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050 西風のアンカーは俺だ

作者はまだ正月気分ですが…


このお話は12月31日。

勝運祈願に初詣に来ています。


「で…とりあえず佐野の事情は分かったけど…

 …駅伝部を作って都大路って本気で言うとるんか??」

『天馬。…ウチらは本気も本気やで。』


「けどみなみ。まだ頭数も足りてないんやろう??」

『…これからやからな。必ず集めたるよ。。』

「…まあええわ。お前は言い出したら聞かんヤツやから…」



 そりゃ…普通に考えればそうやわな。。


 …頭数さえ足りてない駅伝部。

 全国レベルの西風にしかぜ高校に挑戦するなんて無謀も無謀。


 …けど都大路出場という大目標を掲げた以上…

 西風を避けて通ることはありえない。

 まして駅伝という奇策の通じない競技にあっては…


 …正体を見せること自体に不都合はない。。



「…たしかに佐野と昇がおれば面白いとは思う。

 けどなみなみ。こいつらと同等の選手が7人そろって、

 ようやく狙えるのが都大路なんやぞ。。」

『…分かってる。せやから集める。鍛えあげる。

 秋までにきっと…戦える選手を7人並べるって。』


「…そこまで言うなら受けてやるよ。。

 天下茶屋の挑戦状…西風陸上部の主将として…」

『なっ??天馬…あんた主将やったん??』



「ああ。でも今年も都大路には西風が行かせてもらう。

 …都大路に忘れモンをしてもうたから…

 昨年以上の力をつけて…絶対に取り戻すからな!!」

『それって…8位入賞のこと??』


「…せやからこの場で宣言しておく。

 俺は今年は専門を800mから1500mに移行する。

 そして…駅伝練習にも軸足を置く。。」

『…先週の雪辱…晴らすつもりか??』


「ああ。そして今年の七区…西風のアンカーは俺や。

 中距離の全国レベルがスパート勝負を志願する。。

 アンカー勝負なら…絶対に負けへんからな!!」



 …あの扇町天馬が西風の主将…

 …都大路で区間賞を取った実力者が…


 …そして今年は七区・アンカーとして立ちはだかる。。

 …あらためて強敵が現れてしもうたがな。



 …それにしても大した胆力やで。


 西風は先週、都大路でアンカー勝負に敗れたばかり。

 駅伝競技のアンカー勝負で敗れるほど哀しい役回りは、

 他の競技と比べてもそうあるモノではないのに…


 野球やサッカーしか知らんモンには想像さえ

 つかん責任を負うことになるのに……


 …なのにあんな幕切れを目の前で体験していながら

 自らその役を引き受けると宣言するなんて。


 しかもアンカー勝負というのは…

 ワシらにとっての唯一の可能性やと言うのに。。



『なんや…やったらウチの相手は扇町かいな。。』

「…なるほど。そっちは佐野がアンカーか。

 そりゃ楽しみが増えたかもな。。」


『…覚悟しいや。ゴール前で競り合う展開になったら、

 あんたではウチに勝ち目はないで。』

「そうかな??自慢するわけではないが…

 俺はインターハイの800mで決勝まで行った男やで。」


『えっ??』

「1500では…昨日の練習では3分40秒を記録した。。

 …今や俺にスプリントで勝てるんは、

 全国を見渡してもそうはおらんはずや。。」


『…ウソやろ??3分40秒って……』

「はは佐野よ。どうやら今では相手の背中ばかり見て…

 まともに顔を見れん立場はお前の方みたいやな。」

『…ぐ…うっ…』



 …ぐうの音も出ない。。


 …西風は昨年以上の体制で都大路に臨むつもりや。

 そしてウチの唯一の優位であったはずのアンカーの泉が

 スプリント勝負で相手アンカーより劣るって…


 これでは西風に勝てる可能性は…

 それどころかオーダー変更さえ検討せなあかんかも…



 まったく…せっかく旧友にも会えたというのに…

 正月早々暗い気分になりそうや。




あっという間の連載50回。。

ちょっとペースが速すぎたかな。。


そろそろ落ち着こうと思います。

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