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034 駅伝部はできたけど…

順当ならば今日…駅伝部が誕生します。。


 さて…みんな苦しんだ二学期の期末試験も終わって…

 そろそろ年末。12月もなかば。

 みんなそれなりに忙しい時期ではあるけど…


 駅伝部の創設の件は…けっこう話が進んどるんや。


 担任の中津先生が名ばかりとはいえ顧問になってくれて…

 陸上部の用具も引き継げることで話がついた。。

 そしてついに校長にも話がつき…

 みなみが駅伝部の申請書類を持ち込むことになった。


 つまり今日…駅伝部が正式に誕生する。。


 浜寺の指導を担当してるワシにも気合が入るってもんや。

 そして能勢と赤阪を指導担当してる泉にも…



『どうや天保山。浜寺の具合は??』

「ああ。順調やで泉。こいつホンマにタフで…

 この短期間でここまで走れるようになるとはな。。」


『…たしかにスタミナはあるな。

 これなら浜寺には長い区間を任せられるかも。』

「…とはいえ素人やからな。それに筋肉がつきすぎや。

 減量することには合意してるんやけど…」


『惜しいな。…ウチの理想のマッチョ体型やのに…』

「泉…指をくわえて何を言うとんねん…」



 …たしかにちょっと惜しいけど…

 浜寺は戦力としてめどが立ってきたんや。


 となると…


「それはそうと泉。能勢と赤阪はどうや??」

『ああ。この二人も何とかなりそうや。』

「戦力として使えるってことやな??」


『ただ…ちょっと問題があってな…』

「問題??二人ともか??」



 …まず…能勢は元々が短距離走者や。


 スタミナはついてきたけど筋持久力が弱い。

 つまり速筋はあるけど遅筋がないんや。

 これをどうするかやけど…


『能勢は…遅筋の割合が極端に低いようやな。』

「…極端って、そんなに??」


『…長距離走者としては致命的なくらいや。

 持ち前のスピードを生かして誤魔化すにしても…

 最短区間の3キロでさえ厳しいと思う。。』

「やはり…3キロ限定か…。」



 …仕方ない。

 能勢は元々3キロ限定の約束やからな。


 それでは赤阪はどうかというと…


『実は…赤阪も同じ問題でな…』

「はぁ??じゃあ赤阪まで3キロ限定ってか!?

 せやけど赤阪は…長距離走者やぞ!?」



 泉曰く…

 赤阪も遅筋が不足しているらしい。

 つまり本人が気づいてなかっただけで…


 元々が長距離向きの体質でないらしいんや。。



 他の競技で通用せず陸上に活路を求めたけど…

 赤阪は筋力そのものが不足してたから…


 スプリンターではまったく通用せず…

 投擲や跳躍はそれ以上にダメで…

 消去法で長距離走を選ぶしかなかった。。


 でも元々が不向きなために…

 普通の長距離の練習はあってなかったから…


 伸び悩んでいたってことらしい。。



『…せやから赤阪は何を置いても筋力アップや。

 スピードは伸びてきとるからな。』

「…そうやな。それにスタミナは結構あるから。。」


『それでも長い区間への適性はないから…』

「つまりそれで…赤阪も3キロ区間ってことか。」



 …これはマズイな。。


 二つしかない最短区間をこの二人にあてがうとなると…

 これから募集する部員には長い区間を任せなあかん。

 …もちろんそれ相応の力量も必要になる。


 やっぱり…新入生に期待するしかないようや。


 そのためにも正式に部とするのは必須。。

 近所の中学を回ってスカウトして…

 なんとか最低あと二人…


 力のある新入生を引き入れるしかないってこと。。

 


 …そんな中…申請に行っていたみなみが戻ってきた。

 けどその表情は…ものすごく暗い。



「どうしたみなみ??まさか…あかんかったんか!?」

『いや…駅伝部は承認してもらえた…』


「やったら何やねん、その暗い顔は!??」

『駅伝部はできたけど…もう…もう無理かもしれん。。』



 …みなみは今にも泣き出しそうや。。

 これまで信じられへん無謀を何度も通してきたみなみが…


 駅伝部ができて確実に前進してるというのに…

 いったい何があったというんや??



 もう無理って…何が後退したというんや??




何もない不毛の地から駅伝部を立ち上げたのに…

何があればここまで落ち込めるんや??

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