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003 陸上部は解散だ

いきなりですが…

陸上部は解散します。。



「ちょっとキャプテン!ホンマでっか!?」

「うわっ!天保山。。。

 すまんが…ちょっと顔を離してくれ…」

「あの…すんまへん。。」



 …強面のワシは…いつもこんなの調子。。


 だから仲間とのコミュニケーションも取りづらい。

 …っというか…とりたくなくなるんや。。


 とはいえ情報弱者にも程ってモノがあるやろ。。

 陸上部員が陸上部の解散を…


 …その三日前まで気付いてないやなんて。。



「…本当だよ。。この駅伝を最後に陸上部は解散。

 だから長距離以外の部員はみんないなくなっただろ。」

「そう言うたら…最近えらい静かやなぁって…」


「…気づいてなかったのか。…それはそれで凄いよ。。」

「しかしなんで?なんで突然解散でっか??」



 実は…突然ではなかったらしい。。

 というか…みんな半年以上も前から知ってたって。。



 ワシらの通う私立・天下茶屋高校は…経営難らしい。


 …とはいえ大阪市内に広い土地を抱えてたから…

 …学校の敷地を切り売りすることで…


 …なんとか経営を維持してたらしい。



 そのせいで近年、野球場・テニスコート・プール…

 その他諸々の施設が学校から消えた。。


 そして今回ついに…陸上部の専用グラウンドまで…


 …伝統あるグラウンドは今年度末で売却され…

 来年の夏頃に取り壊されるらしい。


 だから陸上部は今年の春は新入部員を受け入れず…

 既存の部員も次々と転校したり辞めたりで…


 今は…長距離選手10人ほどが残るだけなんや。。



「そういうことだ。だからこの駅伝で解散だ。。」

「…でもキャプテン。もし勝ち残ったら??」


「ああ。そこまでは解散は延長される。。

 だからこそ…6位入賞と府大会進出を目指すんだ。」

「けど…府大会はその二週間後では??」


「…そうだな。。最長でもそこで解散だな。。」

「…でも…府大会でも勝ったら??」


「はぁ??そこで勝ったら次は…都大路だぞ。。

 大阪は、西風にしかぜ高校をはじめ強豪だらけなのに…」

「たしかに…ムリでしょうけど……」



 …たしかに…大阪府大会のレベルは高い。。


 西風にしかぜ高校陸上部は全国でも上位を狙える強豪。

 他にも逢阪(おうさか)問大北場もんだいほくじょう銅蔭どういん興玉こうぎょくなど…


 …ワシらでは及びもつかん強豪高だらけ。。



「…ど…どうにかならなんのですか??」

「ならぬものはならんのです!!」

「…ならんのでっか??…」


「…でも天保山…お前の気持ちは分かったよ。。

 けどお前は今回の駅伝ではアンカーを任されてるんだ。

 いざとなればお前が…前を全員ぶち抜いたらいいだろう。。」


「えっ??ワシ…アンカーなんでっか??」

「い…今頃になって聞くか???」


「いや…わしが一番記録がええからてっきり一区かと…」

「おいおい。駅伝はタスキをつなぐ競技だぞ。。

 いくら速くてもメンバーからの信頼がなければ一区は…」

「…そう…でっか。。」



 …信頼のない者に花の一区は任せられない。。

 その言葉が…重くのしかかる。


 こんなことなら…もっと心を開いていれば…


 …ワシは…ただ走りたいだけやのに…

 …ワシには…走ることしかでけへんのに…


 後悔しても仕方のないことばかりが頭をよぎる。。


 最後の大会はもう明後日というのに…

 つまりあと三日で…最長でもあと二週間で…



 …ワシの陸上人生は終わるというのに。。




おいおい。。

主人公の陸上人生が終わっちゃったら

お話が終わっちゃうでしょうが…


まぁどうなるかは粗筋に書いちゃったからな。。

とりあえず続きは次回以降と言うことで…

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