233 ヒューヒュー
優勝こそ逃したものの、
満身創痍ながら放出がゴールして、
天下茶屋駅伝部は七位入賞。。
(*´ω`)
そして僅か一年で終わりを迎えた
駅伝部のメンバーはそれぞれの
生末を見つめるわけで、、
「となると…能勢ももう
駅伝はしないのか??」
「…ああ。( ;ー∀ー)
一年やって分かったが、
俺は三キロが上限だ。。
大学以降の駅伝で走れる
区間はないからな。。」
「…じゃぁ…
大学ではどうする?
スプリンターに戻る?」
「…ああ。( ;v;)
400mのスプリンターに
戻ろうと思う。。
この一年で体力はついた
けどそれ以上に…」
「それで…ええんか??」
「…ええかどうかは今後の
俺次第だよ。。(^ー^;)
目指すとこはあくまでも
マイルリレー。それも…」
「…それも?( ゜n゜)」
「…どうせやるなら…(^c^)
日本代表を目指してやる。
やっぱり俺は大きな看板を
背負ってやるほうが力を
出せるみたいだから。。」
「俺も…そうだな。。」
「…浜寺…は何がそう??
ランナーを続けるの??」
「…それも含めてまだ
決めてないがな。(・v・)
俺ももっと上を目指す。。
いつか俺自身が満足できる
英雄になるために。。」
「…というと、( ゜Д゜)
浜寺も日本代表を目指すと
いうことか??」
「……かな、('v')
正直かなり難しいけど…
天保山の言うたとおりと
俺は思うてるから。。」
「…(´・ω・)??」
「…やらな何も始まらん。
(*´v`)
けどやればこんな…
創部一年の素人集団が、
都大路で優勝に迫ること
さえできたんだぜ。。」
そう…やな。
(*´ω`)
駅伝部を作って…
この一年の全てを賭けて
掴み取ったもの。。
それがきっと…
成長。礎。。
やらな何も始まらん。
けどやれば…
一歩踏み出せば。。
世界でさえ射程にした
望外な夢を見られる。
赤坂は…走り続ける。
次は箱根を目指す。。
能勢と浜寺は別の競技で
世界をも見据える。。
いずれも大学進学先で
夢を目指す。。
一方で、、
もっと具体的なワシは…
「…ワシは…( ;v;)
一足先に実業団に行く。
きっと最短距離で…
年が明けたらすぐに
日本最高の環境で練習を
始めるつもりやから。」
「おっ。(/・v・)/
さすが天保山は主将だ。
差をつけてくれるね。」
「…ああ。(; ・`v・´)
ワシはできるだけ早く
世界に通じる…
日本中を笑顔にできる
ランナーになるんや。」
「…いや、でも。(´・ω・)
なぜそんなにも焦る??
天保山はどこの大学でも
いけただろうになぜ…」
…迷った。(´・ω・)
けど、、
言うことにした。。
ワシが笑顔にしたいのは…
ワシが笑顔であれるのは…
みなみであると。。
だからせめてその目が
黒いうちにワシは…
笑顔を届けられる
ランナーになる責務が
あるからやと。。
だけど…
『…キツイことを、、
(*ノーωーノ)
ウチは余命が最大五年と
宣告されとる身やで。。
ここに長居することさえ
でけへんのに、、』
「……スマン。(*´ω`)
けどそれがワシの原動力。
だから一日でも長く…」
『…それは約束できんが…
昇はええ顔で笑うように
なったな。(;´∀`)
それだけで…もう充分や。』
「…まだや。(; ・`v・´)
ワシらはたった一年で
ここまで来たんや。。
五年もあればみなみも
きっとまだ…」
『…そうやな。(;v;)
やらな何も始まらん…
やったよな。。
ならウチかってまだ…
何かできるよな。。』
そう、
改めてやけど…
たった一年で成したこと
思い返すなら、、
もっと懸命に…
もっと絞り出せば…
もっとできるはず。
(`・v・´)
あと数年の命であっても
できることはきっと…
これを共有できた…
駅伝部のケジメという
ところかな。。
とワシとみなみは
ちょっとシンミリと
したんやけど、、
なんでワシらが
からかわれんねん。。
(=゜ω゜)ノ
ヒューヒュー言われな
あかんねん。。
根っからの関西人
どもが…(*`ω´)ノ
18年間生きてきて
一度もそんなウワサ
なかったワシが、、
そも人間関係自体が
ほとんどなかった
ワシがなんで???
血縁はないけど
ワシらは従兄妹関係。
ホンマにホンマ、
そういうのはない
けどその、( ゜N゜)
これも含めて
よくよく考えたら…
ワシが人のために
なにかやろやなんて
実は…初めてかも。。
そんな思いを持つのも
初めて…かも。。
けどそんな気持ちで…
ずっと戦って来た漢も
ここにはおるんや。。
傷つきながらも全てを
出し尽くした陰には
どうしても、、、
だから…
遅ればせながらやっと
現れた仲間の、、
いや…彼女の前では
どうしても、、、
「お、やっと来たか。」
「…どうした泉も遥も。。
早く入って来いよ。」
ようやく放出のいる
医務室まで辿り着いた
泉と遥。。
けどなぜか二人とも
入り口で戸惑って、、
『…先に入れや、、
阿倍野、(*´ω`)』
『…でも…佐野先輩。。
何と言ったらいいか…』
『…言わんでええ。。
ただ…寄り添ったれ。。』
『……はい。( ;v;)』
これは…からかえんな。
ヒューヒューもない。
(*´ω`)
誰よりも傷つき…
競技人生を終えた漢の
こんな表情を見たら、、
これまで努めて平静に
していた放出やったのに
遥を前にした途端。
抱擁して……
泣いてしもたから。。
未来を語る者、
語れない者、
競技人生を終えた者、
その心の内を誰より知る者…
放出と遥は…
そして駅伝部はどうなる??




