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219 自分を認めるのは自身だけ

最高のレースをしてなお敗れた赤阪。

(;´・ω・)


では誰より頑張った努力の天才が

手に入れたものはなかった??



「うわ!?(;゜Д゜)

 なんじゃこりゃぁ…」



 第五中継所手前で驚いてるのは

 現在七位の報緑・三島選手。

 (;・n・)


 都大路史上で最高かもしれん

 三つ巴のデッドヒート。

 (;・∀・)


 赤阪たち三選手による四位争い

 鍔迫り合いから100m程遅れて

 いた彼の目に映ったものは、、


 …地獄絵図。(´゜д゜`)

 

 三人がまだ中継所付近の路上で

 倒れこんだままなんや。。



 四位で繋いだ諏訪久聖の寺参は

 なんとか自力で立てたけど、、

 (´゜n゜`)


 身体を投げ出して五位で繋いだ

 鱧川の田神宮は突っ伏したまま

 一人では立ち上がれない。。


 そして…


 同じくヘッドスライディング

 みたいに中継所に突っ込んだ

 赤阪は全く動けない。。

 \(゜ロ\)(/ロ゜)/


 中継所で待っていたワシが

 なんとか抱えて起して脇道に

 運び出すんやけど、、



「………った…(´;ω;`)」

「…どうしたんや赤阪。。

 どこか痛めた??(;゜n゜)」


「………なかった…(;c;`)」

「……何が?(;´・c・)?

 お前はホンマよぅやった…

 素晴らしい走りやった。。」


「……やったよ、(´;C;`)

 自分でも最高の走りだったと

 胸を張って言える、、

 出し尽くした…なのに…」

「……落ち着け赤阪。(;゜Д゜)

 お前は何もあかんことない。

 せやからその、、、」



 …わかってる。(;´・ω・)


 全力を出し切れてそれでも

 なお敗れた者の惨め、、


 まして赤阪は…(;n;)


 アスリートになりたいという

 夢が今まさに叶わんとして

 いたというのに、、


 同世代アスリートに並べば

 自分もアスリートだと

 胸を張って言えてたのに…


 おそらく五区区間最高の

 時計を刻んだのに、、、



 勝てなかった。(;c;)


 鱧川の田神宮に抜かれた。


 赤阪はこれを敗北と…

 アスリートに並べなかった

 と解釈してるんやけど…



 これ実はけっこう複雑で、、

 Σ('◉⌓◉’)



「…これ…(;´・C・)

 どうなるんだ??」

『…何がです千林さん??

 ここに来て何かわからない

 ことが??(・ω・)』 


「…ってか難波、(;´・ω・)

 駅伝のルールではこれは

 どうなってるんだ??」

『…知りません、(=゜C゜)ノ

 ってか千林さん知らへん

 ルールってあんの??』


「……あのね、(;ー∀ー)

 ボクはルールブックでは

 ありませんよ。。」

『…ネットで調べてみます。

 わかるかなぁ、((+c+;)』



 陸上が専門の記者。

 千林さんでも分からん

 駅伝のルールとは、、


 区間賞のことです。

 (;´・v・)



 赤阪のタイムは8分35秒。

 これ今回の区間最高。


 この後このタイムを破り

 そうな選手はいない。。


 ただ…(;´・ω・)

 鱧川の田神宮も同タイム。


 さらにこの区間で赤阪と

 順位を逆転してる。。



 トラックレースならば

 100分の1秒単位。

 これならば同タイムで

 順位が動くことはない。


 けどロードレース、、

 駅伝は通常 秒単位。。


 1秒で5〜6mは進む

 駅伝競技では順位を逆転

 した相手と同タイムと

 いうのは珍しくない。。


 これが区間一位の場合、

 抜かれた側には区間賞は

 与えられないのだが…



 ことを面倒にしてるのは

 同じく大接戦を演じた

 諏訪久聖の寺参。。

 (@c@;)


 赤阪より1秒早く出走し

 1秒早くゴールした

 彼のタイムも8分35秒。。


 当然この場合は寺参も

 区間賞やけどそうなると…



 …赤阪は区間何位??

 ?(;´・ω・)??



 区間賞が二人いるのなら

 区間三位ってこと??


