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223 行け…黒豹!


な…何があった??

Σ('◉⌓◉’)


27番が…大阪の天下茶屋が…


2位に浮上してきた!?

(*⁰▿⁰*)



<その前に…27番。。>

<ざわ…ざわ…>



 …ざわついた。

 (;・C・)


 

 だってたしか二位争いは

 広島の笹羅と京都の略南で

 行われていたはず。。


 なのに一位の播工の次に

 コールされたのは…


 27番?(;゜C゜)?

 大阪ってことは…



 第六中継所でもひと際に

 目立つ引き締まった

 表情の二枚目が、静かに

 ウインドブレーカーの

 下を脱いで前をはだけて

 中継線に向かっていく。


 小豆色(マルーン)のユニフォームに

 浮かび上がる文字は…

 


 天下茶屋。(`・C・´)

 創部一年目の初出場。


 さっきまで四位争いを

 していた無名高がなんと

 単独の二位に上がって

 きたらしい。。


 わけあってさっきまで

 二位以下を中継でけて

 ない放送席は混乱。。


 何があったのかを

 急いで調べてるけど

 とりあえず今の時点で

 わかったことは……



 前後の走者との距離が

 わからない雪空…


 北大路通りの間では

 先頭との距離はあまり

 詰められなかった。。


 独走だったゆえに

 自分のペースで走れた

 播工の土山を上回るのは

 厳しかったみたいや。

 

 けどその変わり…



 二位集団とは詰めた。

 (`・ω・´)


 北大路通りの出口の

 三キロ地点で約10秒…

 出走時28~29秒やった

 二位集団との差を、、


 19秒差にまで詰めた。

 (((o(*゜▽゜*)o)))



 多分それは白兎の…


 中距離走者ならではの

 圧力の掛け方に優れた

 走りの技術ゆえ、、

 (`・ω・´)


 四位集団の後ろにいた

 泉から煽りを受けた

 前方にいた諏訪久聖と

 鱧川が溜らずに加速。


 けど詰めた代わりに

 四位集団は疲れるかと

 思われたけど、、

 (;´・c・)



 雪兎は例外。(;・∀・)


 後方で力を蓄えていた

 ラストスパートに強い

 北摂の白兎は一気に、、


 転倒した中継バイクに

 目を取られた連中の

 隙をついて一気に、、



 北大路から西大路への

 左折を最短半径で

 回って一気に再加速。。

 (;・C・)


 その時点で18秒…

 約100mほど差のあった

 二位集団を1キロ先の

 四キロ地点で、、



 捉えた!?(;゜Д゜)

 そして一気に…


 笹羅と略南を置いてけ

 ぼりにしたらしい。

 \(゜ロ\)(/ロ゜)/

 


 この大事な都大路で

 旧知のライバルに

 抜かれるのは恥、、


 略南の上牧選手は必死で

 粘ったらしいんやけど

 相手が悪い。(゜Д゜)ノ


 力の違い、天候の違い、

 スピードの違い。。

 そして何より……


 思いの強さの違いを

 見せつけられて、、

 \(゜ロ\)(/ロ゜)/

 

 けどその間に中継所は…


 少々きな臭い空気に、


 強さでは負けない二人が

 控えているわけで、、



「…来たか。(`・v・´;)

 あのバケモン白兎め、、

 やはりハナの予想通り

 佐野が持ってきたか…」

「…何を言ってる?(ーvー)

 競り合えるライバルが

 いないと都大路でも

 気合が入らないか??」


「…かもしれん。(-c-)

 七区で一番手ごわいのは

 やはりハナやから。。」

「…アホ言え、(; ・`v・´)

 笹羅も略南も無視して

 俺だけ見やがって…

 聞いた感じ先頭マルまでは

 30秒はあるだろ。。」


「…ぬかせ。(; ー`vー´)

 そんな気合充分の顔して

 逃げ口上を打つなや。」

「……現実だ、(;´ーvー)

 佐野でもさすがにもう

 これ以上は来ない。。

 さすがに今この状況で

 マルを追うと宣言は…」



 その弱気を聞いて…

 (;´・ω・)

 垂水高丸もハッとした。

 

 放出は…故障持ち。

 このレースを最後にする

 ことを決めている。、


 いや…(;´・ω・)

