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046 ウチに任しときぃな(^^

駅伝部は目標を決めてます。

『次は三区…浜寺やな。』

「…お手柔らかにお願いします…(´^д^`;)」


『とりあえずアンタは痩せな話にならんな。』

「…いきなりやなぁ…(´・ω・;`)」



 三区を予定される浜寺高師は…


 水泳選手で筋肉質なマッチョマン。

 体力抜群のタフガイやけど…


 長距離選手としては筋肉が付きすぎなんが

 当面の問題なんやな。。



『なぁ天保山。浜寺の体格ってどんなもんなん??』

「たしか174センチの72キロ…」

『ええなぁ。。理想的なマッチョやんかぁ…』

「だから泉…変な気ぃ起こすな言うてるやろ!!」


『大丈夫。…それは大丈夫やけど…

 さすがにその体躯で長距離は大丈夫やないな。。』

「ああ。せやから減量することには合意した。

 最終的には65キロを目標に。な、浜寺。」


「…だからやってるよ。。

 ちょっと減って…もうすぐ70キロを切るで。」

『…けど二キロくらいは減量とは言えんやろう。

 それにあんだけ食うたら元通りとちゃうんか??』

「……たしかにな…」



 …どうも減量は上手くいっていないみたい。

 でも原因をいろいろ探っていくと…


 …浜寺の家は共働きで夕飯はいつも…

 母親が買って帰るスーパーの値引き品が中心らしい。

 それで毎日コロッケとか唐揚とか串カツとか…

 とにかく栄養バランスが悪いんや。


 なのに浜寺は不器用で料理ができないうえに…

 揚げ物とか惣菜が大好きで…

 その食生活に慣れすぎてしまったみたいなんや。。


 …何とかこの問題を解決せなあかんねやけど…



『よし。それやったら浜寺はうちにおいで。

 毎晩ここで夕飯を食うて行ったらええやろ??

 それで食生活はかなり改善されるはずや。』


「…けどええんか??…あと金は??」

『もちろんタダ…というか部費から出したる!!

 店自慢の栄養満点の野菜炒めが中心や。

 油は低カロリーのに変えるけど、味は保証するで。』


「鉄板焼き難波の野菜炒め…美味うまそうやないか。」

『…ええやろ。お義父ちゃん??』


「ええけど…その時間は店で手一杯やで。

 毎日のように別メニューというのは厳しいな。。」

『よし。それやったらウチが作る!!』


「難波が??オヤジさんと同じ味が出せる??」

『…できるわ!!それと目標は65キロやないど。。

 ウチがやる以上は…60キロに絞ったる!!』


「…お前…別の意味で痩せさせる気やないよな…」

『アホ言うな!!絶対に…美味いって言わせたる!!』


 

 …何か目的が変わってるような…


 けどたしかに一昔前は言われていたらしい。。

 マラソン選手の理想体重は60キロやと。


 事実、当時の一流選手の多くは60キロ前後やった。

 現代ではもう少し軽い選手の方が多いけど…

 …浜寺をそれ以上に痩せさすのは無茶やからな。。


 けど、この骨太のマッチョをそこまで絞れるか??

 それに体力が落ちたら本末転倒やし。。


 …あと泉。そんなに残念そうな顔をするな。

 たしかに惜しいけど…指をしゃぶるクセはやめろ。。



「けど天保山…それで俺はどれくらい速くなれる??」

「ええっと…72キロから60キロに絞るんやろ?

 と言うことは体重が5/6(六分の五)になるんやな。」

「…そうか。そんなに減るんか。。」


「今は5キロが18分丁度やから…

 18分の5/6ということは…5キロ15分やな。」

「は…はぁぁ!??」

「だって運動量が同じなら…

 速さは…タイムは重さに比例するやろ??」



 …いける。。


 なんか知らんけどうまい数字が出てきたもんや。

 泉とみなみ、能勢はメチャクチャ納得しとる。けど…


「あのな…運動エネルギーで速さは二乗に比例やぞ。」

「えっ??」


「天保山の理屈なら浜寺は…

 50キロに痩せないと5キロ15分は出せないよ。」

「えっ赤阪…そうなの??」



 …そうや。

 ≪運動エネルギー=速さの二乗×重さ≫やった…

 こんなん物理の基礎中の基礎やん。。。


 …同じ運動量でタイムを5/6にするにはその二乗…

 つまり体重を25/36(36分の25)にせなあかんから…


 25/36を72キロにかけたら…50キロってことか。


 まったく…赤阪も浜寺も典型的な理系人間やな…

 …てっワシも理系やった…恥ずかし。。。



「…まぁでもええよ。5キロ15分が目標で…」

「な…なんやて??完全に間違った理屈やぞ!?」


「せやけど…俺が納得したからな。。

 泉の言う通り、デタラメでも納得できる理屈なら、

 あり得へん可能性が生まれるんやろう??」

「…感覚的やな。浜寺はホンマに理系人間か??」


「おいおい。あんな間違いした天保山が言うか??」

「……たしかに…」


「…あと赤阪は計算の解説はせんといてな。

 こっちの三人さん、分かってないみたいやから。」

「…そやね。やめといた方がいいみたい。。」



 …みなみに泉に能勢。…分かってないみたい。


 ただ何があったんかは理解してへんけど…

 浜寺が高い目標を持つことだけは分かったようで…


 それ以上の理屈は必要ないみたい。。

 まったく…こいつら典型的な文系人間やな…



「よし。目標は決まった。頑張るぞ!!」

『…せやな。じゃぁ浜寺は明日から走り込みやな。』


「あと難波には世話になるで。わかってるよな。」

『わかってる。ウチに任しときぃや。

 浜寺あんたを…50キロにまで絞ったるからな。』

「…おいおい…(/・ω・)/」



 みなみ…やっぱりお前わかってへんやろ。。


 そこまで絞ったら浜寺…ホンマに死んでまうぞ。。



駅伝選手に減量は必須。。

けど…痩せすぎは大問題です。。

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