004 負けたら最後…なのに。。
高校駅伝の地方予選開始です。。
ちなみに実際には大阪府に地方大会はなく、
いきなり府大会だそうですが…
そこはフィクションということで。。(/^ω^)/
…なんやかんやで二日が過ぎ…
特に何もできんまま今日は…
<高校駅伝大阪府中央地区予選>の当日や。。
この大会での天下茶屋高校の目標は6位入賞。。
入賞すれば二週間後の府大会に進出できる。
進み続けるうちは…天下茶屋陸上部は存続できる。。
そして府大会で優勝すれば年末恒例の一大スポーツイベント
全国高校駅伝…通称<都大路>に出場できる。。
って…これはさすがにムリやろうな。。(+_+)
…ちなみに地区予選の参加校は28校。
つまり…22校は今日を以て今年度を終える。。
そしてこの大会を最後に競技人生を終える選手も多い。
普段は孤独な陸上選手が仲間と苦楽を共にする貴重な機会…
我々天下茶屋の選手たちはもちろん…
多くの陸上競技者にとって最後のレースなんや。。
「では…行ってくるからな。。」
「キャプテン!!頑張ってください!!」
「天保山…悪いが…顔を近づけないでくれ。。」
「…なんかすんまへん。。(´・_・`)」
…10月23日(土)
ワシの気持ちとは裏腹に…快晴。。
スタートまであと1分…
選抜チームを含め30名の選手がスタートラインに並ぶ。
…否が応でも緊張が走る。
特に今大会が最後の天下茶屋高校にとっては尚更。。
その昔…一時は都大路を狙う力もあった陸上部は…
今は地区大会での入賞さえ厳しいとされている。。
そして…入賞できなければその瞬間…
【天下茶屋高校陸上部】は…消滅する。。
<パン!>
…号砲一発。。
…30人の走者が一斉にスタート。
窮屈な競り合いの中…キャプテンはいい位置をとった。
キャプテンはチームで唯一、ワシと同等の記録を持つ選手。
とはいえそのベストタイムは5000mで・・・16分11秒…
…残念だが…このタイムでは一区は厳しい。。
だって高校男子で16分台は…地方大会でも平凡やから。。
府大会を狙うのなら…15分台の選手が何人かは欲しい。
全国大会を狙うのなら…14分台の選手を並べないといけない。
さらに全国には高校生でも…13分台の選手が何十人もいる。
そして世界の頂点は今や…12分台が当たり前。。
…それでもキャプテンは健闘して、
一区10キロを7位で走りきって二区に襷をつないだ。
もっともトップとは3分近くも開いてはいるが…
…でも…ここから順位は上がっていかない。。
なぜならどのチームも、力のある選手の並べ方はほぼ同じ。
一区の力が同じなら、他の区間の力量もほぼ同じ。
つまり一区が健闘したとは…
そういうことや。。
…二区で一人抜かれ…
…三区では二人抜かれ…
徐々に順調なまでに下がり続け…
7位だった順位は終盤には…12位にまで落ちた。。
「キャプテン…このままでは…」
「諦めるなよ天保山。お前が全部ぶち抜くんだろう??」
「そんな無茶な。。ワシも…16分台でっせ…」
…こうして…先頭から10分以上も遅れてアンカーに…
ワシに襷が渡った。。
…直前でさらに順位が下がり現在…13位。。
…諦めない。…諦めたくはない。。
ここで負けたら陸上部は消滅するというのに…
…けど入賞なんて…本当に可能なの??
あとたった5キロしかないのに…
7人もぶち抜けって…
…正気で言ってるの??
ちなみに自慢ですが…
筆者は駅伝で11人を抜いたことがあります。。
…でもそれは序盤の二区だったからできたこと…
レース終盤の七区では…絶対ムリです。。