 この場で潰れることへの

 懸念からアンカーに

 回された程の重症、、



 …もし膝の爆弾がここで

 出てしまったら、、


 もしレースを潰したら…

 (;゜Д゜)


 あの日の放出の苦悩を

 誰よりも知る垂水に

 わからないはずはない。


 けど…だからこそ、、


   

「…すまねぇ、(ーcー;)

 とりあえずこれだけは

 出走前に言わせろ。。」

「…なんだよマル…

 改まって…(;´・v・)」


「謝らせてくれ。(;・n・)

 …だってあの日、、

 二区を走ったんは俺や。

 もし予定してたとおりに

 先頭で三区のお前に

 繋いでさえいれば、、」

「…今更。。(;´ーvー)

 それを言われて俺は何を

 どうすればいい??」


「…だからその、、

 俺はお前にそういうの

 望まないからその…」

「……悪い。(;ー`vー´)

 それだけは聞けない。。

 その選択肢だけは…

 俺に求めてくれるな。」


「……どう…あってもか?」

「…ああ。(`・v・´;)

 何がどうあってもだ。。」



 放出の…決意。

 そして覚悟。。


 この期に及んではもう

 何があっても、、、

 (;´・ω・)



 これを横で聞いていた

 七区の付き人の遥は…


 みなみから送られてきた

 LINEを放出に伝える

 ことができなかった。

 (;´;ω;)


 あの日の約束の確認。。

 【064参照】 



 だって天下茶屋の目標は

 あくまで入賞やから…

 潰れる覚悟をしてまで

 前を追う必要のある状況

 ではない…だから……


 本当に危ない時は…

 緩めても構わない約束。。 



 けどそれは…空手形。。


 少なくとも放出にその気は

 微塵たりともない。。


 だからそんな男に遥は…



 頑張れとは言えない。。

 (´;ω;`)


 でも…抑えて行けなどと

 口が裂けても言えない。。


 無事に帰れとさえ……

 だから。。



『……放出先輩。(・n・)』

「ん?どうした阿倍野…

 言いたいことがあるなら

 はっきり言ってくれ。」


『ご…御武運を、(;c;)』

「…なんだよそれ。(ーvー)

 お前は武家の嫁か??」


『……いえ、(;∀:)

 けど私は放出先輩を…

 信じてますから。。』

「……すまん。(;´ーvー)

 お前の気持ちはわかる。

 から……察してくれ。。」



 全ての気持ち……

 全ての思い。。


 けど…もう断ち切る時。



 播工の土山が来た。


 先の読めない雪道で

 先頭を守り抜いて、、


 勝利を確信したように

 ガッツポーズでタスキを

 繋ぎ切った。。



 これを受けたアンカーは

 今年度3000mSC高校王者、


 垂水高丸。


 ニヤリと笑みを浮かべて

 走り出した。。


 この区間で最強の男は

 普通であれば逃げ切れる

 実力者のはず。。


 けどその直後……



 来た、(;''∀'')

 天下茶屋・佐野泉。


 155㎝42キロの身体が

 大きく輝いて見える。



 いや…錯覚やない。

 (´゜д゜`)

 実際に大きい。


 4キロ地点で30秒以上

 あったはずの差が

 更に詰まってるんや。



《ウチの最後の最期を…

 託せるのは惚れ込んだ

 ワレ以外には……

 だから…全て託す。。》


  

 この寒空で汗まみれの

 泉の表情は……


 引き締まった笑み。

 (´・v・`)


 丁寧に両手でピンと

 張られたタスキを


 恭しく差し出さんと

 走りこんで来る。



「…ラストだ!!

 白兎!(`・C・´)」



 わかってる。


 奇特な運命ゆえに

 最後を共有し合える

 同志になった二人。。


 タスキリレーの瞬間に

 目と目で交し合う

 二人だけの強い意志。


 それ以上の思いも…

 それ以外も今は、、


 だから…


 全力で出し尽くして

 倒れこんだ泉は…


 絞り出すように叫んだ。



『行け…黒豹、、』




泣いても笑っても…

( ・∇・)


と言える位置まで追い上げた

奇跡とも言える泉の激走。。



…行け、、放出。。

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