028 おもろいことになってきた。。
中盤2.5キロ過ぎ。。
ペースは予定調和のように…
大幅に上がります。。
レース半分。2.5キロの折り返しを過ぎたところで
泉が一歩…いや、二歩前に出た。。
…経験のないペースやけど…これはわかる。。
…1キロ3分ジャストのペース。
…ワシには限界以上のハイスピードや。。
だってワシのベストタイムは16分08秒。
さっきまでのスローペースが…実は普通なんや。
けど一か月前、突然のランナーズハイに襲われて…
自分でも信じられへん非公認の好記録を出して…
それが実力と誤解してたんやけど…
…ほんまの実力はこの程度。。
それでも頑張ってついていくしかない。
そしたらまた…未知の世界に行けるかもしれん。
それ以外に…勝つ方法はないんやから。。
『ついて来たか…ならばもうちょっと…』
「ま…マジっすか???(;o;)」
…泉はさらにペースを上げる。
これは…明らかに1キロ3分を上回るハイペース。
長距離走では1キロ3分ペースは一つの基準。。
高校レベルでは5キロを15分で実力者やけど…
今のペースは…それを大幅に上回ってる。。
…苦しい。。
息が切れる…体が重くて仕方がない。。
ワシのスピードメーターは完全に振りキレとる。
でもこれは…先日に味わった感覚と同じ。。
…じゃぁランナーズハイに入るんか??
…入れれば…このペースにもついていけるかも…
そんな中、ワシらは赤阪とすれ違った。
赤阪のヤツ…歯を食い縛って頑張ってる。。
その赤阪に…能勢が必死で食らいついている。
長距離経験のない能勢は自分でペースを作れない。
赤阪をペースメーカーにしてるんやけど…
…まだその実力差は明らかやのに…
このままでは潰れるかもしれんのに…
こいつらのためにも…ワシは負けられん。
佐野泉を仲間に引き入れる必要があるんや。。
…そのためにはあの未知の感覚が…
…来た…空回りするような…軽い感覚…
…疲れが…重さが…フワフワとした感じに変わる。
…視界は開けて…でもボヤケてはいない。
…前回よりは余裕がありそうや。。
…走りが変わったのが自分でもわかる。
…さっきまではついていくのがやっとやったのに…
…今はむしろ…さらに前にという勢い!!
『来たな…おもろいことになってきた…(;^〆^)』
泉のペースは…変わらない。。
おそらくこれが泉にも精一杯のスピードやろう。。
…なのにワシは離れない。
そのまま並走して最後の折り返しを終えた。
残りは…1.25キロ。。
…風は相変わらず弱い向かい風…
泉はさっき同様、ワシの後ろについて風除けに使う。
おそらく…ラスト勝負にもち込むつもりやろう…
対するワシは…ラスト勝負は避けたい。。
だって泉は800mの中学大阪府大会優勝者。
スプリント勝負になれば勝ち目はないんやから。。
となると…そこまでに引き離すしかないんやけど…
これが簡単やないんや。
真後ろについた相手を引き離す高等な駆け引き…
ワシはそんな器用な方法は知らんのや。。
だってワシは…不器用ですから。。
走力が拮抗する場合、
真後ろの相手を引き離すのは
本当に難しいんです。。




