ!!」
『あっ…そうやった。。(・。・;)』
「…たく。お前だって一応は女子高生だろ。。
…少しはおしとやかにしてろよな。」
『……スマン…つい昔の調子で…(´^-^`;)』
…泉は…ちょっとだけ落ち着いたみたい。。
けど高校ではずっと女生徒として振る舞ってた泉が、
このところ頻繁に男っ戻ってるみたい。。
さすがに今回はクラスメートも見る目も変わって…
泉もかなり気まずかったみたい。。
…となるともう一人の方は…
「あの…たしか放出くんだよな。。」
「…そうだけどキミは??」
「隣のクラスの能勢豊だ。…泉とは同じ駅伝部の…」
「えっ…駅伝部!?そんなモノがあったの??」
「…だからその…泉はキミを勧誘したんじゃない??」
「…駅伝部ってそんな…
せっかく陸上部のない学校を見つけたというのに…」
「あのさ放出くん…どうかしたの??」
…そう言うと放出は下を向いて…
ひどく哀しげで…悔しそうな表情になってしもた。。
…こんな表情の男とケンカはでけん。。
それでなんとか二人とも矛を収めたんやけど…
このままではまたケンカになるかもしれんので…
勧誘は昼休みに部室全員で行うことにして…
それまで泉は個人的には勧誘しないことにしたけど…
「…なぁ泉。。それでええか??」
『…ウチはええよ。昼休みに洗い浚い聞くから…』
「…放出くんもそれでいいかな??」
「わかったよ能勢くん。…ただ頼みがある。。」
「…頼み??」
「昼までに佐野のこと…洗い浚い教えてくれ。。
だってかつての宿敵のこんな姿を見せられたら…
冷静に受け答えなんてムリだから。。」
「…なぁ泉…それでええか??」
『ウチはええよ。昼休みに倍にして返すから…』
「…何か知らんけど…程々にしてくれよな…(^^;)」
…というわけで昼休み…
駅伝部全員が部室に集合した。
ただ一年生は校外授業だったらしく
遥だけは遅れてくるらしい。。
そして少し遅れてあの超大物が部室に…
ワシは…緊張してしもて…
「は…はじめまして…天保山です…(´゜д゜`)」
「放出です。っていうかキミ…声が裏返ってない。。」
「だって…放出くんは有名人やから。。。」
『…おい天保山。あんた…(`・ω・´)
ウチの時とえらい態度が違うんやないか??』
「だって放出くんは…凄い選手やから…」
『ちっ…なんや気ぃ悪いな。。』
…紹介してもらうまでもない。
【泉北の黒豹】こと金岡百舌中学の放出京喬。
文句なしに大阪府世代№1の長距離選手。。
ちなみに中距離№1やった泉とはライバル関係。
…比べられれば泉…気ぃ悪いかもな。。
けど駅伝競技における彼は泉以上の逸材。。
桁違いの大物なんや。。
しかも駅伝名門高・播州工業のエースランナーで…
ってあれれ??(゜∀゜)
…なんで播工のエースがこの学校に??
『…なぁ放出。やっぱり原因は…あの件か??』
「…ああ。。それ以外にないだろう。。
というか佐野…どこからそんな高い声出してる??」
『…そんなん…今はどうでもええやろ。。(-_-;)』
「…だな。どうやら大事な話になりそうだからな。。」
「泉??何か知っとるんか??」
『何や天保山。あんた…まさか知らんのか??』
…知らん。というか他のみんなも知らん。。
けど誰も知らんのが泉と放出には意外やったらしい。
実は…それくらい有名な事件やったとか…
『…たしか天保山には言うたな。去年の駅伝で播工は…』
「ああ。県予選で報緑に負けたって聞いたけど…」
『…それはウソやないが…正確でもない。。』
「えっ??でも本戦には報緑が…」
『…播工は…負けたんやない。。
…三区が膝の棚落ちを起こして…
…棄権しよったんや。。』
「…じゃぁまさか…その三区って…」
『…ああ。。この放出は播工の襷を…
全国三連覇の夢を途切れさせた張本人や!!』
「なっ…(´゜д゜`)」
…な…なんちゅうこっちゃ……
この駅伝部はみんな何かしら曰くつきの連中やけど…
そんな連中の事情を全部受け入れてきたけど…
これは別の意味でも…
…桁違いの大物が来てしもうたがな。。
桁違いの大物…放出。
けど駅伝を棄権したことで
転校なんてあるのかな??




