227 全てが…
都大路のアンカー勝負も残り1.5キロ。
ここでついに天下茶屋の放出が
先頭を捉えた。(((o(*゜▽゜*)o)))
けど、、、
「ま…マジか?(; ・`д・´)
この画像は本物なんか??」
「…NHKの生放送。(ーcー;)
普通のスマホのワンセグ。」
「…知らん!(; ・`C・´)
初めて見る映像がこんな…
簡単には信じられん。。」
「…昭和かよ天保山…(ーvー)
本当にスマホでテレビ
見たことないの??」
「……ない。(;#`д´#)
スマホ持ったんも半年前。
ほとんど使てない。。」
「…あらら。(/・ω・)/
たしかに天保山はずっと
孤高の人だったから……」
「…そんなええもんやない、
(;´ーvー)
ただ自分で自分が……
幸せに笑うことを拒否して
いただけやと思う。。」
「……だとしたら…(ーvー;)
大した変化だと思うよ。。
天保山はこの僅かの期間に
本当に成長したと思う。」
「……なにをか。(;-v-;)
元を正せば赤阪が駅伝部に
入ってくれたから……
よう考えたらそれが全ての
始まりやったからな。。」
「……こちらこそ。(^v^;)
本当に楽しかったよ。。
ボクらにとって天保山は…
一生の恩人だ。。」
…これ、(;´・v・)
西京極に向かうタクシー
でのワシと赤阪の会話。。
たしかにワシはこの一年で
大きく変わったと思う。
(`・v・´)
仲間も友達もいなかった
ワシには不必要やった
スマホも持ち始めた。。
未来に目標を持つことも
できるようになった。
幸せに笑いあうことを
拒否することなく…
笑顔を取り戻した。。
(*´▽`*)
けどそれは…
仲間たちも同じ。
全身全霊で駆け抜けた
この一年間の駅伝部。
みんながみんな成長し
充実し満ち足りた時を
過ごしたはず。。
本当は…
それだけで充分に
幸せだったはず。。
(;´・ω・)
けどそんなワシらの
観る映像に映ったのは
その幸せをも大きく
上回る…
…望外、(;・∀・)
期待最大値の上。。
俄かには信じること
さえ困難な、、
映像に音声がつくと
さらにその…
<追いついた!!
天下茶屋・放出京喬!
何と初出場の天下茶屋が
播州工業の垂水高丸に…
トップに並んだ!!>
(; ・`C・´)
<この放出選手は…
一年前まではこの
播州工業の選手でした。
二年生の夏には13分台を
記録して昨年度は…
県予選でエース区間の
三区として出場、、
しかしそのレース中…>
<…膝の棚落ちを起こして
途中棄権。(; ;n;´)
全国三連覇を目指していた
大名門・播州工業を…
棄権させたんです。>
<…そして…自主退学。。
一度は陸上を諦めたものの
天下茶屋高校で復活。。
そして今…(; ・`д・´)
かつての所属高に、、
相棒で親友でもある垂水に
牙を剥きます!!!>
音声がつくと更に…
(; ・`v・´)
信じがたいことやけど…
ワシらの作ってきた
天下茶屋駅伝部が、、
今日での消滅が決まって
いる天下茶屋駅伝部が…
(; ;v;´)
この勢いそのままに
播工を抜き去る??
まさかの日本一??
と思いきも……
「…まずいかな。。
この寒空の中で放出…
あんなに汗かいて、、」
「…かもしれんな。。
あんな苦しそうな顔の
放出は滅多には、、」
「…さすがにここまで
飛ばし過ぎたのか??
いくら放出でも…」
「…たしかに、(;´・ω・)
区間新を大きく上回る
ペースらしいから、
さすがにキツイかな。」
それは…当然ある。。
(`・ω・´)
ここまで飛ばした放出の
ペースは高校生としては
はっきり言って…異常。。
(; ・`n・´)
さすがにこの勢いで
ゴールまでなだれ込む
ことはできない。。
陸上とは身体の限界と
正直に向き合う競技。。
では陸上ではこういう時
どうするかと言うと…
休みます。(・ω・)
とはいえレース中だから
休憩なんてできない。
休むとは言葉のあや。
では陸上での休むとは
何かと言うと……
少しだけペースを落とす。
(;´・ω・)
そしてペース配分を周囲に
作ってもらう。。
頭を使うのを只管にやめて
ただ流れに身を任せる。。
つまりこのケースでは…
垂水高丸に任せる。。
(/・ω・)/
あの播州工業副主将にして
3000mSC王者の垂水の…
5000m14分00秒のペースに
合わせるしかない。。
時速21キロ超で走りながら
頭を休ませる以外に
方法すらないのが現実。。
(;;゜Д゜;)
こんなもんで休めるかと
問われたならばその…
(*ノ・ω・ノ)
常人に絶対無理、
以外の言葉がないわけで、、
それに加えて尚こちらの
タクシーではその…
『あんの…アホ放出、、
(; ・`д・´)
ここで苦しい顔見せたら
イモひくぞバカタレ…』
『…佐野先輩…(*ノωノ)
そういう言葉つかいは…
一応はお嬢サマの立場で
女子高生二人タクシーに
乗ってる立場でその…』
「……あのぉ…(;・∀・)
さっきからお嬢さんたち
言葉が荒いような……」
『誰がお嬢や!?(。-`ω-)
ウチらそんな半端モンや
ありゃしませんで、、』
『…なんかすいません。。
私たちはちょっと俊足な
だけの女の子というか
なんと言いますか、、』
「……はぁ??(;・∀・)」
『……とはいえ、(;・c・)
あの顔はやっぱり、、』
『…おそらく、(;´・ω・)
阪急電車の高架の所で
あんなことしちゃい
ましたから、、、』
『……もたんか??
ウチには経験ないけど
痛め止めってのは……』
『…魔法ではないです。。
おそらく放出先輩の膝に
もう緩衝材はない。。
そんな状態では薬なんか
慰め程度にしか……』
もう…体力は限界。。
(´゜д゜`)
さらに膝は限界越え、、
痛み止めさえ効かない…
この先は、、
一歩踏み出すたびに
耐え難い痛みが、
膝下から脳天までを
貫く地獄の時間。。
\(゜ロ\)(/ロ゜)/
それでも…
耐え抜く。だって、、
泣いても笑ってもあと
一キロの勝負、、
あと3分弱で全てが
決まり…
終わると知ってるから。。
泣いても笑ってもあと一キロ、、
(; ・`n・´)
歓喜のゴールを迎えるのはどちらか、、
それとも……