 けど寺参とは同タイムで

 着順は関係ないし…


 見た感じ少しやけど差を

 詰めてたくらい。。



 つまり寺参を赤阪より

 上にする理屈はない。。

 \(゜ロ\)(/ロ゜)/


 けど赤阪は田神宮とは

 同着とは言えんし…

 (・ω・`)


 寺参を区間賞から外す

 のはもっと違うし、、、

 \(;◎C◎;;)/!



『…たしかに、(;´・ω・)

 こういう場合のルールは

 ないようですね、、』

「……そう、(;´ーωー)

 陸上専門スポーツ記者と

 しては恥ずかしいけど、

 ボクも知らなかった。。

 想定もしていない。」


『…じゃぁこの場合…

 競技ルールがない場合は

 どうなるのですか??』

「……断定はできんが…

 都大路は教育の一環だ。。

 そう考えるなら…(・v・)」


『…高校生に…('v')ゞ

 そんな教育はそぐわない

 ってことですか??』

「…だと思う…(;´・v・)

 少し甘いかもしれんが、

 今日の赤阪の頑張りには…

 その価値はあるさ。。」



 それからしばらくして…

 (・v・)


 テレビ画面にガチガチに

 緊張した赤阪を含んだ

 三人が映し出された。。


 区間賞インタビュー。

 (((o(*゜▽゜*)o)))



<自分の区間賞は二人と…

 田神宮と赤阪くんと

 競り合えたおかげだ>


 と述べる寺参選手。


<三人で競った経験は

 自分の競技人生の宝。。

 特に赤阪くんには…

 同じアスリートとして

 好敵手として礼を…>

 

 と述べる田神宮選手。



 これを受けて赤阪は…

 (;・∀・)


 誰もが認める高校生

 アスリートに両側から

 肩を抱かれた赤阪は

 全国1000万の視聴者が

 見つめる前で、、


 

 …号泣した。( ;v;)


 負けたけど負けてない。


 勝ってないけど勝った。


 自分は自分が認める…

 いや誰からも認められる

 アスリートに並んだ。


 そのことを…

 アスリートたらんとする

 赤阪が何より切望した

 願いが叶ったことを……



 赤阪自身が認めたから。

 (`;v;´)



 凡そダメ人間ほど自分を

 甘やかす。。

 すぐに自分を認める。。


 だから…

 ありのままの自分でさえ

 認めてしまう甘やかし

 さえやらかす。(+C+;)


 平気で自分にウソをつく。



 これに対して赤阪は…

 誇りある人間。( ・`v・´)


 自分を甘やかしはしない。

 他人には影響されない。


 むしろ自分への評価は

 誰よりも厳しい。


 恥も外聞も知るからこそ

 ウソも偽りもない。。



 それこそが一流であり…


 日本民族であり…

 真人間であり…

 自分という人格。。


 つまりはアスリートの

 証しとさえ言える。

 (; ・`v・´)



 ただそれは一方で…


 苦しさでもある。

 (;´・ω・)



 自分を認められる

 のは自分だけ、、、


 自分の成果の高を

 出せるのは自分だけ。


 努力の天才たる彼は

 自身の努力なんか、、


 そんな真摯すぎる

 アスリートに…



 既に赤阪以上の高を

 重ねてきたこの

 アスリートにとって

 どうなるのか、、



「…泉は…(;´・n・)

 今のレース結果を

 どう自分で昇華する

 でごわすかな。。」

「…さぁ…(;´・c・)」



 そう…(;´・ω・)


 アスリートである

 兄たちは分かってる。



 本来ならば陸上は

 個人競技者。。


 駅伝においての泉は

 常にアンカー。。


 自分自身で勝負を

 決めるのが当たり前

 の泉にとって…



 繋ぎの六区とは。。

 (;・n・)


 アンカーにいい位置で

 繋ぐのが全ての六区と

 いう役回りの中で…



 一キロ地点を通過。。


 泉たち三人の四位集団は

 文字通り先の見えない

 雪道でのレースに。。



 北大路通りに差し掛か

 ろうとしている。。



よく頑張ったから…

精一杯やったから…


本当に頑張ってる人はそんな

ことで自分を認めません。。

(;´・ω・)


だからこそ自分を認められる

指標を手に入れることは、、


真摯な人間にとって何より

嬉しいことなんです。


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