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027 行くで…ついて来ぃや。。

泉とみなみの命懸けの勝負が終わったと思ったら…

こんどは泉と駅伝部員たちの勝負です。


…って…何をかけるの???


 その日の放課後…


 ワシらはいつもの河原のランニングコースに集合した。

 ギャラリーも結構集まっとる。。


 …ていうか西中島!!

 お前なんで予備校をサボっとんねん!?

 現役で歯科大へ行くために陸上を辞めたのに…


 まぁそれぐらい昼間の泉の走りは強烈やったけど…



 …ここでワシらは今からあの北摂の白兎こと…

 佐野泉と5000mで勝負する。。

 専用のシューズに競技用のユニフォームをつけて。


 けどなんと…泉もマラソンシューズを履いてきた。

 体力測定でスパイクを禁止された場合に備えてたらしい。


 まったく…どんだけ用意周到やねん。



『…じゃあ改めてルールを確認するで。

 コースはあそこまでを二往復。距離は5000mや。

 そこで駅伝部員三人のうち一人でも泉に先着すれば、

 …約束通り泉には駅伝部に入ってもらう。。』


『ええやろう。…三人いうても実質は天保山一人や。

 そしてウチが勝てば何でも言うことを聞くんやな??』

『…ああ。それで間違いない。』


『そうか。じゃぁ遠慮のぅ好きにさせてもらうで。』



「あ…あのさ泉…」

『なんや、天保山??』

「好きにするって…どういう意味??」


『……聞きたいか??』

「聞きたくは…ないです。。」


『よし…ええ子や。。(`^〆^´)ノ』

「…(´゜д゜`)」



 こいつ佐野泉は…男やのに女生徒として学校に通っとる

 …いわいる性的マイノリティ。。

 好きにするとはやっぱり…そういう意味かもしれん。


 …けど…逃げ出すわけにもいかんねや。。


 駅伝部を作って都大路に行くなんて無謀な目標のためには

 こいつは必要不可欠な人材…いや、人財なんやから。


 だったら方法は勝つ以外にはない!!

 んやけど…怖いなぁ。。(´;ω;`)



『ようし、準備はええか!?』

『ウチは万全やで!』

「ワシも…大丈夫や…」

「俺らもええよ。」


『じゃあ位置について…』



 <パン!>

 …みなみの合図でスタートした。


 スタート直後、泉は先頭には…出ない。

 集団を引っ張るのは…ワシ。。


 …ペースはかなり遅い。

 みんなにあわせようとした結果やけど…


 それでもスタート直後に赤阪は集団から離れた。

 能勢は頑張ったけどやはり1分ほどで脱落。

 予想していたとはいえ、早々とマッチレースの様相や。


 半周…1.25キロを通過して折り返した。

 すると泉はしきりにワシの後ろにつきたがる。 

 ちょっとゆさぶりをかけてみると…その動きは明らかや。


 …折り返したことで向かい風になった影響やろうか??


 概して軽量の選手は風に弱いのだが…

 体重41キロの泉にはこの程度の向い風も影響するみたい。

 終盤勝負をかけるなら…この風は利用するべきやな。。



 そして泉がワシを風除けにしたためペースは変わらず…

 そのままレースは2.5キロ…半分を通過。。


 通過タイムは…8分15秒??

 このままではゴールは16分半という酷いスローペース。。


 …さすがに焦れたのだろう。

 2.5キロを過ぎた直後…泉が前に出た。。



『行くで…ついて来ぃや…』

「えっ??」


 こいつ…

 宣言してからペースアップなんてあるんか??

 勝負なら秘密裏にことを進めるはずやのに…


 それだけ余裕があるんやろうか??


 …とはいえ本当にペースは上がった。

 ワシには未知の領域に…



 せやけど…ここはついて行くしかない。。

 だってもし負けたら…


 それだけは勘弁してください!!( ;∀;)




予想通りの大幅なペースアップ。。


昇はついていけるのかな??

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