221 五里霧中
ラストランの終着は
自分で決めたい。
(; ・`n・´)
そんな陸上選手として
当然と言える欲求を
飲み込んだ泉。。
その心の内は…
「…なんやそれ?(;´・c・)
佐野ってそんなアンカーに
拘ってるってなんで??」
「あいつ…これが最後だから。
もう公式レースに出られない
理由はマルも分かるだろ?」
「……まぁな。(;´ーωー)
それで最後は自分で決めたい
って気持ちも分かるけど…」
「…我儘なヤツだから。(ーvー)
俺がこういう事情でなければ
あいつもアンカーを譲っては
くれなかっただろうな。。」
都大路もついに六区。。
(;´・ω・)
ワシらがその全てを賭けた
42.195キロも残り約9キロ。。
現在、天下茶屋は六位。
(;´・ω・)
けど…四位集団。(`・ω・´)
先頭とも逆転可能な45秒差。
最終盤にエース二枚を残す
という思いがけず特異な
オーダーとなった天下茶屋は
もしかしたらという期待と…
終わりを覚悟してる二人の
ラストステージ。。
ただ潰れるのもキツイのに
こんな日本中が注目する場で
何するんやって次第で、、
(;´・ω・)
ただ一方でなんともはや…
六区の一部…五キロ区間の
僅か2キロだけが雪道という
特異な天候まで加わる。。
ただそうなると…
(;´・ω・)
雪道が得意な性的少数者って
超のつく特異な六区を擁する
天下茶屋としては悩ましい
までの難儀があるわけで……
「けど…結果オーライやて。。
あの白兎に雪の北大路通りを
あてがえたんやから。。」
「…だな。(`・v・´)
もし佐野が持ってきたら…
俺はその競技人生をも背負う
義務があると覚悟してる。」
「…おいおい、(;ー∀ー)
そこまでは無理やって…
土山の安定感はハナかって
よう知ってるやろ。。
荒天での土山は強いぞ…」
「……無理はしないさ。。
あくまで俺が…マルの首を
狙える場合に限った話。。」
「…結果オーライや。(`・v・´)
ハナがそう言ってくれるなら
気合が入るてもんやで。。」
「………約束はできん。だが…
条件が揃えば俺だってマルを
追うつもりだ。(`・v・´;)
競技人生の最後を俺に預けて
くれた佐野のためにも、、」
…受ける側…(;´・ω・)
放出に覚悟はあるようや。
では…渡す側は??
(;´・v・)
例えばリレーで一番強いのを
アンカーに置くなんてのは
作戦で言えば下策も下策。。
\(゜ロ\)(/ロ゜)/
走る距離も短く単純な直線で
バトンパスの技術も要らん。
リレー種目で素人に助っ人を
頼むらならアンカーが絶対。。
(;一_一)
ちなみに短距離種目未経験の
誰かさんはリレー種目では
アンカーしか経験がない。。
というかバトン練習してない
素人に他は任せられない。
つまり一番頼りない下手糞に
務まるのはここ以外ない…
それでもどこより責任重大な
勝負を決める区間こそが…
アンカー。(`・ω・´)
これを最後に放棄するは
我儘なアスリートにとって
意外に重要なことで、、
アンカーを任せられる相手は
普通にはいないわけで、、
では…
それを任せるべきは…
誰より泉を知る兄貴たちには
わかるかもしれずで、、
「…そうでごわすな…(;´・ω・)
自分の最後を託せるのは…」
「希ならどうだ?(;゜v゜)
大将以外していない力士と
して誰になら託せる??」
「惚れた…男でごわすかな…」
「…どういうこと?(;´・n・)
オカマではない希でも男に
惚れるってことなの??」
「…そりゃまぁ…(;^v^)
いわゆる男惚れってヤツ??
まぁ女にモテモテの兄貴には
縁がないでゴワスかな。。」
「…アホ言うな、(;´ーωー)
まだ大学生の俺が高給取りの
関取ほどモテるかよ。。」
「…けど…(;´・v・)
多分それは恋愛事情より…」
「…分厚いだろうな。(ーvー;)
男と男の敬愛ってのは…」
そういう…もんかもしれん。
(;´ーvー)
男が男に惚れる。。
その才覚に魅入るのは、
普通に女に惚れるのよりも
重く強い信頼がある、、
勝負の世界に生きる者なら
なおさらかもしれん。。
では…泉は??(;´・ω・)
泉は男でも女でもない。
けど男でも女でもある。
そんな性的少数者。
男が男に惚れる敬愛も
女が男に惚れる恋愛も
両方あって両方ない。
そんな事情がその、、
(;´・ω・)
けど、ならばこそ、、
であるとすれば…
同じ競技者として人として
惚れた時の思いの強さは…
通常の倍ってこと??
(*⁰▿⁰*)
普通ではあり得ん二乗に
なるかもってわけで…
『…託すで、(`・v・´;)
ウチの競技人生のタスキ…
ワレ以外には託せん、、』
泉の思い…固まったらしい。
(`・v・´)
映像で僅かに映った表情に
熱いものが映った。
それが決意、、
表情一つで全てを物語る
熱い心こそが一流の証。。
だがこれに反して…
レース展開は…凪。。
なぜなら天候は、、、
僅か10m先さえはっきりと
見えない程の雪模様。
北大路を走る選手たちの
前方に目標はない。。
…無理は禁物…(;´・v・)
現時点…先頭は播州工業。
二位集団は笹羅と略南。
そして四位集団は三校、、
諏訪久聖・鱧川・天下茶屋
七位は報緑。八位は槍敷。
これは六区開始時点から
全く変わってない。。
バイク中継が何とか各集団の
距離を計ろうと試みるも、
それすら叶わぬ程の空模様。
これはもはや、、
…五里霧中。(;´・ω・)
視界は僅か。。
信じられるのは腕時計と
己の感覚だけ。。
足元もおぼつかない。
周囲で何が起きたかも
わからない、、、
実際にレースをしてる
泉の思いなんてテレビで
見てるワシらには
計り知れんようにさえ。。
そんなブラックボックスと
化した北大路通りの展開…
先頭の播工がその終わり、
三キロ地点に差し掛かろう
という時、、
放送席から耳を疑う声が
聞こえた。。
<…転倒…>
誰かが転んだと。。
(゜Д゜)ノ
転倒!?
(;゜Д゜)
本気のレースにおける
転倒のダメージは単なる
心身の痛みで済まない。
リズムを崩せばレース
そのものが崩れる。
(´;ω;`)
この土壇場で誰が…
まさか泉が??
(; ・`c・´)




