231 矜持
都大路。全国高校駅伝。。
優勝を争っていた放出は
ゴール直前で…
<転倒!!(;゜C゜)
天下茶屋が!!!
ゴール直前で放出が…>
転倒??…(;゜Д゜)
否…これは、、
崩壊。。。
(´;N;`)
有望陸上選手一名の
選手生命の終焉を示す
終わりのシグナル。。
ただ…
本当にその深刻さを
知る者は、近くで見た
陸上経験者だけ。。
放出の状態を知る
者だけ、、
その当人たちは…
「は…ハナ!??(;゜Д゜)」
『放出!!(; `C´;)』
観衆はわけもわからず
声を上げるばかり、、、
けどワシら……
(;´・ω・)
関係者はどこかで覚悟を
していたはず。。
いつかどこかでこうなると
予想で来てたはず。。
だけど…(´;n;`)
よりによってなぜ
今ここで…
日本一を争う都大路の…
友との直線勝負の、、
ゴール手前わずか…
30mの地点で、、、
(´;C;`)
ゴール手前で事態に
気付いた垂水は、
都大路で史上唯一、、
勝利の笑顔もなく、
後ろを振り向いたまま
ゴールテープを…
そして…
放出に駆け寄ろうとする
スタッフを遮るように
みなみは一言だけ、、、
『立て!!(; ・`д・´)
まだ終わるな放出!!』
「……(;゜N゜)」
『終わるな…(; :`C;´)
まだ…途切らすな。。』
「……(; :`N;´)…」
もう…誰も動かない。
(;゜n゜)
この緊急事態にあって
医療スタッフが一歩も
近づかない。。
だって…
放出が応えたから。。
(;・∀・;)
限界を超えた体力…
傷ついた心身、、
だけどその上で…
あらん限りに力を込め
顔を上げたから…
けどその姿は……
『キャー!(;゜Д゜)』
血まみれ…
超のつく二枚目で
女性人気の高い
放出の端正な顔には
痛々しいまでの…
擦傷。。( ;c;)
さらにそれ以上に…
擦りむいた腕の皮は
めくりあがり、、
脚はその下の肉が
むき出しにまで、、
(´;ω;`)
けどその上でなお…
そんなの…
痛みの極々一部。。
(;゜N゜)
全国に晒された赤い
擦傷よりもずっと、、
靱帯切断の痛みは
比較にさえ…
常人なら立つなど
ありえない程の
激痛、、(;;c;)
けどそれ以上に…
矜持は捨てない。
ふらつきながら
脚を引きずっても…
一歩…さらに一歩と
ゴールに近づく。。
(`;v;´)
絶対に…
何があっても…
このタスキだけは
繋ぎ切る。
その思いだけで…
けど次の瞬間。
に放出のすぐ横で…
<略南が出る!!、
天下茶屋をかわした!
続くのは笹羅!!
諏訪久聖は遅れた!>
レースは天下茶屋の
モノではない。。
西京極は放出だけの
舞台ではない。。
(´;ω;`)
ゴール直前…
放出は一気に三人に
抜き去られた。。
五位転落。。
そしてこれにより…
再び転倒、
(;;c:)
接触はなかった。
ただ近くを駆けた
風を受けただけ
だったのに…
ゴールまではもう
あと10mと少し…
けど再び立ちあがる
力なんてもう…、、
(;´・ω・;)
西京極の観衆の声は
二つに割れる。。
止めるか…
続けさせるか。。
ただ本人は…
もう二度と走れない
ことは理解してる。。
だからこそ……
先の選手生命をもう
ないものと知っている
からこそ、、
視線を向ける放出に
みなみは…頷いた。。
そしてゴールラインで
放出を待ち構えた。。
もう誰も止めないこと。
確認するかのように…
そんな放出を止めよう
とする関係者たちを
今度は垂水高丸と、
播州工業のスタッフが
遮った。。
だって…
仲間だから。。
彼等もまた放出が
これが最期だと知る
かつての仲間たち
だから、、
もう放出の目に…
周囲の何も入らなく
なってるのだろう。。
そのすぐ横を報緑…
鱧川がすり抜けても
そんなことはもう
委細も構わず、、、
それでも仲間たちの
繋いだタスキに
責任を持つ駅伝選手
である漢だから、、
這った。(;゜Д゜)
立てないなら…
走れないなら…
脚はもうダメでも…
手指の一本も動くうちは
棄権なんぞせん。。
それがタスキを預かった
モノの最低限の責務。
そう誓った漢の…
ラストランだから。。
一方で…
そんな選手を信じるのが
送り出した者の最低限。。
タスキを繋ぐ仲間の
最低限の矜持。。
見守る…しかない。。
祈るしかない。。
信じるしかない。。
励ましの…
声を出すしかない。
ワシらのその思いは…
徐々に伝番してやがて
西京極全体から、、
<放出!!、放出!!>
歓声は…コールとなる。
競技場を包み込む。。
(; ・`C・´)
そんな声が…
届いたかは知らない。
けど…這って、、
既に動かなくなった
右足をアンツーカーの
上に引きずらせ、、
皮膚の捲れた脚の肉を
むき出しにしてなお、、
常人ならばとっくに
意識が飛んでるで
あろう膝の激痛にも
絶えてなお、、
だって…
ここで止めたらその
何倍も何十倍も、、
心が痛いから、、
それだけはこの狂人…
いや……強靭な精神を
有するこの漢でさえ
身体の痛みにならば
耐えられる放出でさえ…
堪えられないから。
(´;ω;`)
永遠にさえ思われた
僅か…約10m。。
時間にして約1分。。
醜態とも言える姿を
晒してなお身体を…
タスキを前に進めた
放出は今やっと、、
ゴールラインを超えた。
( ;∀;)
みなみに抱えられた
放出はただ一言…
「…済まない。。」
と呟いて…
痛みと悲しみと…
ほんの僅かの充足の
表情のまま、、
その場で気を失った。。
傷つき…壊れてなお
全身全霊でそのタスキを
繋ぎ切った放出。。
どうなる…




