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228 不文律

残り一キロ、、

(; ・`n・´)

勝負決着目前。。


では…

どちらがどう仕掛ける??


「…この、(; ・`д・´)

 正気かコイツは、、」

「…はぁ、はぁ…

 (;´゜C゜`;)」


「…この距離でそんな

 荒い息されたら嫌でも

 現実が知れるで、、

 ハナお前…本気で…」

「…ぐっ、(;´゜n゜`)」



 それは…言えない。

 覚られてもいけない。。



 体力の限界はもちろん

 痛みの限界をも突破、、


 こんな状況でなおこんな

 チキンレースも同然の

 食らいつきをしたらもう

 その先は多分、、


 それは分かってる。。


 競り合う垂水高丸には

 誰よりも分かる。。


 けど…(;´・ω・)



「…今この状況で…

 何か仕掛けろと言うのは

 垂水くんには酷だよ。」



 それは…当然。。

 (;´・ω・)


 二年ぶりの日本一奪回を

 目指す播工のアンカー。。


 ここで焦って決着を望む

 などはありえない。。



 垂水高丸副主将はそんな

 子供ではない。。


 大名門の看板を背負う

 アンカーを担う漢が、、


 勝つ確率の低い勝負など

 仕掛ける故がない。


 だって…



「陸上関係者にもあまり

 知られてはない事実では

 あるが、、(;´・ω・)」

『…何ですか千林さん。。

 垂水選手に何か秘密が

 あるとでも?(;゜Д゜)』


「…垂水くんは…(´・c・)

 元はスプリンターだ。。

 中学時は一年生で400mの

 近畿大会に出ている。」

『…中学一年で…(;゜C゜)

 三年まで出られる種目で

 近畿大会にまで???』


「だがそれでは満足せず…

 頂点を獲れる種目を探して

 距離を伸ばしていった。

 それで高校では3000mSCで

 二年連続の日本一に…」

『…千林さん、(;´・ω・)

 なぜ垂水選手の昔のこと

 急に語りだすので??』



「……わからないか??

 そのクラスまでいった

 元スプリンターを相手に

 トラック勝負を挑まれたら

 放出はどうなる??」

『…あっ、(;゜Д゜)』


「…放出は…(;´・c・)

 お世辞にもスプリントに

 強い選手ではない。。

 そのことも垂水くんは

 知ってるはずだから…」

『この展開なら間違いなく

 垂水は…播工は、、』



 トラック勝負を望む。。

 (´゜д゜`)


 勝つ確率が最大値となる

 選択肢を取ってくる。。


 もしそれが故障を抱える

 旧友にとって何よりも

 望まない選択肢でも、、、



 そこに忖度する甘ったれた

 勝負師などいない。。


 まして…


 それが日本一の駅伝名門、

 播州工業の副主将なら……

 (´゜N゜`)


 そして当然ながらそのこと

 誰よりも知るのは、

 当の放出自身であって、、


 けど…でも…(;´・ω・)



「ぐっ!?(; ;`C;´)」



 放出の膝は限界……


 一歩一歩を刻むたびに

 脳天にまで突き上げそうな

 激痛に襲われる。。


 もはや痛み止めは効いてる

 のかさえ分からない。。


 いや…


 痛み止めがなければ既に

 絶えることも無理な

 激痛なのかもしれない。。

 (;´・ω・)


 けどそれ以上に……



 体力が限界。(;゜Д゜)


 ベストタイムをも超える

 ペースを刻んできた放出に

 これ以上を保つ体力は

 物理的に残ってない。。



 長距離走は根性の競技…


 なんてド素人は黙ってろ。

 (; ・`д・´)


 気力で体力が補える競技

 なんぞ人間界にある

 はずがなかろうて。。。


 では体力限界の選手は…



 今は仕掛けられない。

 (;゜N゜)


 少しだけ休む。

 最期にむけて休む。。


 仮にそれが垂水高丸の

 超高校級のスピード下で

 あっても耐え抜いて…


 最後の最期に引き金を

 引くだけのための……


 劇薬を装弾する、、

 (;;゜N゜;)



 垂水が勝率の高い選択を

 した場合は必然、、


 放出が勝つ確率を残した

 場合のも必然、、


 知らない人には不思議に

 見えるかもだけど、、、



 勝負事では珍しくない。

 (;・∀・)


 どちらにとっても勝率を

 最大限に高める選択。


 決着の保留。。


 忖度??茶番??

 ではない。(;ーcー)


 あえて言葉にするなら…



 不文律。。

 あるいは既定路線。

 (`・ω・´)



 先に仕掛けた方が負ける

 勝負事の阿吽の呼吸。。



 真剣に勝負に関わった

 ことのない人間には、

 一生をかけてもわかる

 ことはないやろう。。

 (;・n・)


 けど僅かでもその門の

 手前に立ったことのある

 者であればきっと…


 その息吹くらいは理解に

 及ぶ勝負の間合い。。



 仕掛けは…ない。(;´・ω・)


 仕掛けたくてもお互いに

 仕掛けようがない。。



 残りはわずか一キロ。。


 ラスト勝負では不利になる

 放出が仕掛けるとすれば

 他にないのだがここは……



 石畳。(;・c・)


 西京極競技場の入り口に

 敷き詰められた石畳、、


 足腰に故障を持つ選手には

 かなりキツい路面。。



 膝から突き上げる痛みは

 放出ほどの精神力を持って

 しても体力を削る。。


 消耗させる、(;´・ω・)

 ここでの仕掛けはもう……



 分かってる。

 (`・ω・´)


 七区のコースを知り尽くす

 垂水も放出も、ここでの

 仕掛けがないことくらいは

 不文律として理解する。。


 そうなるともう……

 (;´・ω・)



 石畳を終えると……


 先を走る垂水が下りながら

 左にカーブをとる。。


 食らいつく放出がこれに

 動きを合わせる。。


 すると西京極競技場に…



 大歓声が上がった。

 (;・∀・)


 互いの運命と競技人生を

 かけた大勝負は日本中が

 見守る中で残り僅か…



 500mとなる。。

 (; ・`v・´) 




残り500m、


誰が望んだか望まざるか

かつての相棒同士の決着は…


トラック勝負に、、

(; ・`C・´)

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