024 あり得んやろう。。
男子全国最高レベルの中距離走者…
にして名目上は女子高生のMTF、佐野泉。。
一時は府大会相当だった女子長距離選手。
やけど今は心臓病を抱える、難波みなみ。
この二人による1000m…
あり得ない条件によるハンデ戦が始まります。。
「みなみ!!おい…」
…と言っても聞こえていない。
もうスタートラインに全員が並んでいる。
…あり得ないハンデ戦のはずなのに…
…予定通りの走りなら…
…負けるかもしれない勝負が始まる。。
…みんなノタノタとスタートラインに立つ中…
泉だけは他とスタートのフォームが違う。
…完全に競技者の構えや。。
<パン!!>
号砲一発…スタートした。。
アホそうな二人の女生徒が全速力で飛び出した。
泉が全力で走ると聞いてどこまで一緒に走れるかを
試したいってイチビリで…
ソフトボール部の一番と二番。(;・∀・)
女子では学校でも指折りの快足らしいけど…
泉には…全く関係なかった。(´゜д゜`)
『は…速っ!!(´゜д゜`)』
『何これ??これが…人間の走り??』
…周囲と同じ動きをしているとは思えない。
男とか女とか…もはやそんな次元でさえない。。
普通の人間から見た泉は…別の生物にさえ思われる。
…イチびった女生徒は数歩で置いていかれた。
しかも泉はそのペースをまったく落とさない。
赤阪のスマホでラップを計測したけど…
100メートルの通過は…14秒。
200メートルの通過は…28秒。
陸上経験のない女子は不可能に近い…
いや…男子でも運動部の脚自慢程度では
簡単ではないスピードや。。
…わかりやすく説明すれば、
泉は50メートルを7秒0のペースで走り続けている。
…7秒0??
それぐらい大したことは…
…実はそうでもない。というのも…
手動で計測するタイムは実際よりも速くなるから。
なぜなら…記録員がスタートの合図を知ってから
ストップウオッチが動くまでの誤差がある。
だから正規の記録員でも約0.3秒の誤差が出るんや。。
それでも正規の記録員は、選手がゴールしたのを
確認してから時計を止めるなど工夫をすることで
少しでも誤差を調整した結果なのだが…
…不慣れな者がタイムを計測した場合は約0.7秒…
…恣意的に好記録を出そうとする者が測れば…
1秒以上の誤差になることもあるらしい。。
さらにスタートを笛などで行っている場合はこれに
音速による誤差…0.16秒が追加される。。
事実として甲子園で5秒台と放送される野球員部の
ほとんどは正式に計測すると、、
7秒を切れない、(´゜д゜`)
ってか短距離走者でも一流でもない陸上部員やった
どっかのオッさんでさえ野球部員に計測させたら
楽勝で5秒台やったとか、、
…つまり本当の意味での7.0秒とは…
…一般の計測ならば6秒台前半の足自慢…
…場合によっては5秒台後半に相当する。。
そしてこの速さで走り続けるのが…一流中距離選手。。
「…すごい…本物や。。」
「…あの走り…現役バリバリじゃねえか。。」
…みんな呆気に取れて驚いてはいるけれど…
…驚きを隠せないのは駅伝部員や。。
こいつ…中学時代より速くなってる。。
…一方で焦っているのはみなみや。
想定していたよりも速い泉のペース。。
…泉は既に半周200mを通過しているのに、
みなみはまだ100mを過ぎたところや。
400m…一周のラップは58秒!!
…少し落ちたが、まだ高校ではトップクラス。
みなみはまだ半周を通過したばかりやというのに…
…一応、勘違いのないように言うとくけど…
みなみが遅いわけではないんやで。。
…だってこれでも全体では二番手…
泉を除けば先頭を走っているんやから。。
…ラスト一周の鐘が鳴る。
泉は600mを通過…1分28秒!!
みなみはまだ一周目の400mも通過していない。
みなみの一周目は…1分37秒。
予定していた4分のペースを…1秒下回った。
「…どうや??」
「これは…際どいよ……」
…赤阪はスマホを見ながらゴールタイムを予測する。
みなみはあと半周逃げ切ればいいだけなんやけど…
どうも分は泉にあるらしい。。
あいつ…ラストスパートの体勢に入った。
この一周で…さらにスピードを上げる気なんや。。
…一流中距離選手のスピード。。
実際に競技場で見てみてください。
本当に吃驚しますよ。。
世界レベルは1500mのラストスパートで
時速30キロを超えてきます。。




